ここでは、当時のプライヴェート写真を楽しんでみたいと思っております。
  
一枚の写真から・プライヴェート フォトを楽しもう!その22
  
 
はじめに
 
今回のプライヴェートフォトは、1940年の西方戦役前に、訓練に励むSSドイチュラント連隊の兵士達を撮影した一枚で、お題は「訓練中のSSドイチュラント連隊」とした。
 
  
 
 
 
訓練中のSSドイチュラント連隊
 
37mmPAK35/36の操作訓練中のドイチュラント連隊所属の3人の兵士達。撮影時期は1940年の西方戦役直前と思われる。 37mmPAK35/36が、実戦さながらに小枝で偽装されているが、対戦車砲の偽装は重要な訓練項目の一つであった。
37mmPAK35/36は、大戦初期に最も多く配備された対戦車兵器ではある。この砲の操作は規定では6人となっていたが、実際には 4人から5人で操作される事が多かったそうである。

例によって、軍装を見ると写真の兵士達は、全員37年型略帽を被り、野戦服の上に 迷彩スモック(I型)を着用している。
この略帽は、1937年にフィールドグレーの被服類が採用されたのに伴い新たに採用され た物で、型紙は34年型略帽とほぼ同一で、(ただし、折り返し部の深さは34年型略帽より若干深くなっている様で、寒冷時には耳を覆う事が出来る様になっ ている。)下士官・兵用タイプのみが生産された。徽章類は1936年採用の物がそのまま利用され、1940年に新型略帽が採用されるまで生産されていた。
野戦服の方は、SS用の37年型野戦服と、陸軍型の36年型野戦服が混在している。
1939年に編制された3.SSトーテンコプフと4.SS警察師団には、SS用37年型野戦服の不足から、大量の陸軍の野戦服が支給さ れていた事は知られているが、この写真でドイチュラント連隊にも支給されていた事が確認出来る。
 
なお、この写真はドイチュラント連隊の一兵士のプライベートアルバムに挟まれていたネガから焼増しした物で全部で14枚ある。軍装的に も興味深い物が多いので、他の写真も機会を見て紹介したい。
 

   
ディティール
   
兵達の軍装
 
左の兵は迷彩スモックの下に、フィールドグレーのSS用37年型野戦服 を、右の兵は陸軍型の36年型の野戦服を着用している。
また、この写真の兵士達は襟章を付けていないが、これは西方戦役の前に連隊番号の入った 襟章は、防諜上取り外す事が命じられた為で、同連隊の兵達は1941年のバルバロッサ作戦頃まで、襟章を付けていない者もいた。
装備
 
この写真でなんと言っても目立つのが、中央の兵が肩から掛けているナス冠付きの革帯であ る。これは37mmPAK35/36を人力牽引する際に使用する為の装備で、砲は左右2名の兵で牽引した。
また、この兵達はオーストリアタイプのスコップを吊り下げており、雑嚢に水筒とツェルトバーンを装着している。
この当時、陸軍も大幅な増員を実施していたため、多くの装備品類は、正規軍である陸軍に優先的に納入されていた為、Dリング付きサスペ ンダーや、ドイツ製スコップ等を支給されなかったSS部隊が多かったと言われている。
迷彩ヘルメットカバー
 
37mmPAK35/36のホイールの車軸に、迷彩ヘルメットカーバーを被せたスチールヘルメットが掛けられている。このヘルメットカ バーは、偽装用ループの無いI型であるが、庇部の作りが本体側に補強布が重ねてあるタイプで、側面の固定用スプリングも斜めに付けられているのが興味深 い。
37mmPAK35/36の砲口キャップ
 
この砲の砲口には、写真の様なキャップが被せられている。写真では金属製の様にも見える。
37mmPAK35/36の弾薬ケース
 
地面に置かれた、鋼鈑プレス製の弾薬ケースには、37mmPAK35/36用である事を示す”Patr. 3,7cm Pak ”の文字がある。
   
  
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04.Jan.2004 公開
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