ここでは、WW2のドイツ軍が使用した対戦 車兵器、パンツァーファウスト60を展示しています。
  
はじめに

今回は、戦時中の対戦車近接戦闘兵器取扱い説明教材、”149b Panzernachkampfwaffen”(ガラスに挟まれたスライドになっている物)からパンツァー ファウスト60の取扱いを中心に紹介する。
パンツァーファウスト60は、パンツァーファウスト30の欠点であった短い射程距離を延 ばした改良型で、発射装置にも改良が加えられている。弾頭自体はパンツァーファウスト30と同じく3kgの装薬が入れられており、命中すれば殆ど全ての戦 車を撃破する性能を持っていたが、初速が遅い弾頭を、動く戦車に命中させるのは簡単では無かった。
このスライド教材は、タイトル画像の次の1枚が欠損していおり、実際にはパンツァーファウスト60を両手で抱えた兵士のショットがあ る。
また、1枚目ではパンツァーファウストの概要、2枚目ではパンツァーファウスト60についての解説がなされているが、これらについては 他のコンテンツ等で既に紹介しているので、本コンテンツでは省く事とする。
また、これ以降のキャプションに関しても、テキストブックを参考にしてはいるが、翻訳ではない事をお断りしておきたい。
 
本コンテンツを制作するにあたり、同スライド教材用のテキストブックの資料を提供して下 さった、滝口氏にこの場であらためて感謝の意を表します。

   
Panzernachkampfwaffenから
   
パンツァーファウスト60
 
データ
 
射程距離 :60m(最大射程 :80m)
 
総重量 : 6,8kg
 
弾頭重量 :3kg
 
弾頭直径 :150mm
 
初速 : 45m/秒
 
貫通性能 :命中角30度で200mm
パンツァーファウスト60
 
前述の様に、この画像にはパンツァーファウスト60に関するキャプションが書かれている。
写真は、パンツァーファウストを発射した直後を捉えたショットであるが、発射後の射手は直ちに位置を変えないと危険な事がわかる。
また、この爆煙を見ると、パンツァーファウストが戦車以外にトーチカ類や敵陣、対人兵器としても使われたというのも納得出来る。
輸送用梱包

パンツァーファウス60は、通常写真の様な木箱に4本入れられ、運搬されていた。
パンツァーファウスト60は、輸送時等の安全性確保の為、使用時に信管と点火装置を弾頭 に挿入する様になっていた。
写真左の小箱に入れられているのが、信管と点火装置である。

弾頭と発射筒
 
弾頭:Kopfと発射筒:Rohrを分離した状態のパンツァーファウスト 60。
弾頭部には、薄い鋼製の安定翼が付けられていて、発射後に開くように作られている。
また、発射筒の弾頭側には照準装置と発射装置が、後端部にはボール紙製防湿キャップが付けられている。
 
弾頭部の各部名称
 
弾頭と安定翼:Kopf mit Fluegelscaft
 
弾頭は、弾頭先端のキャップ:Kappe、照星:Korn、34型点火装置: Zuendladung 34、信管:Zuender、ストッパー:Sperre、安定翼:Fluegel、から構成されている。
発射装置の各部名称

発射装置は、起倒式照尺:Visier、安全装置:Sicherung、発射レ バー:Abzug、から構成されている。

構造
 
写真上は発射筒内の発射薬:Treibladungと、発射時のガスの流れを説明したも ので、後方に大量のガスが噴出す事が説明されている。これにより、パンツァーファウストは一種の無反動砲となっている。
下は弾頭部で、着弾時に弾頭後部の信管が作動し、34型点火装置(点火薬)が弾頭内の装 薬:Sprengladungに点火し、弾頭は爆発する仕組を説明している。
発射の手順
 
まず最初に、弾頭を安定翼部から外し、弾頭内に点火装置と信管を挿入する。
写真は安定翼部のストッパーを解除している状態を示している。ストッパーは鋼鈑プレス製 のプレートで、写真の様に手前に引き上げると解除する事が出来る。
信管の挿入
 
パンツァーファウストの弾頭には、前述の様に発射前に、点火装置と信管を挿入する必要があるが、点火装置、信管の順番で入れなくてはな らない。
信管収納部は、弾頭先端側の直径が狭めてあり、誤って信管を先に入れる事は出来ない様に作られている。
信管の挿入
 
写真は、弾頭部にこれから信管を挿入しようとしているショットである。既に点火装置は挿 入されているが、このショットで穴が2段になっている様子がわかる。
安全ピン
 
信管を挿入した弾頭は、再び発射筒にセットされている安定翼部に差し込む。
弾頭のストッパーが掛かっている事を確認し、照尺を固定している安全ピンを引き抜く。
安全装置
 
これは、安全装置のクローズアップである。発射の際には、照尺を起し、安全レバーを安 全:Sicherの位置から、安全装置を解除する:Sicherの方(前方)にスライドさせる。
これにより、発射レバーを完全に押し下げる事が出来る。
安全装置の解除
 
これも安全装置解除の方法を説明した画像である。
画像は安全位置であるが、安全レバーを←の方向へスライドさせる。
照準
 
これは、照尺(サイト)のディティールである。
パンツァーファウスト60のサイトには、写真の様に30m、60m、80m用の穴が開け られている。
各照準孔の底辺にはV字型のノッチが設けられていて、これと写真にも写っている、弾頭に 取付けられた照星で照準を行なう。
照準
 
写真は、照準の基本を説明したものである。
着弾は、照尺の準溝:Kimmeと照星:Kornを結んだ直線、照準線: Visierlinieと、目標物が当たった位置、照準点:Haltpunktとなる。
照準
 
これは、偏差射撃に関する説明である。
撃ち出された弾頭は、初速は45m/秒の速度で目標に向かって飛んで行くので、目標の戦 車が移動している場合は、その距離と速度に応じた見越し照準を行う必要がある。
この画像は、時速15kmで走行中のT34を例に、距離30m、60m、80mの場合の 照準点を解説している。
○は適格な命中位置:Treffpunkt
+は照準点:Haltepunktである。
発射
 
写真は、発射レバーを押す動作を写したものである。
発射レバーを押し下げると、レバー内部に納められている板バネ製の撃発装置が引き上げら れ、レバーが完全に下がり切ったところでシアーが解除され、板バネ製の撃発装置が雷管を叩くと発射薬に点火され、弾頭が45m/秒で飛び出す仕組になって いる。
  
続きは工事中
  
   
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30.Jun.2003 公開

 
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