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今回のプライヴェートフォトは、当時のカラースライドからの一枚で、お題は「ある朝の情景」とした。 |
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この掩蔽壕の入口で撮影された写真は、撮影時期や場所も定かではないが、フィールドグ レーの襟付き作業着を着ている兵が写っているので、間違いなく1940年以降である。また、1940年以降でこの様に本格的な掩蔽壕が作られ、ストーブや 焚き火用の石油缶が必要とされた戦場は?と考えれば、その答えは1941年からの東部戦線か、1944年以降の西部戦線だろう。実際、一連の写真には東部 戦線の情景が写されたショットもあるので、この写真もおそらく東部戦線で撮られたものだと思われる。 写真の左側に立っている兵の手前に、煙突を外した薪ストーブと、焚き火をしたと思
われる石油缶が置かれているが、兵達の服装から真冬では無い様である。夜は冷える様になったといったところであろう。 ところで、下の写真は上の写真のカラー情報を取り去った物であるが、多少退色して
いてもカラー写真の情報量が、モノクロで撮影された写真よりかなり多い事、更に写真自体の魅力にも大きな差がある事がわかる。 |
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作業着の左袖に、2本のトレッセを縫い付けた、逆三角形の階級袖章が付けられているので、この兵が兵長もしくは、本部付上等兵である事 がわかる。 |
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モノクロ画像ではわからないが、カラー画像のおかげで、入口脇のこの部分にストーブの灰 を捨てていた事がわかる。灰の量を見る限り、この場所でストーブを使い始めて、ある程度の日数が経過している様に思われる。 |
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朝食時にコーヒーを沸かしたポットを、洗おうとしている様であるが、ブリキ製のポットが煤で真っ黒になっている。また、洗面器にはあま り綺麗では無い水が入れられているが、近くに良質な水源や井戸が無いのかもしれない。 |
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