ここでは、MG42用工具ポーチとその中身 を展示しています。
  
はじめに
 
今回は、MG42用の工具ポーチと、その中身を紹介する。
本コンテンツを制作するにあたり、貴重なコレクションを取材させて下さったタムリン堂の 田村氏に、この場であらためて感謝の意を表します。
   
 
 田村氏コレクション
 
MG42用工具ポーチとその中身:Werkzeugtasche mit Inhalt fuer MG42
 
MG34とMG42には、各々射手が携行する専用携帯工具と、その専用ポーチが用意され ていた。革製もしくは人造皮革のポーチはウエストベルトに通し、右腰前面に装着された。
 
工具ポーチに入れて携行された工具の内容は、通常の戦闘中に使用する可能性の高い、銃身 交換時用の耐熱パッド、予備ボルト、弾帯用スタータータブ、銃口カバー、潤滑油を入れたオイラー、ジャミング解除工具、レンチ、対空サイト、であった。
 
また、MG42用工具は、MG34用と共用の物と専用の物があり、耐熱パッド、弾帯用ス タータータブ、潤滑油を入れたオイラーは共用する事が出来た。
 
なお、MG42のマニュアルD 166/1(1943年9月2日版)によると、工具一式の中には、この写真には写っていないT字型の簡易ジャミング解除工具も含まれている。
 
  
 
工具ポーチ:Werkzeugtasche 34
 
これは、耐熱パッドを装着した、合成皮革(圧縮した紙)製の工具ポーチである。
 
マニュアルのドイツ語の名称には34年式と書かれているが、実際には内部の対空サイト収 納部が省かれており、MG34用の工具ポーチと、MG42用のポーチとは区別されている。
 
 
工具ポーチ
 
左のポーチから耐熱パッドを取り外した状態。
 
縦 : 185mm
 
横 : 152mm
 
厚み: 57mm
 
 
ディティール

写真左上:ポーチの裏側。
 
写真上:ポーチの側面。
 
写真左:ポーチの蓋を開けた状態。

メーカーロゴとヴァッフェンアムト

このポーチの蓋をとめるベルトには、メーカーロゴとヴァッフェンアムト: WaA815が打刻されている。

 
耐熱パッド:Handschuetzer
 
MG42は、250発の連続射撃で銃身交換する事とされていたが、これは銃身が発射され た弾頭との摩擦熱で高温になり、ライフリングが磨耗する事を防ぐ意味がある。(鉄は通常800℃に加熱されると、強度は”0”になってしまう)
 
これは、銃身交換時に熱い銃身を掴む耐熱パッドであるが、手を入れるための布製ループが 縫い付けられている。
 
 
耐熱パッド
 
こちら側が銃身に触れる面である。
 
耐熱パッドは、厚み約7mmの布製で、周囲はジグザグミシンで、また対角線には×印にステッチが入れられている。
 
縦約16cm、横約13cmのこのパッドは、通常工具ポーチの表側に、ポーチの蓋をとめるベルトに通して装着携行されていた。
 
 

 

 
予備ボルト:Schloss, vollstaendig
 
射撃中にファイアリングピン:撃針等が破損した場合、ボルトを分解して修理するのでは間 に合わないので、工具ポーチには予備のボルトが1セット入れられていた。
オイル缶:Oelkanne
 
機関銃の保守手入れに使用するオイルを入れるオイル缶。
ディティール
 
オイル缶のキャップは、ノズルにチェーンで固定されている。
 
また、キャップには針が付けられていて、ノズルが詰らない様に工夫されている。。
ディティール
 
ノズルはねじ込み式で、オイル缶本体との間には、革製のパッキング材が挟まれている。
 

 

 
ジャミング解除工具:Huelsenauszieher
 
ジャミング解除工具は、射撃中に引っかかってしまった薬莢を引き抜く時に使用する。
ジャミング解除工具
 
ジャミング解除工具は中折れ式になっていて、この画像の様に折ると、先端部が薬莢をくわ え込む構造になっている。
 
通常薬莢が引っかかった場合は、コッキングハンドルを引いて排莢するが、薬莢のリムが破 損したり、薬莢自体が変形している場合、簡易型の排莢工具では排莢出来なかった場合には、この工具を使用し、薬室内の薬莢を回したりして取り除く。
 
ただし、この工具は銃身を外して使用するので、コッキングハンドルを引いて排莢出来な かった場合には、予備銃身と交換してから使用する。
MG34用とMG42用の比較
 
写真上がMG42用で、下がMG34用。
 
薬室の形状が異なるため、左側のガイドになる突起の長さが異なっている。

 
レンチ:Hakenschluessel 52/55
 
これは、機関銃の発射速度を調整するリコイル・ブースターを収納しているフラッシュ・ハ イダー部を回すレンチである。
メーカーロゴとヴァッフェンアムト
 
レンチの柄の部分には、写真の様にロゴマークとヴァッフェンアムトの刻印がある。
レンチサイズ表示
 
この45と50のモールドは、レンチのサイズ表示とされているが、名称の52/55とは 異なっている。
 
数字が2つあるのは、突起のある部分と無い部分のサイズを表しているが、45/50は 52/55の改良型と思われる。
使用法
 
MG42のフラッシュハイダー部に開けられている穴に、レンチの突起を挿入して使用す る。
 
フラッシュハイダーは、射撃の振動等で緩まない様に、フロントサイト基部にスプリング式 のストッパーが設けられているので、実際に使用する際には、それを片手で持ち上げる必要がある。
 

 
マズルカバー:Staubschutzbeutel 2cm
 
機関銃の銃口から土や埃等が入らぬ様にするためのカバー。
 
化繊製の袋の口に絞り紐を入れた物で、このタイプに関してはMG34と共用する事が出来 る。

 
 
スタータータブ:fuehrstueck
 
機関銃の弾帯を、機関銃にセットする際に使用する道具で、これが無い場合には弾帯の実包 を3発外して代用した。
 
ただし、スタータータブが無い場合には、機関銃のフィードカバーを開ける必要があった。
 
 

 
対空サイト:Kreiskorn
 
MG42を、対空機銃として使用する場合に使う前方照尺:サイト。
 
MG42には、写真左のプレス製サイトと、右の機械加工製サイトの2種類が作られてい た。
 
このサイトは、バレルジャケットの上部に設けられたマウントに、ワンタッチで装着する事 が出来る。
対空サイト
 
写真上が機械加工で作られた対空サイトで、下がプレス加工製の対空サイトである。

 
プレス製対空サイト
 
プレス製対空サイトは、機械加工製のサイトの生産性を向上させる目的で採用された後期型 である。
 
写真上はサイトがリムよりへこんでいる側で、下が反対の面を撮影した画像である。
 
MG42は戦後も各国で生産が続けられたが、この対空サイトに関しては、機械加工式の方 が作られているので、このプレス製サイトは刻印を見なくても二次戦中の物である事がわかる。
   
   
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31.Jul.2002 公開
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