ここではドイツ空軍の野戦服Fliegerbluse:フリーガーブルーゼの展示をしています。
   
はじめに
 
今回は、ドイツ空軍の野戦服Fliegerbluse:フリーガーブルーゼの紹介です。
フリーガーブルーゼは航空兵用服という意味で元々は航空機搭乗員の為に作られた服である が、実際には、航空機搭乗員や降下猟兵以外に対空砲兵等地上勤務部隊も含め空軍の野戦服として支給されており、4ツポケットの勤務服と並びドイツ空軍の もっとも代表的な服であった。
    
飛行科 Gefreiter:兵長 フリーガーブルーゼ

いわゆる下士官・兵用のフリーガーブルーゼだが、腰にポケットの付いている 1937年以降のタイプで、襟章・肩章のパイピングの色から飛行科(降下猟兵も含む)である事がわかる。
当初フリーガーブルーゼは、航空機搭乗員の搭乗服として作られれた為、狭い機内で引っかかる可能性のある物を一切表面に付けない作りになっていたが、ポ ケットが全て内ポケットでは不便だった為、1937年以降腰にポケットが追加された。
肩章と腰ポケットの雨蓋のボタンは、通常の野戦服用の金属ボタンで、ブルーグレーに塗装されているが、正面の隠しボタンは平たい皿状のボタンで、黒く塗装 されている。

ただし、これに関してはプラスチック製等のバリエーションが存在している。

飛行科 Gefreiter:兵長 フリーガーブルーゼ

後ろから見たフリーガーブルーゼ。この服のバックスタイルの最大の特徴は、陸軍の 野戦服等と異なり、センターベンツが無い事だが、これも陸軍の戦車搭乗服同様、狭い機内での行動を考えた設計の為と思われる。
写真の左肘の高さに白い点に見えるのは、ベルトフックを出す為のホールだが、これも前後では無く、脇に持って来ることで引っかかりを防ぐ目的があったのだ ろう。
陸軍の野戦服同様、背中は一枚の布で作られており、ダーツが入れられている。

飛行科 Gefreiter:兵長 フリーガーブルーゼ

このフリーガーブルーゼの内装は写真の様に、ブルーグレーのレーヨンで作られてい る。
胸には左右に内ポケットが設けられている他、両腰にもポケットが付けられている。
また、内装の詳細は後で説明するが、この画像を見ると、腰ポケットはレーヨンの帯布で吊る形で取り付けられているのが解る。

脇の下から腰ポケットにかけて付けられているのは、ベルトフック金具取付部で、これも詳 細は後に掲載する。
上でも書いたが、前合わせの黒い金属ボタンがハッキリ見える。このボタンは丁度ツェルトバーン等に使われているプレス製ボタンを大きくした様なボタンで、 黒く塗装されている。

   
各 部 の デ ィ テ ィ ー ル
   
開襟着用

フリーガーブルーゼも写真の様に開襟着用する場合と、下の写真の様に襟のホックを 留めて着用出来る様に作られていた。
一般的には開襟着用が多かった様で、下に着たシャツにネクタイをしめる事になっていた。
写真の襟の内側に写っている黒いボタンは脱着式カラー(クラーゲンビンデ)取付用の物。
ちなみに、この服は殆ど開襟で着用されていた様で、下襟の裏にはウールの毛が残っている。

襟のホックを留めた状態

フリーガーブルーゼは開襟状態でシツケがされているが、この様に第一ボタンと襟の ホックを留めて着用出来る様にもなっていた。
ただし、開襟着用にするか否かは、部隊毎に指揮官がその都度決める事になっていた。
一般に空軍は服装規定が甘かった様に伝えられているが、極一部のエースパイロットには事 実かなり自由な服装が許されていた様だ。この写真では、襟の内側に空軍用のブルーグレーのカラーを取り付けてある。

フリーガーブルーゼの襟

フリーガーブルーゼの襟の裏には、矢印で示すようなベルトタブが付けられていて、 襟を立てた状態で固定出来るように作られていた。
これは、官給品のウール製コートに良く見かける物だが、フリーガーブルーゼにも何故か付けられている。
しかも、固定位置が二種類に調節出来るようになっており、かなり拘っていると思われるが、撃墜された時の防寒性という事でも考慮したのだろうか?。

フリーガーブルーゼの襟

実際に襟止めを使用した状態。
ウール製のオーバーコートと違い、この様な状態で着用している写真は未見だが、兎に角この下士官・兵用のフリーガーブルーゼは細かい所まで凝って作ってあ り、大変興味深い。
もしかすると、空軍の最高司令官ヘルマン・ゲーリング国家元帥の制服好きの趣味が、この服のデザイン段階で色濃く反映されているのでは?とも思えてしまう のは私だけであろうか?。

襟の裏地

襟の裏地はかなりブルーの強いウール地で作られている。こうしてみるとブルーグ レーの生地がロットによって、かなり色の巾があった事が想像できる。
また、この画像を見ると、上で説明した襟の部分が全体の中でどうなっていたか、更に良く理解出来るだろう。
肩章のブルーグレーも服の生地とは微妙に異なるのは面白い。

腰ポケット

腰ポケットの内装はブルーグレーのレーヨンであるが、口の部分には写真の様にウー ルが使われている。こうして見ると、服に使われているウールがかなり紫色の強いブルーグレーであった事が判ると同時に、服の方は表面のウール地の毛が殆ど 抜けてしまっている事も判る。
それにしても、深さも浅く、あまり物も入らない不便そうなポケットだ。降下猟兵の様な、孤立する可能性の高い兵種にとっては、さぞかし使いにくいポケット であったと思われる。

袖口

袖口は内蔵式のベルトで絞れるように作られている。写真の上の白い矢印が、内蔵式 のベルトタブを出す為のスリットで、下が袖口を裏返したところ。
これは、確かに余分な部分が表に出ない作りではあるが、袖をまくるには不向きな作りとも言える。
空軍の場合は、高々度飛行中等の防寒対策と、機内での服の引っかかり事故防止をあくまで重視した設計をする必要があったのかもしれない。

(実際には、革ジャンや電熱服等の衣料が用意されていたので防寒対策は疑問だが・・・)

袖口

袖口のベルトタブを出した状態(写真上)と、実際に袖口を絞った状態。
実際に袖口を絞ってみると、かなり手首にぴったりと絞れる作りになっている事が分かる。
(通常は長い手袋等を着用するので、手袋をしやすい様にという事か?。)
参考までに書いておくが、このフリーガーブルーゼの他のボタンホールはかなりの使用痕跡 がみられたが、この部分と襟止めの部分に関しては殆ど使用した痕跡が認められなかった。

    
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28.Nov.1999 公開
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