ここでは、WW2のドイツ軍が使用した半自 動小銃G43とK43を展示しています。
  
はじめに

このページではG43/K43のマガジンと、スコープの紹介をする。本コンテンツ を制作するにあたり、貴重なコレクションの画像と情報を提供して下さったTOMO氏に、この場であらためて感謝の意を表します。

   
G43/K43のマガジン
   
 
マガジンと8mmマウザー弾15発入り紙箱
 
このマガジンにはK43の刻印が打刻されている。
 
マガジンには、大まかに5種類のバリエーションがあるが、その全てが鋼鈑プレス製であ る。このマガジンに関してはブラックペイント仕上げとなっているが、フォスフェイト仕上げのタイプも作られていた。
 
写真左は8mmマウザー弾の15発入り紙箱で、小銃用には通常弾の他に、徹甲弾、焼夷 弾、徹甲曳光弾、軽量弾、等様々な弾が用意されていた。
 
なお、写真の小銃弾はダミーカートを使用している。
 
 
マガジン
 
K43のマガジンには、8mmマウザーの実包を10発入れる事ができる。
 
全高(最大) :88mm
全長(最大) :93mm
全巾(最大) :30mm
 
マガジンの主要生産メーカー
 
acw WaAA98:Gold und Silberscheideanstalt, 
avx WaA204:Suedmetall AG, 
awj WaAB79:Yale & Towne Mfg. & Co.
aye WaAB43:Olympia Buromaschinenwerke AG,
gcb WaAB92:Grohmann und Sohn Ad, Metallwarenfabrik,
rqs WaAA98:acwが末期にコード変更。
他にデンマークのDISA社で作られた物にkfkのコードが打刻された物もある。
更に、ヴァッフェンアムトに+の印が打刻されているマガジンは、G43/K43の工場で セットする為に生産された物と言われている。
 
マガジン本体には補強リブがプレスされており、かなりしっかりした作りである。
また、厚みのある鋼鈑プレス製のマガジンを見ると、当時のドイツのプレス技術の高さが実 感できる。
 
上から
 
マガジンには千鳥式に弾が入る構造になっている。
 
マガジン内の実包を打ち尽くした場合、マガジンを銃に付けた状態のまま、クリップに付け られた実包を上から押し込む事で、再装弾をする事が出来る。
 
底部

これはマガジンの底板である。
 
初期のG43用のマガジンの底板には、センターやや後方に、もう一本補強リブの入った物 もあった。
 
この底板は後期の物で、Kの刻印が入れられており、ブルーフィニッシュの鋼鈑打ち抜きで 作られている。
 

刻印
 
通常G43/K43のマガジンの左側面には、ヴァッフェンアムトの刻印が2箇所、更に メーカーコードとG43、もしくはK43の刻印が打刻されている。
刻印
 
刻印のクローズアップ。
左から”gcb”、”WaAB92”、”K43”の刻印が打刻されている。
”gcb”と”WaAB92”は前述の様に、Wuerbenthalにあった” Grohmann und Sohn Ad, ”のメーカーコードとヴァッフェンアムトである。

 
 TOMO氏コレクション
刻印のバリエーション
 
aye WaAB43:Olympia Buromaschinenwerke AG,の刻印。
 
このマガジンにはG43の打刻が施されている。

 
 TOMO氏コレクション
刻印のバリエーション
 
これもayeの刻印であるが、K43と打刻されたタイプである。
  
ZFK 43
  
通称”ZF4”として知られているこのスコープの正式名称は、当初は”Gw ZF4(Gewehr-Zielfernrohr 4-fach)”で、1944年12月に”ZFK 43(Zielfernrohr K43)”に変更された。
 
ZF4のアクセサリーは戦後の複製品が大量に出回っているため、本コンテンツで使用しているアイテムも、アイプロテクターは複製品で、 スコープ本体とスコープカバー以外は、複製品の可能性もある。

 
 TOMO氏コレクション
ZF4本体とアクセサリー類
 
ZF4本体を中心に、上から反時計回りに、ウィンデージドラムキャップ、アンバーフィルター、ゴム製アイプロテクター、スコープカバー である。
アンバーフィルターは陽射し減光用とか、もやがかかった時に視界を改善するためとか言われており、アイプロテクターとスコープ本体とに 挟んで使用する。ガラス製フィルターは、アンバー色の他にレンズ保護用の透明な物が3枚と合わせて、合計4枚が1セットで支給されたそうである。
なお、この画像には無いが、スコープ先端に付けるレインシールドが用意されていた。
装着状態
 
右側より見たZF4本体とアクセサリー類。
装着状態
 
左側より見たZF4本体とアクセサリー類。
装着状態
 
右後方より見たZF4本体とアクセサリー類。
 

ディティール
 
二つある回転式ノブのクローズアップ。
 
上面にあるのがウィンデージ(水平調整)で、右側面がエレベーション(距離調整)のノブ。エレベーションノブには、1〜8まで目盛が刻 んであり、100mから800mまで50mピッチで対応している。
ディティール
 
少し薄いが、レバー基部の少し下にアムト(359)が見える。また、固定レバーの表には”fest:固定”の文字が打刻されている。
工場で調整されたScharfschuetzengewehr:スナイパーライフルの場合は、対になるライフルのシリアルNoが必ずマ ウントに刻まれるが、本品にはそれがないので、未使用品か予備部品であった可能性が考えられる。
ディティール
 
スコープマウントの固定レバーの裏には”lose:弛める”と打刻されている。
ディティール
 
マウント基部の裏側。
 
固定レバーの下に、バネ式ロックが見える。この出っ張りが銃側のマウントレール切り欠き部に引っかかり、固定する構造になっている。
スコープ左側の刻印
 
”K43”はスコープ名称で、”80546”はシリアルナンバー、”ddx”はメーカーコード、である。したがって、これはddx製 ZF4の後期型を示している。

因みに初期は”Gw ZF4”と呼称されていたが、スコープ名称の変更を受けたものと考えられる。

刻印
 
”ddx”は”Voigtlaender und Sohn AG:フォクトレンダー”社のメーカーコードである。シリアルナンバーは、当初からの通し番号の様で、ddx社製ZF4で確認されている最高値は 89271とされている。(総生産数約9万)
 
”△”は、その色により使用されているグリスの種類、適する気候条件を示している。
写真では白っぽく見えるが、実際は水色で、寒冷地仕様を表している。(白は一般、黄は熱帯仕様)
レチクルパターン
 
これは、スコープを覗いた時に見えるレチクルパターンである。(アンバーフィルター未装着状態)
 
ドイツ軍用のスコープは一般的にこのパターンが採用されていた。
ZF4の脱着方法
 
外す方法から説明すると、まずマウントにある固定レバーを”lose”側に回す。
ZF4の脱着方法
 
バネ式ロックの凸部を押しながら全体を後方へスライドさせてレールから抜く。
ZF4の脱着方法
 
これは、後方へスライドされた状態。
 
装着は逆にマウント基部をレールにはめ込んで、カチっと音がするまで押し込み、それから固定レバーを”fest”"側に回して固定す る。
  
   
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30.Sep.2002 公開
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