このページではSSのM35スチールヘル メットを紹介します。
   
はじめに
 
今回はPucki氏のコレクションの中から、親衛隊のM35スチールヘルメットを2つ紹 介する。親衛隊のダブルデカールのスチールヘルメットは残存数も少なく、現在コンディションの良い物を見る事は非常に難しい状況にある。
このコンテンツではヘルメットの塗装色にフィールドグレーが採用される前のアップルグ リーンの逸品を紹介するが、この様な取材を快諾して下さったPucki氏に改めて感謝の意を表します。
   
  
ET社製M35スチールヘルメット
 
SSでは当初黒く塗装されたM16・18スチールヘルメットが使用されていたが、部隊規 模の拡大に伴い第1次世界大戦の使い残りでは足りなくなり、RZMは独自のクロム製や軽金属製新型ヘルメットを採用した。
M35スチールヘルメットの採用は1935年11月1日で、1936年5月から” LAH”の9個中隊に黒では無くアップルグリーンの新型ヘルメットが支給され始めた。
当初デカールは無くマークは手 書きであったが、1935年8月にSS-VTとSS士官学校に対し銀地に黒のSSシールド章と鍵十字の新型の転写式の物が採用されたが鍵十字は更に赤地に 白丸の中に黒の鍵十字をプリントした物に更新された。
1936年6月までにはSS第2連隊にもこの新型スチールヘルメットが支給される様になったが、ここまでのスチールヘルメットに関して は全てこのET社製の物が納入されている。
 
  
NS社製M35スチールヘルメット
 
このヘルメットも初期のアップルグリーンの塗装を施された物で、ライナーも1938年以 前に生産された物が使われている。ただし、前述の様に1936年6月までのM35スチールヘルメットは全てET(Eisen-und Huttenwerke, AG Thale/Harz)社製の物が納入されているので、このヘルメットはそれ以降の物と言う事になる。このヘルメットのシェルは、外観上は最も長頭形のシ ルエットを持つVereinigte Deutsche Nickelwerke, AG Schwerte社製でサイズは57cm(シェルサイズは64cm)。
1939年7月6日には”LAH”は黒のヘルメットを廃止し、全てのヘルメットはアップ ルグリーンの物に統一された。材質はモリブデン鋼、シェル(外装)のサイズは60cmから2cmおきに70cmまで、M31ライナー(内装)は 52cmから1cmおきに63cmまで作られた。 
  
ET社製M35スチールヘルメット
 
上の2枚からはETの刻印のあるSS用M35スチールヘルメットのディティールである。
ET 又は CKLの刻印はスチールヘルメットのメーカーとして有名なEisen-und Huttenwerke, AG Thale/Harz社の物である事を表している。
スチールヘルメットは、その製造メーカーによって形が異なる事は既にスチールヘルメットのメーカー比較の コンテンツで紹介したが、側面形はETとQが比較的丸く、EFが最も角張っている。
また、正面から見ると、EFとQのヘルメットが丸く、ETとSEは角張っている。このヘ ルメットは頂部の塗料が痛んでおり、シェル全体が内部結露による塗装膜下の錆びが確認出来る。これは結構長い間地面に頂部を下にした状態で放置されていた 事を示唆している様に思う。
M35スチールヘルメット
 
下から見たM35スチールヘルメット。
 
ライナーの革製ハンモックの状態から見ると、使用痕跡はあるもののコンディションの良い ヘルメットと言う印象である。これは好みの問題ではあるが、未使用で綺麗な物よりこの位使われた痕跡のある物の方が歴史の重みを感じる。
シェルの後頭部に使用者の氏名が記入されているが、これは戦前のヘルメットには良く見か ける特徴である。具体的資料は見ていないが、これも防諜上の理由から戦争が始まってからのヘルメットには行なわれていない様である。
デカール
 
これは1940年3月21日付け通達前に使用されていた初期型のSS章で、通達以降と文 字のデザインが異なる。この他にシングルデカールのスチールヘルメットに使用された後期型と、文字はこれと同デザインでシールドの下が尖った感じのクロア チアパターンと呼ばれている物がある。後期型のSS章デカールは、1943年11月1日付け通達でヘルメットのデカールが全て廃止されるまで使用され続け た。詳しくはヘルメットのデ カールのコンテンツを参照されたい。
デカール
 
SSでは国家章は左側面に貼りつけられており、国防軍同様に1940年3月21日からは SS章のみを貼り付ける様変更された。したがって、このスチールヘルメットは1940年3月21日以前に生産された物と言う事になる。このSSの国家章の デカールには3種類のバリエーションがある事が知られているが、これは最も標準的なバージョンである。他にシールドの下が尖った物と、ハーケンクロイツが 太く大きいバリエーションがあった。なお、これらのデカールのデザインはハンス・ハース教授が行なった。
通気ブッシングとデカール
 
これは、M35スチールヘルメットの特徴である別パーツになっている通気ブッシングと、 右側のSS章のデカールの一部を写した画像であるが、通気ブッシングはM40スチールヘルメットからはプレスで一体成形に変更される。
シェルの縁の折り曲げ加工とメーカー・サイズ刻印
 
M35スチールヘルメットは、M40スチールヘルメットと共にシェルの縁は内側に折り曲 げ加工が施されていた。
このヘルメットでは左のチンストラップ取り付け部の下にヘルメット製造メーカーのコード とサイズが打刻されている。またライナーバンドもアルミ製で、チンストラップ取り付け部も初期型の特徴の角型金具が使われている。
メーカー・サイズ刻印
 
これはメーカー・サイズ刻印のクローズアップであるが、E,T,は前述の様に” Eisen-und Huttenwerke, AG Thale/Harz”社の物である事を表しており、64はシェルのサイズが64cmである事を示している。
この”Eisen-und Huttenwerke, AG Thale/Harz”社のメーカーコードはE,T,の他にC,K,Lがあったが、ヘルメットの生産各メーカーコードに興味のある方はスチールヘルメットのメーカー比較の コンテンツを参照されたい。また、シェルサイズが64cmと言う事はライナーサイズが56cmか57cmである事を示している。このシェルとライナーのサ イズに関しては既にM31ライ ナーのコンテンツで紹介している。
所有者の氏名等
 
ヘルメットの後部に支給された兵の氏名が書かれている。
これは戦前のヘルメットによく見られる特徴である。
しばしば部隊名や階級、個人番号等も書かれている事があるが、このヘルメットの場合は氏名のみが書かれている。
 
所有者の氏名とシリアルナンバー
 
このヘルメットは支給された兵の名前が記入されている。
W.Stuebe.とあるが、残念ながら所属部隊に付いては書かれていない。
その下に4467の打刻があるが、これはヘルメットのシリアルナンバーである。
M31ライナー
 
このライナーは1938年2月8日付け通達(WKrV 38 ,No.154)以後に作られたライナーである。
シェルとライナーの隙間からのぞいたところ、1939年ベルリンの刻印が確認出来てい る。メーカー名までははわからないが、これもコンディションの良いライナーである。
ライナーに付いて、もっと詳細に興味がある方はM31ライナーのコンテン ツを参照されたい。
   
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29.Jul.2001 公開
01.Aug.2001 改訂
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