ここでは、WW2のドイツ軍が使用した重機 関銃用望遠光学照準器MGZ34を展示しています。
  
はじめに
 
このページでは、重機関銃用望遠光学照準器:M.G.Zielenrichtung 34(MGZ34)を紹介する。本コンテンツを制作するにあたり、貴重なコレクションを貸して下さったH.TAMURA氏に、この場であらためて感謝の意 を表します。
   
MG.Zielenrichtung 34
  
 
 
 H.TAMURA氏コレクション
 
MGZ34望遠光学照準器とコンテナ及びアクセサリー
 
MGZ34望遠光学照準器は、MG34を重機関銃として運用する際の三脚架、ラフェッテ34に取付けて使用する照準装置で、直接照準及 び間接照準の機能を備えていた。これ以前に採用されていたMG08重機関銃の照準装置は、機関銃本体に付けられるタイプであったため、射撃時の振動に影響 される欠点があったが、ラフェッテ34は機関銃の反動を遊架で吸収する構造を備えていたので、射撃中に照準装置が大きく揺れる事は無かった。この一見複雑 な照準装置と射表を訓練された兵士が併用する事で、MG34重機関銃は実に3km以上の長射程でも有効な弾幕を張る事が出来た。
写真はMGZ34を運用する重機関銃分隊の分隊長が携行するMGZ34のセットで、専用コンテナと照準器本体、コンテナ内に収納されて いるアクセサリーである。この照準装置には、ここに写っている他に夜間照準用の照明装置も用意されていた。
 
 
左斜め前方より
 
MGZ34望遠光学照準器は、建設測量等に使用するトランシットレベルの様な構造になっており、水平(方角)及び垂直(距離)方向の角 度を測れる様に作られている。
画像中央上部の円筒状の物が、プリズム収納部で、右側に茶色のゴム製のアイカップが付けられた接眼部、反対側の上部には対物鏡が設けら れている。
 
 
右斜め前方より
 
画像中央のプリズム収納部側面に付けられている黒い丸が、大まかに対象物を捉える時に使用するコリメーターである。またその下にはコリ メーター固定用のノブが設けられている。白いペイントで数字(中隊番号)が書かれているパーツが俯・仰角用ギアボックス、その左側に斜めに取り付けられて いる筒状の物が距離調節ノブである。
 
 
右斜め後方より
 
接眼部の下方、数字が刻まれているリング状のパーツが射角メーターで、更にその下方には水準器が見える。アルミシルバーの円筒状のパー ツは、前述の距離調節ノブである。この画像では、距離調節ノブは直接照準用にセットしてあるので、ノブの小窓に距離メーターが見える。
 
 
左斜め後方より
 
プリズム収納部下方左側に付けられているのが、射角調整ノブで、このノブの基部に付けら れているレバーを前方に押し下げると、ノブに関係無くプリズム部を回転させる事が出来る。
また、この画像で、2方向に水準器が設けられている事が理解出来る。
 
 
前方より
 
本体上部円筒状のプリズム収納部に付いているのが、照準用の対物鏡(レンズ)である。また、この画像ではその左側のコリメーターの対物 鏡も確認出来る。本体メインフレームには、製造メーカーコードや、使用グリスの種類、製造番号等が打刻されているが、これらに関しては後で詳しく紹介す る。
 
 
左側方より
 
射角メーターには、0〜64の目盛がふってある(一目盛は約5,6度)。写真は真正面を 向いている状態で、目盛は0を示している。また、距離メーターは0〜3000mまでの目盛があるが、これは0mの状態である。
 
 
後方より
 
実際にはこちら側から操作する訳であるが、操作系のレイアウトは右手で距離調節ノブを、左手で射角調節ノブを回す様に配置されている。
 
 
右側方より
 
上の画像の反対側を示す。
 
 
上方より
 
接眼部の基部に、夜間照明装置取付け部が設けられている。また、コリメーター上の小窓は、コリメーターの接眼部である。
 
 
下方より
 
マウント前方(画像右側)に窪みがあるが、これはラフェッテ側のマウント部の突起が入るための物である。
 
  
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17.Mar.2003 公開
26.Mar.2003 改 定
05.Apr.2003 改 定

 
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