ドイツ軍の手榴弾と言うと、誰もが最初にポテトマッシャー(ジャガイモつぶし)の
渾名で有名な柄付手榴弾の方を連想すると思うが、今回は39年型卵型手榴弾を紹介する。 |
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写真の”卵型手榴弾”は、携行用リングが付いた後期型で、初期の物にはリングが付
いていない。 |
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柄付手榴弾同様の摩擦発火式点火装置で、地雷や吸着地雷にも使用された。
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BZ信管の安全キャップはネジ式になっており、外すと写真の様に点火索が出てく
る。 |
卵型手榴弾の断面図だが、画像右下の長方形に描かれているのが、遅延発火装置で導 火線と起爆薬からなっている部品。このコンテンツで紹介している卵型手榴弾には、この遅延発火装置と、炸薬(TNT)が無い(笑)。 39年型卵型手榴弾は当初、携行用リングとBZ信管の取り外し用の取っ手がつけら
れていなかったが、このマニュアルの物は取っ手が付けられているがリングの無い中間タイプの様だ。 |
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写真左は安全キャップのアップだが、わずかに青の塗料が残っている。また頂部に
は製造メーカーと製造年を示すBak43の刻印が見える。
他にStd44と言った刻印も見た事があり、これらの部品も他の兵器同様、複数の メーカーで作られていた事が判る。 また、この写真を良く見ると、本体上面の蓋のまわりの折り返しが一度コジッテある のが判るが、ここからTNTを抜き取ったのだろう。 |
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製造年を表す43の刻印が見える。また携行リングの取付部分や携行リングも使い 捨ての割に凝った作りなのが如何にもドイツ製だ。 | 左の写真の反対側にある製造メーカーの刻印で、 gzxとある。これら武器の製造メーカー刻印は、保安上この様にコード化されてるのが一 般的である。 |
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44brbの刻印が見えるが、このbrbの刻印は柄付手榴弾でも見た事があるの で、両方の手榴弾を製造していたメーカーの刻印である事が判る。 また、携行リングの取付部の作りが、上の43年製の物と異なり簡略化されている が、メーカー格差なのか省力化による物なのかは不明。 写真では判りにくいが、携行リングも断面が丸では無く”半円形”になっており、し
かも”めしあわせ部”はお互いの切り口が出っ張らない様に斜めに加工してある。 |
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PCの画像処理で、39年型卵型手榴弾の初期型を再現してみた。 画像左が採用当時の卵型手榴弾で、携行リングも信管の取り外し用取っ手も無いタイ
プ。 画像右は上のマニュアルにある、信管の取り外し用取っ手が追加されたタイプだが、 この取っ手やリングが具体的に何時から追加されたかの具体的な資料を持っていないので、もしも御存知の方がいらしたら、出典も含めて是非ご教示願いたい。 |
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携行リングは具体的には左の写真の様に、例えばMauser kar98kの弾薬盒の蓋を止めるベルト等に通して使用された。 当時の写真を見ると、両側の弾薬盒に鈴なりに卵型手榴弾をぶら下げている兵がいる
が、こうして見ると確かに柄付手榴弾より持ち運びには便利だった事が解る。 摩擦式点火装置が機構的には信頼性が高い事は既に書いたが、反面安全装置はネジ式
の安全キャップに頼る事となり、移動中の遭遇戦等で連続して投げるには不便だったと考えられる。 |
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