ここでは、WW2のドイツ軍が使用した、望 遠光学照準器用夜間照明装置を展示しています。
  
はじめに
 
このページでは、望遠光学照準器用夜間照明装置を紹介する。本コンテンツを制作するにあたり、貴重なコレクションを貸して下さった H.TAMURA氏に、この場であらためて感謝の意を表します。
   
望遠光学照準器用夜間照明装置
  
 
 H.TAMURA氏コレクション
 
重機関銃用望遠光学照準器MG.Z 40と夜間照明装置
 
上の写真は、夜間照明装置と、重機関銃用望遠光学照準器を写した物で、左のスリングの付いた金属製ボックスが、光学照準器のキャリング ケース、中央上が、MGZ40光学照準器、右が夜間照明装置である。この夜間照明装置は、発光部とコード及び電源プラグ、バッテリーボックスから構成され ている。
夜間照明装置は、重機関銃をはじめ、対戦車砲等の火砲の光学照準器にも装着する事が出来、幅広く使用されていた。
 
 
 
 
MG.Z 40に装着した夜間照明装置
 
この画像は、重機関銃用望遠光学照準器:MG.Z 40に夜間照明装置を装着した状態である。写真の左から、4,5Vのバッテリー、バッテリーボックス、照明装置を取付けた望遠光学照準器である。
 
 
 
 
照明装置の効果
 
照明装置は、光学照準器の対物映像を照らすものでは無く、照準器内のレチクルパターンを発光させるための物である。したがって真っ暗闇 では、この照明装置を使用しても、レチクルパターンしか見えないという事になる。
画像左は照明装置を消灯した状態のレチクルパターンで、右が照明装置を点灯した状態のレチクルパターンである。照明装置を点灯すると、 画像の様にレチクルパターンはオレンジ色に発光するが、この装置には照度調節機能もあり、状況に合わせて明るさを変える事が出来る。
 
 
 
 
夜間照明装置本体
 
夜間照明装置は、前述の様に発光部とコード及び電源プラグ、バッテリーケースから構成されている。これはバッテリーボックスから外した 夜間照明装置本体である。この装置には、コードの長短や、電源プラグ部にスイッチの有無などのバリエーションがあるが、これはコードが長く、スイッチ付き の電源プラグを備えたタイプである。
 


ディティール
 
各方向より見た、夜間照明装置の発光部のクローズアップ画像。
 
この夜間照明装置は、BerlinのWichmann, Gebr., Zeichengeraete, Vermessungs-Jnstrumente, 社製で、発光部側面にメーカーコード”cme”とシリアルナンバー”98047”が打刻されている。 
 
写真上の、発光部上面に写っているレバーは、照明装置の照度調節レバーである。
また、すべり止めのチェッカリングが施されているレバーの方は、脱着時に使用するストッパーレバーである。
 
写真中:この画像では、照度調節レバーは全開の状態で、レバーを溝に沿って動かすと、徐々に照度は暗くなる。この構造に付いては下の欄 を参照されたい。


ディティール
 
これは、発光部の照準器に付く面のクローズアップ画像である。
 
照明装置の照度調節機構は、電気的な調節機構では無く、電球の廻りに設けられている筒状のカバーに設けられた、V字型スリットをカバー ごと回転させる事で行なう機械式構造となっている。
 
写真上:照度調節全開の状態。丸い穴の中に豆電球が見える。
 
写真中:照度調節カバーを半分閉じた状態。
 
写真下:照度調節カバーを完全に閉じた状態。
ディティール
 
夜間照明装置の電源プラグ部のクローズアップ画像。このソケットは側面に、プッシュ式電源スイッチを備えたタイプである。
  
 
正面より

 
 
右側方より(左側面)

裏面より

 
左側方より(右側面)
  
 
バッテリーボックス
 
夜間照明装置用のバッテリーボックスは、鋼鈑プレス製のボックスの内部にベークライト製の内装を備え、内装には電極が取付けられてい る。このバッテリーボックスの大きさは、便宜上蓋の開閉機構が付けられている面を正面とした場合、巾76mm、奥行き78mm、高さ83mmである。
左側面には、ラフェッテに引っ掛けるための金具が、また、裏面には夜間照明装置のソケットが設けられている。
 
 
 
 
 
 
上方より

下方より
 
 
ディティール
 
これは、バッテリーボックスの上面と底面である。底面には内装を固定するためのビスがある。
 
 
 
 
ディティール
 
蓋を開けた状態。このバッテリーボックスには、予備バッテリー2個を含む3個のバッテリーを収納する事が出来る。また、蓋の裏側には フェルトのクッション材が付けられている。
 
  
続  き を 見 る
  
   
ホームに戻る
資 料館トップへ
資料館 別館トップへ

本サイトに掲載されている文章及び画像の 無断転載はお断りします。Copyright  2003  STEINER

16.Jul.2003 公開
19.Jul.2003 改定
inserted by FC2 system