ここでは、WW2のドイツ軍が使用した対戦 車兵器、37mm対戦車砲用外装式成形炸薬弾を展示しています。
  
はじめに

今回は、2002年1月のブラックホール会場で、PKハウスさんのブースにあった37mmPAK35/36用外装式成形炸薬弾を 紹介する。これは開戦当初のドイツ陸軍の主力対戦車砲37mmPAK35/36の威力不足を補う為に開発された対戦車用弾頭で、” Stielgranate 41”と呼ばれた。これによってPAK35/36は、再び対戦車砲として現役復帰する事が出来たが、射程距離の長い新型対戦車砲から比べれば2線級である 事には変わりがなかった。
本コンテンツを制作するにあたり、貴重なアイテムを取材させて下さったPKハウスに感謝 の意を表します。

     
 
37mmPAK35/36
 
37mmPAK35/36は、1930年代中頃の各国の標準的口径に準じて開発採用され た対戦車砲で、1941年までに15000門以上がドイツ軍に納入され、開戦当初の主力対戦車火器として使用されたが、1941年の段階では既に2線級の 兵器となっており、”陸軍のドアノッカー”等と渾名された。
 
データ
口径 :37mm
 
砲身長 :1655mm
 
総重量 : 328kg
 
初速 : 762m/秒
 
貫通性能 :命中角0度100mで65mm
貫通性能 :命中角0度 500mで48mm
 
 
Stielgranate 41
 
37mmPAK35/36は前述の様な性能だった為、T34やKV等にはあきらかに威力 不足で、この事はドイツ軍の対戦車猟兵に深刻な問題となった。
 
50mmPAK38は1940年末から、75mmPAK40の初期型も1941年秋頃か らは実戦配備が開始されていたが、数量的にはまだまだ不足していた為、既存の37mmPAK35/36用にこの成形炸薬弾頭を持つ外装式弾 薬が急遽開発配備された。
 
ディティール

この画像は弾頭部を写したものである。
 
Stielgranate 41の弾頭部は、成形炸薬弾である為、この様に大きな物で、 弾頭自体も後に登場したパンツァーファウストの物等より分厚い鋼材で作られている。

 
ディティール
 
写真は、弾頭部を真上から見た状態。
 
弾頭の先端に付けられているアルミシルバーの物は着発信管である。
 
信管のまわりの溶接跡は、内部に通してある鋼製パイプと被帽を固定しているものと思われ る。

 

ディティール
 
これも弾頭部のアップである。
 
被帽部(レッドブラウンの部分)の形状が椀状で、信管が露出しているのが興味深い。
通常成形炸薬弾は構造上信管を後部に置いた方が有利だと思われるのであるが・・・。
 
この被帽部の中は空洞で、炸薬充填部(ダークグリーンの部分)にロート状の金属板と炸薬 が充填されている。
ディティール

これも弾頭部のアップである。
 
成形炸薬弾では、炸薬充填部に着火する必要があるので、信管は被帽部とその後ろのロート 状金属板を貫通して炸薬内にパイプが通されている。
 
これは戦車砲用の成形炸薬弾で採用されていた形式であるが、後に作られたパンツァーファ ウストでは、信管は炸薬の後部に位置する様になっている。

ディティール
 
これは炸薬充填部から、安定翼迄を撮った写真である。
 
発射時には後方に突き出た棒状の部分(マウント部)を砲口に入れる様になっている。
ディティール
 
安定翼は薄い鋼製パイプに付けられているが、このパイプには画像の様な穴が開けられてい る。
 
これは、発射時のガスを逃がす目的で設けられたものと思われる。
ディティール
 
安定翼とマウント部。
 
マウント部には3本の溝があるが、本来は発射ガスを逃がさない為の、オーリングが付けら れていたのかもしれない。
 
この成形炸薬弾は先込め式で、砲のライフリングには無関係な為、弾道を安定させる為の安 定翼が付けられている。
ディティール
 
安定翼は前部で6枚あり、カバー部に付けられている。
 
安定翼はカバー同様、この様に薄い鋼鈑で作られており、2枚一組の物が3セット付けられ ている。
ディティール
 
マウント底部側から見た状態。
 
この成形炸薬弾は、専用の空包で撃ち出されたが、その射程距離や、貫通性能等の詳細な データはわからない。
 
御存知の方がいらしたら御教示下さると幸いである。
ディティール
 
安定翼の付いたカバーと、マウント部。
 
このマウントが、37mmPAKの砲口に入る様に作られている。
 
マウント底部には、下の画像の様な刻印が打刻されている。
ディティール
 
マウント底部の刻印。
 
上からWaA(ヴァッフェン・アムト)の鷲の刻印(但し番号は判読不能)、” a.s.k”と”2.2”の刻印が打刻されている。
 
”a.s.k”はメーカーコードと思われるが、会社名は不明。
 
”2.2”の刻印についても意味不明。
ディティール
 
安定翼とカバーの取り合い。
 
安定翼は前述の様に2枚が一組で作られており、カバーと共にガス抜き様の穴が開けられて いる。
  
   
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11.Jan.2002 公開
16.Jan.2002 改定

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