WW2当時のドイツ陸軍の礼服と勤務服に付いて紹介します。
   
ここでは、ドイツ陸軍の礼服と勤務服に付いて、当時のプライベート写真とドイツのディーラーの写真を使って、その概要を簡単に 紹介します。
   
Waffenrock : 礼 服
   
35年型礼服姿の兵達

全くキャプションの無い、プライベート写真なので詳細はわからないが、11人並んでいることから、同じ分隊の記念撮影だと思われ る。
ヘッドギアもベルトも無い状態の写真はある意味珍しい。

家族写真と思われるポートレート。

おそらく久しぶりに帰郷して再会した家族の写真だと思われる。
両脇の兵が兄弟であろうか。左の35年型礼服を着ている下士官は、袖章で医療科である事が判る。
一方右の陸軍伍長勤務上等兵は43年型野戦服を着ている。
35年型礼服は外出着としても着用されたが、この様に43年型野戦服と同じ写真に収まっているのは面白い。

   
陸軍砲兵科二等兵礼服

典型的な35年型礼服だが、この服は生地は別として、兵・将校共殆ど同型である。
写真で見ても、この頃の服がまだ良質の生地で作られていた事が判る。

砲兵の兵科色「赤」の縁取りの他、台布が兵科色になっている大型の礼服用襟章や、袖口に付けられた袖章、更に胸の国家鷲章もアル ミ糸やアルミモールで作られているのに注目して欲しい。

また、肩章には兵科色の赤で連隊番号が刺繍されている。

なお、着用時にはベルトをしているので判りにくいが、この写真でも見えるウエストの部分の裁断が35年型礼服の特徴である。

向かって右の胸の下に勲章用ループが見えるが、体力検定章の物だろうか。

陸軍砲兵科司令部付上等兵礼服

この服は、砲兵科司令部付上等兵の物だが、肩章の連隊番号が上の写真の物と同じである事と、同じディーラーが所有していた事を考 え合わせると同一人物の物である可能性があり、そう考えると生地のフェルトグラウが変わっているのも納得がいく。

ちなみに35年型礼服は1940年2月付け通達「臨戦期間中の制服」によって廃止され、これ以降は、勤務服か野戦服が礼服の代わ りに着用される事になった。

また、この規定では、礼装用飾緒、将校用礼装ベルト、メダル等の着用も禁止され、代わりに革ベルト、略授リボンと剣を付ける事と された。

時代が古いわりに程度の良い物が多く残っている理由も納得である。

陸軍歩兵科司令部付曹長礼服

この服は、歩兵科司令部付曹長の35年型礼服だが、下士官の礼服の特徴を説明すると、襟と袖に付けられたトレッセ(アルミ糸を 織って作ったテープ)だが、襟のトレッセは野戦服とは異なり、襟の上側に付けられている事だろう。

このトレッセには織りのパターンと巾のバリエーションがあり、年式等の判断にも関わってくるのだが、詳細は今回の画像では判別が 出来ないのでまた別の機会に紹介する。

また、この写真ではセットで「スレートグレー」の側線入ストレートズボンが写っているが、上着の「フェルトグラウ」との色の違い がはっきり判って興味深い。

これは36年型野戦服の場合も同様で、戦争初期のドイツ兵の写真で上着とズボンの色が違って見えるのはこの為である。

この服には襟の内側に白い布製のカラーが付けられているが、将校の勤務服同様、簡単に脱着出来るようになっている。

陸軍砲兵科中佐礼服

この服は、砲兵科中佐の35年型礼服だが、まず気が付くのが如何にも生地が良さそうな事だ。

襟章は将校用の台布が兵科色で出来た礼服用の物が付けられている他、肩章も礼服用の艶のあるアルミ糸で作られた物が付けられてい る。

服の上に置かれているのは礼装用の短剣。

将校は、「パレード用礼装」、または「準礼装」の場合、写真に写っている短剣かサーベルを下げる事になっていた。パレード用礼装 の場合は通常ヘッドギアはヘルメット(パレード用のアルミ製軽量ヘルメットの場合有り)で、礼装用ベルト・乗馬ズボンに乗馬ブーツ。
準礼装の場合は普通、4つポケットの勤務服に制帽・礼装用ズボン(兵科色側線入りストレートズボン)に黒い靴という出で立ちだった。

   
Dienstrock : 勤 務 服
   
陸軍砲兵科中尉勤務服

この服は、おそらく上記の1940年の通達以降作られた物で、襟章は台布が兵科色になっている礼服用の物が付けられている。

第二ボタンのボタンホールに二級鉄十字章と摂政レオポルド徽章?の略授リボンが付けられていて、左胸には略授リボン取付の為ルー プが付けられていないのが面白い。
また、一級鉄十字章・突撃戦功章(1940年制定、ことなる日の3回の近接戦闘参加者に与えられた)・戦傷章黒章(1回または2回の戦 傷者に与えられた)とかなりの戦功者だった事がうかがえる。

さらに良く見ると肩章に金色の連隊番号のモノグラムが付けられているので、第10砲兵連隊所属の中尉であった事がわかる。  

服自体が、かなり日焼けしているのが残念。

「グロスドイチュラント」所属機甲科中尉勤務服

機甲科が全て戦車兵という訳では無いが、この中尉は服から見ると、「ドイツ十字章」・「一級鉄十字章」・「肉弾戦車撃破章」2台 他、戦功・勲功章を授与された百戦錬磨の強者の様だ。

服自体は飾り気の無い作りだが、「グロスドイチュラント」のカフタイトルと肩章のGDのモノグラム
が光っている。
ボタンは野戦服の様にフィールドグレーに塗られているので、実際には勤務服と野戦服の中間の様な物なのかもしれない。

セットになっているズボンは、兵科色の入ったストレートタイプで、写真で見る限り戦前のグレーの礼装用の物の様である。

下士官の勤務服に関しては、以前ルートヴィッヒ・ブルケ陸軍上級曹長の野戦服を改造して作った勤務服を紹介しているので、興味 のある方はそち らを参照されたい。
   
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28.Oct.1999 公開
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