ここでは、WW2のドイツ軍が使用した対人 地雷”S-MINE”を展示しています。
  
はじめに

前ページに引き続き、S-MINEのディテールとバリエーションを紹介する。
本コンテンツを制作するにあたり、貴重なアイテムを取材させて下さったPKハウスに感謝 の意を表します。

  
ディティール
  
ディティール
 
写真は、信管を取り除いたS-MINE本体の上面。
 
中央のネジ山が切ってあるパイプ状の部分が信管取り付け部で、廻りの3個のネジが、ディ トネーター(雷管)プラグ、やや大きいネジが炸薬挿入用のものである。
ケース及び本体
 
S-MINEは、本体を空中に撃ち上げる為に、鉄製ケースに収納されている。
 
左の信管が付いているのが地雷本体で、右はそのケースである。
 
本体は更に二重構造になっており、その中心部側には地雷本体を炸裂させるTNTが、外側の空間には320個の鉄球が入れられていた。
ケース及び本体
 
ケースと本体を底側より見た状態。
 
ケースと本体はかしめて固定してあったが、現在はこの様に分離されている。
 
画像中央上部には、S.Mi.Z.35 感圧信管が写っている。
本体のパーツ
 
左側が信管取り付け部の付いた本体底板である。
 
中央は本体の外装で、これと右のパイプの間に鉄球が入れられていた。
 
本体の上には止め付け用のナットとゴムパッキンが写っている。
本体のパーツ
 
画像左が外装を付けた状態の底板。
 
右は炸薬を入れるパイプ状パーツの付いた、本体の上蓋パーツ。
本体のパーツ
 
画像左が信管取り付け部の付いた底板パーツを側方から見た状態。
 
右は炸薬を入れる内側のパイプと上蓋のパーツを下方から見たところ。
 
この内側のパイプ状パーツは、底板パーツの溝に入り込む構造となっている。
本体のパーツ
 
本体の底部は二重構造になっており、内部には遅延信管で着火する推進用の黒色火薬が充填されていた。
 
中央のパイプ状のパーツが上面まで貫通していて、先端に信管を取り付ける様になっている。
 
底部から出ている3本の真鍮パーツは、本体炸薬を発火する為の短遅延信管部である。
   
S.Mi.Z.35 信管
  
S.Mi.Z.35 感圧信管
 
前ページで紹介したS.Mi.Z.35 感圧信管のクローズアップ。
 
これは使用不可状態にする為に、トップの部分にあるビスが取られ、内部のスプリング類も外されている。
 
S.Mi.Z.35 感圧信管
 
安全ピンは抜けない様に加工されているが、本体はこの様に3分割出来る。
 
なお、この信管には”cky 44”の刻印が打刻されているが、ckyはメーカーコードで、44は1944年製を表している。
 
  
信管取り付け部のバリエーション
  
 取材協力 PKハウス
 取材協力 PKハウス
 取材協力 PKハウス
信管マウント部のバリエーション
 
このS-MINEは、通常の感圧タイプ信管:S.Mi.Z.35の他に、トラップワイヤー用の信管:Z.Z.35が2本付けられるマウ ントが取り付けられている。
 
他にトラップワイヤー用の信管:Z.Z.35のみを2本付ける事が出来るマウントも作られており、状況に応じて使い分けられていた。
 取材協力 PKハウス
信管及び信管マウント部
 
信管のマウント部は、画像の様に鋳物で作られていて、本体のパイプ状マウント部にねじ込む様になっている。
 
信管との接合部にはゴムパッキンが入れられており、埋設時に中に水が入らない様に工夫されている。
 
Z.Z.35 信管
 
Z.Z.35 信管は、トラップワイヤーを使用する時に使用する信管で、トラップワイヤーで安全ピンが引き抜かれると撃発する構造になっている。
 
ディティール
 
Z.Z.35 信管の安全ピンは、リング部に取り付けたワイヤー等にテンションがかかる事で引き抜かれ作動する為、ワイヤーを切断すれば簡単に取り外す事が出来る。
 
信管本体はベークライトで被覆されており、安全ピンは太い針金を折り曲げて作ってある。
ディティール
 
このZ.Z.35 信管の製造メーカーコードは”bbm”で、製造年は1943年である。
  
   
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08.Feb.2002 公開
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