ここでは、MG34用工具ポーチとその中身 を展示しています。
  
はじめに
 
前ページに引き続き、MG34用工具ケースの中身と、関連アイテムの紹介をする。
     
 

 
ジャミング解除工具:Winkelschraubenzieher
 
1939年5月20日採用のジャミング解除工具で、MG34の工具ケースに入れられてい た。
 
下の工具にはメーカーコード”bhm”が打刻されている。
ディティール
 
これは、ジャミング解除工具の先端部である。
固体差はあるもののかなり加工精度の高い工具で、ピッタリとフィットする工具では写真の 様に「逆さまにしても薬莢が落ちない。
ディティール
 
ジャミング解除工具の先端部と薬莢の関係。
使用法
 
コッキングハンドルを引いても排莢出来なかった薬莢で、リムが破損していない場合は、こ の工具で外す事が出来る事もあった。
マズルカバーとマズルキャップ
Staubschutzbeutel 2cm u. 
Muendungskappe MG
 
機関銃の銃口から土や埃等が入らぬ様にするためのカバー。
 
1941年8月2日採用の化繊製の袋の口に絞り紐を入れた物と、1940年6月19日採 用の樹脂製のキャップタイプがあり、これらに関してはMG42と共用する事が出来る。
 

 
 
スタータータブ:fuehrstueck
 
機関銃の弾帯を、機関銃にセットする際に使用する道具で、これが無い場合には弾帯の実包 を3発外して代用した。
 
ただし、スタータータブが無い場合には、機関銃のフィードカバーを開ける必要があった。
 
 
スタータータブの使用法
 
スタータータブは本来の使途以外に、銃身交換時に熱い銃身を引き出す際にも使用された。
 
本来の使途に関してはベルトリンクとス タータータブのコンテンツを参照されたい。 
 
 

 
レンチ:Schluessel
 
MG08/15やMG13にも使用されていたレンチで、小さい方が30mm、大きい方が 36mmである。
ディティール
 
レンチの柄の部分の刻印。
 
このレンチの柄には○で囲んだBと、ヴァッフェンアムト:WaA145が打刻されてい る。
使用法
 
レンチの36mmの方はMG34のフラッシュハイダーを外す際にも使用する。
 
フラッシュハイダーは、射撃の振動等で緩まない様に、フロントサイト基部にスプリング式 のストッパーが設けられているので、実際に使用する際には、それを片手で持ち上げる必要がある。
使用法
 
これも36mmの方のレンチの使用例で、バレルジャケットの分解にも使用する。
 
硫黄パウダーケース
Streubuechse fuer Schwefelbluete
 
オイルと併用する事で、潤滑剤とする為の硫黄パウダーを入れていたベークライト製ケース。
戦争後期には、より優秀な潤滑剤が開発採用された為、1944年4月3日に廃止された。
 
ケース寸法
 
 直径 : 28mm(最大32mm)
 
 高さ : 55mm
 
 

 
ディティール
 
左がキャップ部側から見た状態で、底を押すとマイナスのネジ状に見える部分が突出し、中の硫黄パウダーを出す事が出来る。
 
右は底部であるが、縁の内側が押しボタンになっている。
使用法
 
前述の様に底部を押すと、キャップの中央部が突出し、中の硫黄パウダーを振りかける事が出来る。


 
ラフェッテ34用レンチ
Zapfenschluessel fuer Zweilochmutter
 
ラフェッテの分解整備用レンチ。
ディティール
 
スパナのネック部には、サイズを表す”11”の打刻がある。
 
ディティール
 
こちら側にも、サイズ表示の”13”が打刻されている。
ディティール
 
このレンチには、メーカーコードと思われる(RB.Nrの様な?)”A1071-000801”と言う刻印が打刻されている。
 

 
対空サイト:Kreiskorn
 
MG34を、対空機銃として使用する場合に使う前方照尺:サイト。
 
このサイトは、バレルジャケットの上部に設けられたマウントに、ワンタッチで装着する事 が出来る。
 
このタイプの対空サイトはMG08.MG08/15.MG13と共用である。
 

 
ディティール
 
サイト本体は、鋼鈑と針金で作られており、マウント部は機械加工で作られている。
 
サイト本体の寸法
 
 直径 : 107mm
 
 厚み : 6mm
ディティール
 
マウント部のクローズアップ。
ディティール
 
これもマウント部のクローズアップであるが、ヴァッフェンアムトの刻印が打刻されている。
ディティール
 
ネック部に1箇所、ベース部に2箇所”WaA37”の刻印が見える。
マズルカバー25個入りパック
 
上で紹介しているマズルカバーの25個入りパック。
 

 
ディティール
 
この紙袋には”25 Stueck Staubschutzbeutel fuer MG34 hlp 1944:MG34用マズルカバー hlp社1944年製”の文字が赤茶でプリントされている。
 

 
オイル缶
 
戦争末期から、工具ポーチの中身の仲間入りをした後期型オイル缶。他に本体が円盤状のバリエーションも作られていた。
 
本体寸法
 
 縦 : 82mm
 
 横 : 52mm
 
 厚 : 20mm
ディティール
 
このオイル缶の注油口はねじ込み式で、オイル缶本体内部に収納する事が出来た。
 

 
ディティール
 
これは注油口をセットした状態。
前期型同様、キャップの先には針が付けられていて、蓋を閉める度に注油口を清掃する様に作られている。
   
   
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13.Nov.2002 公開
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