このページでは、武装親衛隊の41年型突撃砲搭乗服を紹 介します。
   
はじめに
 
今回は、武装親衛隊の41年型突撃砲搭乗服を紹介します。本コンテンツを制作するにあた り、日本に数着しかない大変貴重なSS下士官・兵用突撃砲搭乗服を取材させて下さった、KLAUSEの山下氏に感謝の意を表します。なお、LAH将校の突 撃砲搭乗服の方はドイツのディーラーからの写真で制作した物です。
    
 
武装親衛隊砲兵科ニ等兵の41年型突撃砲搭乗服

このSS用突撃砲搭乗服は1941年から本格稼動したSS被服廠で生産された物で、陸軍型の戦車・突撃砲搭乗服とは異なる型紙で 作られている。SS型の特徴は、一般的に陸軍型に比べて襟が小さく前合わせの裁断も真直ぐで、着丈が短め似作られている事と、背中が1枚の布から作られて いる事である。襟のカットに関しては比較的尖った感じの物や丸みのある物等のバリエーションが存在するが、生産工場による違いなのか製造年による違いなの かはわからない。1942年12月1日からは自走砲兵にも支給されており、戦車兵とは区別されていた。また、LAHの突撃砲・自走砲下士官に関しては、上 襟に下士官を示すトレッセを付けていた者がいた事が当時の写真で確認されている。この写真の突撃砲搭乗服は、ストーングレーの生地で作られており、袖口や 前合わせの上3コのボタンに金属プレス製の物が使われていたりする事から、比較的末期に生産された物では無いかと思われる。

41年型突撃砲搭乗服

後ろから見た41年型突撃砲搭乗服。
陸軍型の戦車・突撃砲搭乗服と異なり、SS用の戦車・突撃砲搭乗服はこの様に背中が1枚の布で作られている。コットン製の44年型迷彩 戦車搭乗服も野戦服とは異なり、背中は1枚の布地で作られている。背中には2本のダーツが入れられており、 脇の下の近く、腕ぐりからの前身ごろとの接合部にはベルトフックが付けられる様になっている。この突撃砲搭乗服はSS用にしては着丈が長く,袖丈との差が 少ない印象を受けるが、改めて当時の写真を見てみると襟の作りや着丈・袖丈の関係等、かなりばらつきがある。これらのばらつきが、被服廠の違いなのか、年 代による違いなのか、また別の理由によるものなのかについては全くわかっていない。

41年型突撃砲搭乗服の内装
 
この服の裏地はグレーのヘリンボン生地が使われている。裏地は陸軍型と同様背中には施されていない。
41年型突撃砲搭乗服の内装

脇の下から下方に伸びているパーツはベルトフック取り付け部で、内装にはウエストを絞る紐も付けられている。

   
着用方法のバリエーション
   
 
 
着用方法のバリエーション
 
陸軍型、SS型に拘わらず、特にこの戦車・突撃砲搭乗服は着用してはじめてカッコの良い 服で、平らに置くと魅力が半減してしまうので、今回はボディに着せた形で紹介する。
 
写真左上:隠しボタンの上の小さいボタンも一つ留めた状態。
写真で見るとこの画像の様に着用しているケースが多く、陸軍型に比べて上下の襟が小さい のが特徴。
実際この服でも、この形で着用し易い様に下襟に”しつけ”されていた痕跡が確認できた。
 
写真上:隠しボタンのみ留めた状態。
左隣の写真と比べて、ボタン一つでかなり印象が変わる事がわかるが、原則としてどの様に 着用するかは部隊の指揮官の裁量にまかされた。
 
写真左:第一ボタンまで留めた状態。
良く見る写真では、この様な着用例は少ないが、実際にはこの様な着方が出来る様に作られ ている。
   
ディティール
   
この服のカット
 
この様に置くと、SS型独特の襟のカットが良くわかる。これは一般の野戦服でも同じであ るが、丸みのある下襟が,前合わせより膨らんだ感じのカットになっているのが興味深い。
ここらへんのちょっとした所にドイツ軍の制服に対する拘りを感じずにはいられない。ま た、SS型の戦車・突撃砲搭乗服はダブルの合わせが陸軍の物より浅く、カットもストレートになっているが、この方が使用する生地は少なくする事が出来る。 一着あたりでは多少の違いでも数を多く作る前提で考えれば極めて合理的と言えるだろう。通常の野戦服の着丈も陸軍と比べるとSSの方が短いが、これはデザ イン上の問題だけでは無く、独自の生産体制は整えたものの生地等の仕入れに関しては正規軍である陸軍の方が力があった事とも関係している様に思えて興味深 い。
この服の徽章

SS下士官・兵用襟章と42年型兵用肩章。
襟章のSSは本来LAHのみに使用が認められていたが、後にSSVTにも使用される様に なり、最終的には多くの武装親衛隊に着用されたが、いわゆる一般SS:アルゲマイネSSに使用される事は無かった。(管区を表す数字を使用)また、戦争後 半に編制された多くの外国人SS部隊の中には独自の襟章を制定したケースがあったが、その全貌は明らかになっていない。肩章は赤い砲兵のパイピングの物を 付けているが、画像の減色処理をしたため、ピンクに見えている・・・(汗)。

この服の徽章
 
SSの襟章は、陸軍と異なり具体的な階級も表している。これはSS二等兵と一等兵の物だ が、一等兵は左袖に階級袖章を付ける。そして襟章にラインが1本入ると上等兵、ラインが2本になるとSS兵長となる。
肩章は陸軍同様兵卒は全て同じ物を着用する。
画像は脱着式肩章と、その取り付け用ボタン・ループの状態を写した物。SS用国家鷲章は 標準的刺繍タイプが付けられている。
襟章
 
いわゆる刺繍タイプと言われている物で、黒のウール台布にシルバーグレーの糸でSSの ルーン文字が刺繍されている。SSの文字は縁取りされていて、縁取りの中は2重に刺繍されており、立体感のある仕上がりになっている。この服の場合は襟と 襟章がすっきりとした位置関係で付けられているが、襟のカットの種類によっては襟と襟章の角度が合わない場合もあった為、取り付け位置も様々であった。
SS下士官・兵用国家鷲章
 
わりと初期(1936〜37年頃)から見られる刺繍タイプのII型のSS下士官・兵用国 家鷲章。
SSの国家鷲章にも多くのバリエーションが存在するが、刺繍タイプの他にBEVOタイプ も作られており、黒地にライトグレーの糸で作られたBEVOタイプは1939年より、黒地にイエロータンの糸で織った夏服用は1943年から生産された。 また将校用には銀モールの手刺繍で作られた高級品と、シルバーの糸で織られたBEVOタイプが作られていた。因みにI型は1935に登場し、1936年に 採用になっている。
肩章
 
SS砲兵科兵卒用の1942年型肩章。
SSの肩章も様々なバリエーションが存在するが、この1942年型の肩章は表が黒、裏は フィールドグレーのウールで作られており、兵科を表す赤のパイピングはレーヨン製、タブの部分の裏地は黒のコットン生地が使われている。
SS-BWとサイズスタンプ

この服のスタンプは、左胸内ポケットの上にまとめて押されている。内ポケットの上にはSSの被服廠製である事を示すSS-BWの スタンプが確認出来る。またその上にはサイズスタンプが押されているが、かすれてしまっているため、一部しか判読出来ない。取り敢えず判読できる着丈は70cmで、この搭乗服がかなり大きめなサイズである事がわかる。通常の野 戦服の場合は例外はあるものの、右側に付けられている包帯用ポケットの上の方にスタンプが押されているケースが多いが、戦車搭乗服や44年型迷彩野戦服な どでは、この様に左側にスタンプが押されている事がある。

   
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05.Dec.2000 公開
31.Jan.2001 改訂
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