このページでは、ドイツ陸軍の将校服を紹介します。
   
はじめに
 
今回は、ドイツ陸軍の装甲擲弾兵少尉の勤務服を紹介する。将校の被服は兵用とは異なり被服費を支給され、各自で調達するシステムだった為にオーダーメイドの物も少 なく無い。その様な物の場合には着用者の好みで作りは様々である事も特徴の一つである。
このコンテンツを製作するにあたり、アイテムを取材させて下さったPucki氏に感謝の 意を表します。
   
 
陸軍装甲擲弾兵少尉の勤務服
 
これは、極めて標準的な陸軍将校用勤務服と言っても良いだろう。将校用の勤務服は前述の 様に、細かく見れば全てが違うと言っても過言では無いが、戦争中期以降のスタンダードな作りの勤務服として見てもらいたい。
このコンテンツでは、官給野戦服と区別する意味で、この服を勤務服として紹介している が、当時の写真を見ても、この様なオーダーメイド服を野戦で使用している将校も決して少なくない。
勿論官給野戦服に将校の階級章を付けたケースもあるが、それらは便宜上将校用野戦服と分 類する事とする。
 
 
陸軍装甲擲弾兵少尉の勤務服

後ろから見た将校用勤務服。
 
将校用のオーダー服は一般的に野戦服とは異なり、背中も体にフィットする様に裁断されており、ベルトフック金具などを付ける為の仕掛け も無くすっきりしている。
余談ではあるが、国防軍時代の陸軍の制服はグリーンカラーが基本であり、40年以降の野戦服は戦時の簡略型である。
したがって、オーダーメイドの将校服に関してはグリーンカラーがむしろ標準であり、グリーンカラー自体は、生産時期には無関係なので、 M36などと年式を付けるのは間違いである。
 

 
陸軍装甲擲弾兵少尉の勤務服
 
写真左はこの服の内装を撮影したものであるが、この服には内ポケット部にテーラータグが付けられている。
オーダーメイドの服の為、野戦服に見られる様な無粋なサイズスタンプ等は一切無い。
外観上の特徴としては、左腰ポケットの内側に剣を吊るす時に使う剣吊りとスリットがある。
 
   
各部のディティール
   
バストショット

将校用勤務服の見所は、やはり胸から上に集中している。
シャープな雰囲気のある、襟や貼り付けポケットの雨蓋、作りの良い徽章類などは、やはり官給野戦服とは一味違う。

陸軍将校用国家鷲章
 
将校用の国家鷲章はダークグリーンベースに銀糸やモールで、手刺繍で作られた物と、BEVOタイプの物が作られていた。
これは手刺繍製の高級品である。
襟と襟章
 
将校用勤務服の多くは、ツーホック付きの詰襟に作られていた。
ドイツ陸軍では少尉から大佐までは同一のデザインの襟章が制定されており、兵科将校の場合は襟章にも兵科を表す兵科色が入れられてい た。
陸軍将校用襟章
 
襟章の作りには幾つかのバリエーションがあるが、これはダークグリーンの台布にモール手刺繍で作られており、装甲擲弾兵の兵科色、アッ プルグリーンのパイピングが入れられている。
将校用襟章のバリエーションに付いては、また改めて紹介したいと考えている。
陸軍少尉用肩章
 
陸軍の士官用肩章は、ウール又はフェルト製の台布の上に、写真の様なモールが付けられていた。
また、この肩章の様に差込み式の物と、脱着式の物が作られていた。
これは少尉の肩章であるが、中尉では1つ、大尉では2つのピプ(星章)が付け加えられる。
襟まわり
 
襟の内側には紙製(樹脂製もあり)の脱着式カラーが付けられるタイプと、そうで無いタイプがあった。
これは、カラー無しのタイプであるが、襟付きのシャツが一般的に支給され始めた1942年頃からは、この様に脱着式カラーを取り付ける 為の金具を省略した将校服も多く作られている。
襟のディティ−ル
 
この服の襟とカラーには固い芯材が入れられており、簡単には型崩れしない様になっている。
ただし、襟に関しては柔らかい芯材が使われているケースもあり、ここらへんは着用者の好みだったと思われる。
戦功章等
 
写真では、胸に二級鉄十字章のリボンと、歩兵突撃章を付けているが、これらは元々服に付属していた訳では無く、装甲擲弾兵の少尉と言う 事で服に付いていたループに刺しただけである。
腰ポケットと剣吊り

将校の勤務服では、官給野戦服の腰ポケットの様なマチはあまり付けられていない。
また、写真の様に左の腰ポケットには、短剣やサーベルを吊るす時に使用する、金具付きベルトを出すスリットが設けられている。

剣吊り
 
将校はパレード用礼装、準礼装でサーベルを下げていた為、多くの将校服にはサーベルや短 剣を吊る為のベルトを出すスリットが左の腰ポケットに設けられている。
この服では吊り金具の付いた布製ベルトが服に縫いつけてあるが、ベルトが縫い付けられて いない場合はサーベルや短剣用の吊りベルトを別途装着する事になる。
ダブルカフ

この服でも袖口は通常の将校服同様ダブルカフ(袖口が折り返した様な感じに作られている。)になっている。
この折り返しには、書類を入れたりするポケットの役割があったと聞いた事があるが、軍服に大きなポケットが無かった頃の名残かもしれな い。

袖の内装
 
将校の勤務服では官給野戦服と異なり、袖の内側にも内装が付けられている。
袖の内装生地は滑りの良い薄い生地が使われている事が多く、この様に縦縞模様の物も多く使われていた。
テーラータグ

この服に付いているテーラータグ。
HANNOVER:ハノーファーのRahne:ラーネと言うテーラーの物で、内ポケットの縁に付けられている。
この服にはネームタグは無いので、所属部隊や所有者氏名等はわからない。

    
   
ホームに戻る
資 料館トップへ

本サイトに掲載されている文章及び画像の 無断転載はお断りします。Copyright  2002  STEINER

15.Feb.2002 公開
inserted by FC2 system