ここではWaffen-SSの3型迷彩スモックの展示をしています。
   
はじめに
 
今回紹介する迷彩スモックは、原反巾の狭いヘリンボーン生地で作られた物で、残存数も少 ない極めて珍しいスモックだが、布地の絶対量の不足だけではなく、雨具としての機能より迷彩効果を重視した事を示す可能性のある物としての資料価値は極め て高いと考えられる。
   
3型 迷彩スモック
   
 

 
3型迷彩スモック:春夏側正面

3型迷彩スモックは以前にも書いた様に、1942年頃から作られ始めた最終型のス モックで、腰にポケットが付けられたのが特徴である。
また、このスモックの迷彩パターンはコレクターからDパターン:縁取り迷彩と呼ばれてい る物である。

 

 
3型迷彩スモック:春夏側背面

このDパターンは、後にライバーマイスター迷彩の元になったと言う説もあり、数種 類のバリエーションが存在し、1940年から1945年迄作られていた。
このスモックは、通常の帆布では無く、夏期衣料等に良く使われたヘリンボーン生地が使わ れている為、余計に迷彩パターンがぼやけた感じになっている。

 

 
3型迷彩スモック:秋冬側正面

また、この迷彩スモックに使われているヘリンボーン生地は、ツェルトバーンに使わ れている帆布よりも原反巾が狭いため、袖のつなぎ位置がかなり腕の付け根に近い部分になっている。
この生地は、空軍地上部隊用のグランドスモック等にも使われているが、帆布より防寒性能 は劣る反面、通気性は良く、夏期の着用は楽だったと思われる。

 

 
3型迷彩スモック:秋冬側背面

実際にはツェルトバーンも1943年以降には、巾広の原反不足の為に両サイドで剥 いだ作りの物も作られたが、このスモックは防水性の無いヘリンボーン生地で作られているのが極めて興味深い。
私見だが、防水性能を無視した44年型迷彩服が作らるに至った過渡期の物とも考えられ る。

   
ディティール
   
首廻り

通常のスモック同様の作りであるが、このスモックも他の多くのスモック同様春夏用 パターンが表の作りになっている。
写真の白い紐は、オリジナルの紐では無いが、白い為、紐の通し方が良く判るので、敢えて そのまま撮影した。
この迷彩は、コレクターの間でDパターンとか縁取り迷彩と呼ばれている物だが、こうして みると「縁取り迷彩」と名付けられたのも納得出来る。

穴のかがり

紐を通す穴のかがりがホールミシンで作られているのが判るだろうか?。
3型迷彩スモックでは、この様にホールミシンを使って作られた物の他に、手縫いのホール や、金属製のハトメを使用した物も作られていた。
このスモックの生地はツェルトバーンの生地と異なり、薄くて織りも荒いので、手縫いの ホールでは納まらなかった感じがする。

擬装ループ

このスモックには擬装ループが付けられているが、ループは通常の帆布が使用されて いる。
擬装ループに使われた生地の迷彩パターンは、
Aパターンのわりと若い番号の物の様だ。
こうしてみると、減反巾の狭いヘリンボーン生地で作られたスモックも、通常の帆布で作ら れたスモックも裁断が異なったにも関わらず、同一工場で作られていた可能性があり、興味深い。

ポケットの内装

多くのスモック同様、このスモックのポケットもグリーンのヘリンボーン生地で作ら れている。
このスモックは殆どデッドストックの様な状態なので、ポケットの内装の生地の色も良く 残っている。
ポケットの内装が、ダブルロックミシンで縫われているのに注意。
この部分の作りに関しては、工場間で異なり、ダブルロックミシンを使っていないタイプも 存在する。

ヘリンボーン:杉綾織りの織り目

このスモックに使われている生地は、夏用野戦服や作業着に使われたヘリンボーン生 地によく似た、かなりカサカサした感じの生地で、通常のスモックより通気性に優れた感じがあるが、防寒性能や防水性能は望めそうに無い。これは、当初の雨 具と兼用した機能より迷彩効果を重視し、少ない物資の中からやりくりして作った物なのだけではなく、夏期の着心地も考慮した(通気性が良い)44年型迷彩 服に移行する過渡期の物なのでは無いかと思われる。

   
   
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このコンテンツを作るに際して貴重なコレクションを貸して下さったKing-2の井上さんに感謝しま す。

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22.Nov.1999 公開
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