ここでは1935年度版ドイツ軍の兵隊百科辞典の展示をしています。
   
はじめに

今回は、1935年版”SOLDATENLEXIKON”:兵隊百科事典と言う名 前の付けられた本の紹介をする。
この本は、タテ15、3cm ヨコ11、8cmのポケットサイズで、170ページ程の物 で、アルファベット順に軍隊生活に必要な用語、軍装の知識等が書かれている。実際には、軍隊に入隊前に予習する者のために編集された本なので、軍隊の教科 書(ライベルト)の一部を抜粋して編集してある感じである。
図版も結構多く挿入されており、解りやすく解説されているので、今回はイラストページで 軍装に関連したページを中心にピックアップして見ることにした。

   
 

 
1935年版”SOLDATENLEXIKON”の表表紙。
ドイツのマニュアル等の多くは民間の出版社から出されているが、この本も StuttgartのFranckh' Verlagshandlungから出されている。
1935年当の歩兵装備。
ヘルメットもM16/18、ブーツもジャックブーツでは無く、サスペンダーもDリング付 きでは無いし、エンピ(スコップ)も旧型で、小銃もまだ98kになっていない等、戦前の陸軍軍装資料として興味深い。
左ページ:見ての通り”制帽の被り方”のページである。左がダメで右がヨシ!。 実際には前のページに側方から見た絵もあり、”あみだ”に被ったり”斜め被り”は禁止されている。

右ページ:こちらはヘルメットの被り方のページだが、これも右の様に目深に被る様 規定している。
ここで興味深いのは、前のページに M35スチールヘルメットのライナーとは違い、50cmから60cm迄5mm毎にサイズがあった事が書かれている事だ。
因みにこの後に採用されたM35スチールヘルメットのライナーサイズ(M31ライナー) は、52cmから63cmで、1cm毎に変更される。

 

 
左ページ:陸軍の軍装の解説。
代表的な旗、軍装と徽章及び全階級章、専門職章、スワローネスト(肩飾り)、飾緒等が図 解で説明されていて、この裏側には兵科色等の解説も掲載されている。

右ページ:敬礼に付いての解説。
敬礼の起源は、騎士が甲冑の面を上げて、相手に顔を見せるのが始まりとされているが、こ こではヘッドギアが無い場合には左の様に右腕を斜め前に挙げる敬礼を、ヘッドギアがある場合は通常の敬礼をすると規定している。1944年7月20日のヒ トラー暗殺未遂事件以降、国防軍の敬礼が変更されたと言うのは有名な話だが、実際に変更されたのは、ヘッドギア着用時の敬礼だったという事なのだろう。

 

 
左ページ:毛布の畳み方と背嚢への取付方の説明。
なんと毛布は3人がかりで丸める様図解されている(このコンテンツのバナー参照)。
イラストは34年型略帽、連隊番号入り角型肩章、当時としてはまだ新しい国家鷲章等、 1935年当時の服装の特徴を良く捉えていて、見るだけでも楽しめる。

右ページ:これは被服の手入れに付いての説明。ウール製野戦服は洗濯を繰り返すと 痛むので、図の様に”はたき”で叩いて汚れを落とす様解説されている。
この図の中の”はたき”は良く”ドイツ軍のムチ”として紹介されているが(笑)これは間 違いである。

 

 
左ページ:兵舎のクローゼットの整理の仕方の解説。
クローゼットには個人の被服・装備等が全て収納出来るようになっており、収納方法は年代 により装備等も更新された為、それに応じて変更された。

右ページ:こちらは馬毛背嚢の中身とその収納の解説。
当時下の背嚢は新型で、収納物も詳しく解説されている。シャツや下着と靴下、裁縫道具等 の小物や小銃のクリーニングキット等を入れた袋、携帯口糧に靴、そして飯盒、ツェルトバーン等が収納され、毛布やコートを廻りに取り付けられる様になって いた。
いわゆる行軍装備と言う物で、日常の物が全て入れられていた。

 

 
   
   
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05.Feb.2000 公開
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