ここでは、当時の「のど飴」の展示をしています。
   
 
はじめに

今回は、”Wybert:ヴァイベート”と”Brust-Caramellen:ブルスト-カラメーレン”と言う2種類の”のど飴”を紹介する。
本コンテンツでは、現存する空き缶の画像だけでは無く、新聞広告や”のど飴”が登場する兵隊歌も合わせて紹介する事で、当時の兵士達と”のど飴”の関係を垣間見られるのではないかと考えた。

なお、これらの飴は、当時と殆ど同じ物が現在も売られているので、当時の兵士達が口にした味を追体験したい方は、個人輸入する事も出来る。

本コンテンツを制作するにあたり、現在販売されている”Brust-Caramellen:ブルスト-カラメーレン”をプレゼントして下さった、ドイツ在住のDt.Soldatinさんに、この場であらためて感謝の意を表します。


   
”SoldatenLied:兵隊歌”と”のど飴”



新聞に掲載された広告

週刊新聞”Illustrierter Beobachter”1941年9月25日号に掲載された、”Wybert”の広告。
”Paul:パウル”と”Peter:ペーター”という名の兵隊漫画シリーズで、兵士達の日常生活と”のど飴”との関わりが窺える。
ただし、このバイエートの広告漫画に関しては、民間人バージョンもあり、この”のど飴”は決して軍用と言う訳では無い。
上の漫画の内容は左から
1コマ目:長距離の行軍時は歌うに限る、気が晴れて楽しい気分になる。
2コマ目:ペーター 「何故一緒に歌わないのだ、歌えば歩くことも苦でなくなるのに。」

3コマ目:パウル 「しかし、埃っぽいと喉は渇くし、あれてしまう…。」
4コマ目:ペーター 「その様な時は、一粒のバイベートを…。バイベートは喉を保護し、調子を整えてくれる。」





”Das Neue Soldaten Liederbuch:新兵隊歌集”掲載の”Westewaldlied:ヴェスターヴァルトの歌”の楽譜

この兵隊歌については、このサイトを見ている方々に改めて説明する必要は無いだろうが、”兵隊歌集”のコンテンツに簡単な説明があるので、興味のある方は参照されたい。

今回この楽譜を掲載したのは、この曲を歌った当時の兵士達は、楽譜の3行目の”O du schöner We-ster-wald”の後に、好んで合いの手を入れて歌っており、合いの手の幾つかあるのバリエーションの一つが”Eukalyptus Bonbon:ユーカリの飴”と言う物であったからである。

因みに”ユーカリの飴”は、所謂菓子としての飴では無く、”のど飴”として作られた物である。
このポピュラーな兵隊歌に”ユーカリの飴”と合いの手が入れられていた事は、”のど飴が”兵士達にとって身近な存在であった事を示していると感じたからである。

余談ではあるが、合いの手のバリエーションとしては、”Prima Damenschüpfer:素晴らしい女性のズロース(又はブルマ)”と言うパターンもあり、「映画「CROSS OF IRON:戦争のはらわた」や、「08/15」の宴会シーンでは、こっちが歌われている。
ただし、「08/15」でも帰営シーンでは”Eukalyptus Bonbon”の方を歌っているので、勤務時間内とオフタイムでは使い分けをしていたのだろう。
”Westewaldlied:ヴェスターヴァルトの歌”を実際に聴いてみたいと言う方は↓でどうぞ!。

 


 Wybert


Wybert

”Wybert:ヴァイベート”は当時のポピュラーな”のど飴”の一つで、元はスイスの薬局から始まった、GABA.AGで作られた商品である。
GABA.AGは、1921年にドイツの子会社を設立しているので、二次戦中も国産のど飴として、供給し続けられた。


この缶の蓋には商品名の”WYBERT”以外に下記の表記が見られる。

FÜR SPORTSLEUTE SÄNGER RAUCHER:スポーツをする人、歌手や喫煙者に

VORBEUGUNGSMITTEL GEGEN HUSTEN HEISERKEIT KTARRH:感染症による咳や、喉の不調の予防に

DURSTILLEND ERFRISCHEND:焼けるような渇きをクールダウン



Wybert

缶の底には以下の様な事が印刷されている。

Wybert:ヴァイベート(商品名)

Eingetragenes Warzenzeichen:登録商標・意匠登録

Gebrauchsanweisung:用法

Je nach Bedarf lasse man einige Wybert langsman im Munde zergehen.
必要に応じて、少量のヴァイベートを口に含み、ゆっくり溶かして下さい。


この缶のサイズは下記の通り

直径 : 72mm

厚 : 21mm



 
新聞に掲載された広告

これも、上掲の広告同様週刊新聞に掲載された物で、”Paul:パウル”と”Peter:ペーター”が登場する。
漫画の内容は左から
1コマ目:家からの小包に喜ぶパウルに、自分宛の小包が無くて不機嫌なペーター。

2コマ目:パウルの母親の心遣いで、時々咳をする気の毒なペーターにもバイベートが1缶入れられていた。
3コマ目:バイベートを服用、バイベートは効く。バイベートを送る、バイベートが守る。と言うキャッチフレーズ。

こうして見ると、バイベートは軍から兵に支給された物では無く、各自が酒保で購入したり、家族から送ってもらった物であったと思われる。

Brust-Caramellen


Brust-Caramellen

画像は、”Kaiser:カイザー社”の”Brust-Caramellen:ブルスト-カラメーレン”と言う”のど飴”の空き缶。

この缶の蓋には、社名と商品名の他、中央にはトレードマークの3本のモミ(Mit den 3 Tannen) が、図柄と共に文字でも印刷されている。

また、トレードマークの下方に印刷されている”Sicher und schnell wirkende Husten Bonbon's”は、”確実で即効くのど飴”と言った意味である。

この缶のサイズは下記の通り

直径 : 90mm

厚 : 29mm



Brust-Caramellen

缶の底面には、商品名とその効能書きに続き、その効能は化学的に証明されている事、そして、その証明に携わった研究所及び学者達の名前が列記されている。
そして、最下段には工場がオーストリア、スイス、チェコにあると記されている。

Kaiser’s
Brust-Caramellen
mit den 3 Tannen

sind bei Husten, Heiserkeit, Verschlimung, Brust-, Lungen- u. Rachen-Katarrhen ein ganz hervorragendes diätetisches Mittel.

Sie bewähren sich anerkannt vorzüglich als Vorbeugungsmittel gegen Erkältungen, bei Asthma und allen Atmungsbeschwerden, sowie bei Krampf- u. Keuchhusten.
15000 amtlich beglaubigte Zeugniss beweisen zur Genüge den hohen Wert dieses Präparates.
Kaiser’s Brust-Caramellen wurden untersucht und begutachtet von Dr. Paul Redenz, chem.Laboratorium in Aachen, Dr. Zeitler, Gerichts-Chemiker in Cannstatt-Stuttgart; Dr. Alfred Bertschinger in Zürich; Dr. Schumacher-Kopp, Kantos-Chemiker des Kantons Luzern in Luzern; Dr. L. Schmelk in Christiana; Dr. Szitagyi Gyula. Budapest
Gebrauchsanweisung ist jed.Dose beigegeben; man beachte die darauf befindlichen ärztl.Atteste !
Fr. Kaiser, Waiblingen-Stuttgart
Fabriken in Oesterreich, Schweiz u. Tschechoslowakei.



Brust-Caramellen

これは、現在も販売されているカイザー社のブルスト-カラメーレンのパッケージ(数年前)である。

2013年8月現在、袋は白色に変更されている。

流石に缶入りでは無く、今時の袋入りになっているが、中身を想起させるハーブ類のイラストが描かれている。

カイザー社については公式ページがある他、こののど飴については、Kaiser brust-caramellen husten bonbo等の単語で検索すると、Sweets-online.comと言うサイトでも、購入出来そうである。


Brust-Caramellen

中身は、この様に個別包装されたのど飴である。

缶入りとは趣は異なるものの、この個別包装も少しレトロな感がある。

味の方は、所謂砂糖を焦がしたキャラメルと、ハーブキャンディーを混ぜた感じである。

なお、この飴は気温が高いと表面が溶けてしまうので、チョコレート類同様、熱帯地域向けでは無かったと思われる。
       
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10.Aug.2013 公開

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