ここでは、WW2のドイツ軍が使用した機関 銃MG34とMG42の予備銃身ケースを展示しています。
  
はじめに
 
機関銃は連続射撃を継続して行なうと、弾丸と銃身の摩擦により銃身が高温に加熱されてし まう。一般的に金属は高温で柔らかくなる性質を備えているが、銃身を作るのに使用される鋼材もその例外ではなく、高温に加熱されたまま射撃を続けた場合に は銃身内の磨耗が早くなる。ライフリングが磨耗すると命中精度は低下し、銃身自体の命数も極端に短くなってしまう。そのため、初期の機関銃では銃身の冷却 効率が高い水冷式が多く採用されたが、これは機関銃の重量を増大させると言う大きな欠点があった。MG34では銃身の冷却方法は空冷とし、機関銃自体の軽 量化を計ると共に、銃身を頻繁にあらかじめ多めに用意された予備銃身と交換する事で、銃身が極端に加熱される事を防ぐ方式を採用した。具体的には250発 の連続射撃を行なった場合には銃身を交換すると規定され、交換された銃身は予備銃身ケースの中で冷却後に再使用された。これによって命中精度の確保と銃身 命数の延長に成功した。後継機種のMG42でも銃身交換の発想は継承され、更に銃身交換操作を素早く行なえる様に改良が施されている。
ここではMG34とMG42用に作られた、予備銃身ケースを紹介する。本コンテンツを制作するにあたり、貴重なコレクションを取材させ て下さった、オータ氏にこの場で感謝の意を表します。
   
予備銃身コンテナ:Laufschuetzer 34 u.42
   
予備銃身は写真上のMG34用と、写真下のMG42用の予備銃身コンテナに入れ られ携行された。コンテナには写真の一本用の他に二本用の物も作られていた。

 
MG34用予備銃身コンテナ
 
MG34の導入と共に採用された、34年型予備銃身ケース。鋼鈑プレス製本体に、長さ調 節のできる布製のストラップが付けられている。全長:648mm・直径:53mm、両端のキャップ部で55mm

 
MG34用予備銃身コンテナ
 
写真上は開いた状態、下は予備銃身を入れた状態を示す。このケースは1943年製で、 ダークイエローに塗装されている。
ディティール
 
予備銃身ケースの中には、銃身を支える仕切り板が付けられている。
 
これは銃口側の画像である。
ディティール
 
これは薬室側の画像。
 
銃身は薬室側の方が太く作られているので、仕切り板の切り欠きも、それに合わせて大きく なっている。
ディティール

これはキャッチ金具部を撮った画像であるが、金具のレバー側は、本体のくぼみ部に 付けられ、金具が必要以上に飛び出さない様、工夫が施されている。

 
ディティール
 
この写真は、オープン状態の金具のアップである。
 
キャッチの受け側は、この様に”くぼみ”の無い部分に付けられている。
 
金具取付け部のくぼみは、センターから振り分けた位置に設けられており、同一金型で2 ピースの本体が作れる様に設計されている。
 
ケースの合わせ部は、互い違いに出っ張りがあるが、これは補強の役割と、蓋を開ける時の 手かけとしての役割りを果たしている。
ディティール
 
同一金型が使用出来る事に重点をおいた設計のため、この様に片方のくぼみ自体は、何の役 目も果たしていない。
ディティール

予備銃身ケースは、スチールヘルメットより少し薄い0,8mmの鋼鈑が使われてい る。
 
強度と重さのバランスを取る為に、本体には補強リブがプレスされている。

ディティール
 
予備銃身ケースのヒンジ。
 
予備銃身ケースの接合側は、ピアノ丁番の様に全体が丁番の形になっていて、補強リブの役 割も果たしている。
ディティール
 
予備銃身ケースのスリング取り付け部。
 
予備銃身ケースに銃身を入れると、かなりの重さになるので、ケースのスリングは厚手で丈 夫な布製の物が使用されている。
 
スリングの接合には、この様なかしめ金具が使われている。
ディティール
 
予備銃身ケースのスリング取り付け部。
 
スリング取付け金具は、太い鋼製の針金を曲げて作ってある。
ディティール
 
予備銃身ケースのスリング。
 
スリングの長さ調節用バックル金具は、厚い鋼鈑を打ち抜いて作ってあり、黒で塗装されて いる。
ディティール
 
予備銃身ケースのスリング。
 
スリングの折り返し部は、縫製による接続ではなく、この様な金具でかしめてある。
 
LUXの刻印が見えるが、これは布製ストラップに使用される金具を作っていたメーカーで ある。
ディティール
 
予備銃身ケースの刻印。
 
刻印は、薬室側の側板に打刻されている。
 
スリング取付け金具が、スポット溶接で付けられているのも興味深い。
ディティール
 
予備銃身ケースの刻印。
 
メーカー刻印はハッキリと読めないが、”peq”であろうか?。生産年1943の右には ヴァッフェンアムトの刻印、国家鷲章と”WaA 477”が打刻されている。
  
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17.Apr.2002 公開
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