このページでは、M35・M40・M42ス チールヘルメットの違いを紹介します。
   
はじめに
 
今回はドイツ軍で使用されたスチールヘルメットの形式、M35・M40・M42スチール ヘルメットの違いを紹介する。
   
 

 
M35スチールヘルメット
 
新生ドイツ国防軍の誕生と共に軍装・装備がかなり変更されたが、スチールヘルメットも今 までのM16・18ヘルメットに代わり新型軽量型が採用された。
採用は1935年6月25日でデカールも同年8月には新型の転写式の物が採用された。
材質はモリブデン鋼、シェルのサイズは60cmから2cmおきに70cmまで、ライナー (M31ライナー)は52cmから1cmおきに63cmまで作られた。 
陸軍のM35スチールヘルメットは当初艶のあるアップルグリーンに塗装されていたが 1940年1月27日付け通達により、艶消しのフィールドグレーに塗装される事となった。
 

 
M40スチールヘルメット
  
戦争が始まり、M35スチールヘルメットの生産性を向上させる為に、1940年3月26 日より新型ヘルメットが採用された。新型と言っても外見上はデカールの上の通気孔がM35では別部品であった物が、プレスの一体成形に変わっている事だけ であるが、実際には材質もモリブデン鋼からマンガン・シリコン鋼に変更されている。このヘルメットのデカールは初期型のSS用の物が付けられているが、反 対側の国家章は1940年3月21日に廃止された為付けられていない。 
またヘルメットの塗装色もフィールドグレーからブラックグリーンに変更されたが、この M40に関しては生産現場での混乱があった様で、ダブルデカールやフィールドグレーの物も存在している。
 

 
M42スチールヘルメット
 
1941年から1942年の冬に東部戦線で大損害を被ったドイツ軍は、各種装備の生産性 も見直さざるをえない状況に陥り、スチールヘルメットもシェルの縁を内側に折り曲げる工程を止め、省力化したM42スチールヘルメットが採用された。シェ ルの縁を内側に折り曲げていたのは、鋼鈑の切り口の処理と補強リブの役割を兼ねていた訳であるが、M42では縁を外側に4mm残す事で補強リブの役割を兼 ねている。M42スチールヘルメットの採用は1942年4月20日で、1943年8月28日付け通達(軍種別デカールの廃止。)の前に生産された物には軍 種を表すデカールが付けられている。このヘルメットは1943年製であるが、陸軍の物の為、反対側にデカールが付けられている。
通気ブッシング
 
画像の左側がM35スチールヘルメットの通気ブッシング。
右はM40とM42で採用されたプレス一体成形の省力型通気ブッシングである。
シェル外周部の処理
 
これは、M35スチールヘルメットであるが、M35とM40スチールヘルメットでは画像 の様にシェルの縁は内側に折り曲げ加工が施されていた。
シェル外周部の処理
 
これはM42スチールヘルメットのシェルの縁が外側に折り曲げられた様子を示している。
      
   
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24.Sep.2000 公開
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