このページでは、ライバー迷彩の野戦服を紹介します。
   
はじめに
 
今回は、武装親衛隊で最後に開発支給されたと言われている迷彩装備、ライバー迷彩野戦服を紹介する。この野戦服は各軍共通装備とも言わ れており、その詳細は今のところ明らかにされていない。例によってこのアイテムは残存数が極めて少なく、私 自身今回初めて手に取って詳しく見る事が出来た。
本コンテンツを制作するにあたり、貴重なコレクションを取材させて下さった珍品堂の石村 氏に、この場であらためて感謝の意を表します。
     
45年型迷彩野戦服
 
ライバー迷彩の生地を使用して作られたこの服は、前述の様にSS専用の物と言う説と、全軍共通の物であるとする説があるが、当時の着用 が確認出来る写真等は公表されていない為、その詳細はあきらかになっていない。
 
(ただし、武装SSの戦友会報や、戦後アメリカ軍が調査したリチャードソン報告でその存在だけははっきり確認されている。)
 
どちらにしても第2次世界大戦時のドイツで最後に作られた正規の迷彩服である。この迷彩服も44年型迷彩野戦服同様ジャケットとズボン が作られたが、ジャケットはウール製の44年型野戦服同様ショートジャケットとされており、今までのドイツ軍や武装SSの野戦服の印象とはかなり異なった 物である。
45年型迷彩野戦服
 
この服は、44年型迷彩野戦服同様質の悪いレーヨン混紡のヘリンボーンコットン生地で作られている。
 
裁断は極めて簡略化された物で、内装は無く他の種類の生地の裏地も一切使われていない。
 
背中は画像を見てもわかる様に、一枚布から作られており、これもこれまでのコットン製被服とは異なった特徴となっている。
 
(これまでのコットン製被服の多くは、背中のセンターで生地を接いであり、迷彩服の場合は迷彩パターンが点対象になる様に作られてい た。)
 
45年型迷彩野戦服
 
これはライバー迷彩野戦服の着用例であるが、おそらくこの様にシャツの上に着用したと思われる。
 
この服が実戦で使われたと言われている、1945年のクーアラントの陽気までは調べていないが、4月から5月であればこの格好は少々肌 寒いかもしれないが、下にウールの野戦服を着用したか否かは写真の発掘を待つしかないだろう。
 
写真では、冬期に野戦服の下に着用する、マウスグレーのシャツとSS下士官・兵用ベルトを使用した。
45年型迷彩野戦服
 
写真は、この服の内装を写したものであるが、胸ポケットの雨蓋の部分に共生地製の補強布がある以外、何も無いと言っても良い。
 
前述の様に他の種類の生地を使った裏地は無く、全てライバー迷彩をプリントしたレーヨン混紡のヘリンボーンコットン生地で作られてい る。
 
今までのドイツの野戦服から比べると、かなり雑な感じは受けるが、現代の迷彩野戦服に通ずる合理的な作りであると言えるだろう。
 
ディティール
  
第一ボタンを閉めた状態
 
前述の様に、ライバー迷彩野戦服に関しては当時の写真が全く発表されていないので、着用例ははっきりとしないが、取り敢えず第一ボタン を閉めるとこの様な感じになる。
 
ただし、既に襟元のホックは付けられておらず、もっぱら開襟着用を考えて作られた服と考えられる。
 
開襟の状態
 
これは開襟状態の写真であるが、下襟もこれまでの野戦服類とはカットが異なっている。
 
(これまでの被服では、第一ボタンを閉じた状態で、下襟は襟ぐりのラインに沿ったカットになっていたのが、この服ではそれが無視されて いる。)
襟のディティール
 
襟の裏地は、やはりライバー迷彩をプリントした共生地で作られている。
 
ただし、これまでの野戦服では、襟の中に芯材を入れていた為、この様に裏側から見ると芯材を固定しているステッチが確認出来たが、この 服では襟の芯材は省略されている様である。
襟のディティール
 
この服の上襟の裏地は、44年型迷彩服同様にセンターで継がれているが、これは生地の節約の為であり、それまでのコットン生地を襟の裏 地に使用しているウール製野戦服等とは、異なった特徴の一つとして挙げる事ができるだろう。
 
襟のディティール等
 
この画像の方が、上襟の裏地がセンターで継がれている事がはっきりとわかる。
 
また、右半分の上襟の裏地は服本体と黒のパターンが柄合わせしている様に見えるが、左半分を見るとそれは偶然の様である。
 
なお、44年型迷彩野戦服でも極初期タイプを除き、肩章は省略されているが、このライバー迷彩野戦服も脱着式肩章取付け用ループは設け られていない。
 
襟のディティール等
 
全てが簡略化されていると言っても良いこの服でも、襟の背中側に服を引っ掛ける時に使う、バックループは付けられている。
 
ただし、このバックループもライバー迷彩プリントを施された服地で作られている。
袖ぐりのディティール
 
ライバー迷彩野戦服の大きな特徴の一つに、筒袖と袖ぐりの作りがあげられると思う。
 
今までの野戦服では、袖は腕を下げた状態で付けられているが、この服は現在のシャツ等に見られる様に、腕を水平に上げた状態で付けられ ている。
 
これは生産性の向上と原反の節約上効果的で、如何にも末期型野戦服と言った感じがする。
袖ぐりのディティール
 
袖の付け根の脇の下の部分には、この写真の様に菱形の布が付けられていて、腕を上げやすくしてある。
 
このパーツが無いと、筒状の袖だけでは腕を上げると服自体が持ちあがってしまう。
 
こうして見ると作りが簡略化されていて、現用迷彩服に通ずる感があるとは言うものの、これまでの野戦服と比べると、なんとなく作業着風 に見えてしまう。
袖ぐりのディティール
 
上の部位を脇の下側から見た状態。
 
V字型のダブルステッチの下側が服の本体で、上側が袖の部分である。
 
服と袖の取り合いが、はっきりわかって興味深い。
  
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06.Nov.2001 公開
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