ここでは、W−SSの2型迷彩スモック・Cパターンを紹介しています。
   
今回は、武装親衛隊の迷彩スモック2型、Cパターン(パームツリー:リーフパ ターン)の紹介をします。この迷彩パターンは被服専用でツェルトバーンには使用されなかった為、パターンの全体像を見るにはこの迷彩スモックしか無いので すが、残存数の少ないアイテムの為なかなか実物を見る機会もありません。しかしこの度、KING2の井上さんの好意で日本でも数少ないレアなアイテムを紹 介する事が出来ました。
   
迷彩スモック2型、Cパターン
   
Cパターン迷彩

このコンテンツでは、SSの迷彩パターンをその登場時期順にA・B・Cと分類して きたが、このCパターンは1941年に登場した迷彩パターンで、今までの迷彩パターンとは全く異なるコンセプトの元にデザインされている。というのも、A とBパターンでは、雲型のパターンの上に木陰を思わせる濃い色のパターンを重ねたデザインになっていたが、このCパターンでは明らかに植物自体をパターン に取り入れているからである。しかも、この植物はシュロや藪を連想させる物でかなり特定の地域を意識してデザインされたという説もある。1941年という 時期からアフリカ向けという説もあるが、実際にはSSは本格的にアフリカには派遣されておらず、また多くの着用例は東部戦線の写真で確認されているので定 かではない。これは私見ではあるが、数々の迷彩パターンを開発した中での試みの一つではないかと思っている。

2型迷彩スモック

1940年頃から作られた2型スモックは、それまでの1型スモックの首まわりのゴ ムと前の合わせの秋側に付けられていた、防風フラップを省略した物である。
胴回りのゴムの下が短く、両脇にフラップ付きのスリットがあるのも1型・2型の特徴であ る。
この写真ではスリットのフラップは中にたくし込まれている。

2型迷彩スモック

迷彩スモックは装備の上から着用出来るようかなりゆったりとした作りになってい る。袖口及び胴回りのゴムはフリーサイズのスモックを着用しやすくする目的と防寒の目的があったと思われる。また、このスモックでは袖の先端部が本体と異 なる迷彩生地が使用されているが、この様な例は記録写真の中でも確認できる。

   
ディティール
   
両脇のスリット

2型スモックの特徴の一つに、この両脇に設けられたスリットがある。
これは下に着用した軍服のポケットや、装備を利用するための物で、写真のようにボタン等 で止めることの出来ないフラップが付けられている。
これは当初迷彩スモックが装備の上から着用出来る雨具も兼ねていた為の措置と思われる が、3型スモックではこのスリットは廃止され、変わりに腰の部分にポケットが付けられている。事実、多くの写真では装備はスモックの上に装着されており、 このスリットは単に下の野戦服のポケットに手を入れるだけの機能しか果たしていなかったからではないかと思われる。

両脇のスリット

この写真では、下に着用した野戦服の腰ポケットとスリットの位置関係を示した物で ある。
先にも述べたが、弾薬盒等の装備を除外して考えれば、決して使い勝手の良い物ではなかっ たろう。
この写真では、ウエストベルト等を装着していないが、実際に装備も含めて装着した場合に は殆ど役に立たなかったと思われる。
良く1型及び2型迷彩スモックの裾を内側に折り込んで着用している例を記録写真で見るこ とが出来るが、私は単なる流行と言うよりはポケットの使い勝手等が大きな理由の一つであったと考えている。

脇の下の通気スリット

迷彩スモックは通常の野戦服の上に重ねて着る前提で作られていた為、この様に通気 用のスリットが両脇の下に設けられている。
これは気温が上がった初夏や雨に濡れた時に極めて効果があったと思われる。特に当初この スモックに使われた帆布は濡れると通気性が極端に低下するので、3型迷彩スモックにも引き続き継承された。
また、この写真を良く見ると、脇のスリットのフラップの上に補修痕跡が確認出来る。
これは下に着用した野戦服のポケットに無理矢理手を突っ込んだ時に裂いてしまった為の物 だろう。
なお、同様の補修痕は反対側のフラップの上下にも確認出来る。

 
 
襟まわり

2型以降の迷彩スモックでは省略されているが、1型では襟まわりにもゴムが入れら れていた。また、1型スモックでは前の合わせ部分の秋側に防風フラップが付けられていたが、この2型からは省略されている。このスモックでは前あわせに革 ひもが通してあるが、本来はフィールドグレーの平紐が支給されていた。しかし、その支給された紐は切れやすかった為、現存しているスモックに付けられてい る事は極めて珍しく、殆どがこのスモックの様に革ひもや他の紐に交換されている。襟まわり、秋側に縫い付けられている補強布の迷彩生地が本体と違うパター ンを使用しているのに注意。

胴回りのゴムと裾の処理

胴回りのゴムは前後で別々に入れられている。これは生産性を重視しての事とは思う が、このスモックでは前面のゴムが切れてしまっている。この様な場合背面のゴムが機能していれば実際の機能にさほど支障が無いと言う事も軍用品としては重 要な事である。また、裾の処理だが、このスモックでは秋側が表の作りになっている。他の部分が全て春夏側が表の作りになっている事と、1型スモックに秋側 が表になっている物が多い事を考え合わせるとそれなりに興味深い。

迷彩パターン

Cパターンの特徴的な部分。
こうして見ると、このパターンが後の研究者やマニアにシュロの樹パターンとかリーフパ ターンと呼ばれた理由が良く解る。
迷彩パターン自体は地の褐色と明るい緑、濃い緑の3色でプリントされているが、地の褐色 と明るい緑が重なった部分はくすんで輪郭をぼやかす効果と、重ねてプリントする時のクリアランスを兼ねている。

迷彩パターン

Cパターンの特徴的な部分。
ここには笹の葉を思わせる様なパターンがプリントされている。
この部分のパターンは原反の巾と迷彩スモックの裁断の関係で、常に腕の部位になる訳だ が、縦横どちらでも困らない様なパターンを意識してデザインされている様に見える。
それにしても一体何処の地域を設定した迷彩パターンなのだろうか。迷彩効果は別にしても 極めて魅力的なパターンである。

   
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26.Jul.1999 公開
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