ここでは、WW2のドイツ軍が使用した対戦 車兵器、パンツァーファウスト60を展示しています。
  
はじめに

今回は、GAMSマーケット2のサムズミリタリ屋のブースに展示さ れていたパンツァーファウスト60を紹介する。
本コンテンツを制作するにあたり、貴重なアイテムを取材させて下さったサムズミリタリ屋 のオサム社長に感謝の意を表します。

     

 
 
パンツァーファウスト60
 
データ
 
射程距離 :60m(最大射程 :80m)
 
総重量 : 6,8kg
 
弾頭重量 :3kg
 
弾頭直径 :150mm
 
初速 : 45m/秒
 
貫通性能 :命中角30度で200mm
 
ディティール

これは弾頭部を上から見た画像。
 
弾頭部にはこの様に簡単な取扱い説明書が貼りつけられており、操作ミスを無くす様工夫さ れている。

 
ディティール
 
弾頭部の取扱い説明書のクローズアップ。
 
発射前に弾頭部を外して、信管を挿入した後、サイトを起こして安全装置を解除し、照準後 に発射するまでの手順が簡単に説明されている。この手順の具体的説明に関しては、戦時中に作られた教材の画像を使用して、改めて紹介する事としたい。
なお、パンツァーファウスト60の弾頭部には、照準に使う円錐状の小さな突起が付けられ ているが、この画像の右端にそれを見る事が出来る。これは本来取扱い説明書の矢印の右側に付いているはずであるが、弾頭部の炸薬を抜いて再度組み立てた時 に若干ずれてしまった様である。

 

ディティール
 
これは、弾頭部を側面から見た画像。
 
弾頭部の製造メーカーや製造年を表すスタンプ類が押されている。
 
画像右上に、サイトが中途半端な位置に写っているが、これは撮影時にサイトとトリガーが 引っかかってしまっていた為である。
ディティール
 
複数のメーカーコードとヴァッフェンアムトのスタンプが押されているのが興味深い。
 
1944年製を表す”44”の文字はなんとか判読出来るが、その上のメーカーコードは” gue”だろうか?。
 
また、発射筒側に”qlf”の文字も確認出来るが、残念ながら今のところ何処のメーカー かは判らない。
ディティール
 
これは、弾頭部と発射筒の中に入っている板バネ製の羽の付いた弾頭基部を固定している パーツのクローズアップである。
 
これも別コンテンツで改めて紹介するが、パンツァーファウスト60を使用する場合には、 この板バネで作られた固定金具を引き、弾頭部を分解して中に着発信管を挿入する。
ディティール
 
弾頭部と発射筒の接続部。
 
発射筒の上部には、画像の様な切り欠きが設けられていて、弾頭基部のストッパーパーツ が、サイトと共に割りピンで固定される仕組みになっている。
 
撃発装置はサイトを起こさないと作動しないので、これは弾頭部が抜け落ちる事と、暴発を 防ぐ安全装置の役割を果たしている。
ディティール
 
これはサイトを上から見た画像である。
 
リアサイトは、30mと60m、最大射程の80mの3種選択式になっている。
 
ディティール
 
この写真はサイトとトリガーを写した物であるが、これを見るとサイトを起こさないとトリ ガーが作動しない形状に組み合わされている事が理解出来る。
 
前述の様に、この画像を撮影した時点ではサイトとトリガーが噛んでしまっていた為、サイ トが中途半端に起きてしまっている。
 
ディティール
 
この写真はサイトを起こして安全装置を解除した状態を示している。
 
パンツァーファウスト60の撃発装置は、トリガー前部を押し下げる事で、内部にある板バ ネの先端に付けられている撃針が、発射薬の雷管を叩く簡単な構造になっている。
ディティール
 
斜め後方より。
 
こうして見ると、60mや80m先を照準した場合、かなりの仰角になる事が解るだろう。
 
初速は発射薬の増量で45m/秒と、パンツァーファウスト30より15m/秒速くなった が、ライフルの約600m/秒と比べて遅い弾頭を、移動する戦車に命中させるのは簡単では無かったのが理解出来る。
ディティール
 
これは、トリガーの安全装置のディティールである。
 
サイトの直ぐ後ろにある黒っぽく写っているのが安全装置であるが、これを後ろにスライド させると安全位置、前方にスライドさせると撃発位置となる。(画像は安全位置)
 
ディティール
 
写真は、発射筒にステンシルされた注意書きを写した物で、画像中央に” Vorsicht !:注意せよ!”の文字が見えている。
 
 
ディティール
 
これは、上の画像より後部にステンシルされた注意書きで、”Starker Feuerstrahl ! →:強い発射噴流!→”の文字が見える。
 
照準
 
写真では、30mの穴に弾頭部のリムが見えているが、実際には穴の下のくぼみに、弾頭に 付けられている円錐状の突起を合わせて照準する。
 
初速が速くなったので30m先の戦車に対する命中率は上がったと思われるが、命中率以前 に射程距離を伸ばして、これを使用する兵員の生存率を上げる事の方が重要視されていた為、60mの穴が一番大きく開けられているのが興味深い。
 
塹壕や遮蔽物等に隠れて射撃しても、発射時に後方に噴出するガスが目立つので、敵の戦車 が複数いた場合には直ちに隠れる事が肝要であった。
    
   
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24.Nov.2001 公開
27.Jun.2003 改定
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