ここではドイツ軍の軍歌集”Das Neue Soldaten Liederbuch”の展示をしています。

   
ここではドイツ軍の軍歌集(兵隊歌集)”Das Neue Soldaten Liederbuch”の展示をしています
   




DAS NEUE SOLDATEN LIEDERBUCH

”Das Neue Soldaten Liederbuch:新兵隊歌集”は、1770年創業で現在も音楽関係の出版社として有名な、Mainz:マインツの”B.Schtt's Söhne社”刊の”兵隊歌集”である。
ドイツのこの手の歌集は、
伝統的な民謡等も収録されいる場合が多く、この歌集の場合もいわゆる軍歌以外に、ド イツ国家や党歌、伝統的な民謡等が掲載されている。
したがって、歌集のタイトル通り”軍歌集”では無く”兵隊歌集”と訳した方が正確だろう。

写真は、ピアノ譜版(302mm X  232mm)と、ポケット版(144mm X  101mm)である。





ポケット版もピアノ譜版も全3巻で、それぞれ表紙の色が異なっている。
写真はポケット版であるが、各々ライトブルーが
第一集ピンク第二集、第三集 はオレンジの表紙。


バリエーション

これは第一集の版違いで、右の表紙には第一集との文字が無く、まだ第二集以降が出版されていなかった頃の物と思われる。

左の表紙には右上に”Heft 1:第一集”とあり、裏表紙には全3巻の宣伝も印刷されている。

2冊とも掲載されている曲目は同じであるが、目次ページ等に若干 の改訂が見られる。


第1集の表表紙と裏表紙

表表紙には”DAS NEUE SOLDATEN LIEDER
BUCH”というタイトルと楽譜付きである事を示す”Textbuch mit Melodien”、更にその下に2部合唱である事を表す ”2 stimmig” の文字が、また欄外、右下には”RM  0.30”: 0.3ライヒスマルク(30ペニヒ)と価格が印刷されている。
一方裏表紙には”B.Schtt's Söhne社”刊の歌集の宣伝が印刷されていて、この歌集 ”Das neue Soldaten-Liederbuch, Band I,II und III je RM. -30” と第1〜第3集が全て0.3ライヒスマルクであるとの宣伝も印刷されている。


新しい方の表表紙を開いたところ

上の写真の歌集の表紙の裏側(左側のページ)には、”B.Schtt's Söhne社”刊の8000曲以上のスコアが各40ペニヒで売られているとの広告が印刷されている。
因みにこの
”B.Schtt's Söhne社”はベートーベンの後期の作品やヴァーグナーの楽譜を出版した由緒ある出版社である。

古い方の表表紙を開いたところ

この表紙の裏側(左側のページ)にも、同社発行の”Alle meine Walzer””Wir spielen Opertten”等のワルツやオペラを含む楽譜や、”Deutsche Heinatlieder”と言った民謡歌集等の広告が掲載されている。

価格は60ペニヒと、80ペニヒの2種類があり、商品番号で注文できるようになっている。

   
戦争映画で使用された名曲
   


Panzerlied:パンツァーリート

映画「BATTLE OF BULGE : バルジ大作戦」の劇中で様々な編曲で使われている曲。特に東部戦線からこの作戦の為に呼び戻されたヘスラー大佐が、地下司令部の中で若い戦車兵と対面した 時、兵に対する不信感を表明したら若い戦車兵がこの歌を歌い出し、すっかりやる気になったシーンはあまりにも有名。

曲名の【Panzerlied】は、「戦車隊の歌」と訳されているが、実際には前線よりも、後方の訓練部隊で良く歌われていたと の事で、その意味では映画の中で、新兵が歌ったのは正しい考証なのかもしれない。

歌詞はヴィーレと言う少尉が1933年に旅行中に作詞した物である。メロディーは「崖の上遠く」という民謡からとったという物で 別名「ルイスカの歌」としても有名。旋律・歌詞と共に勇ましく、この曲は現在でも様々な歌詞のバリエーションで歌い継がれている。

以前、私が会ったドイツ人などはこの歌の「猥歌バージョン」を歌ってくれたが、旧西ドイツ陸軍時代(戦車部隊)に教わったそうで ある。

この曲は、おそらく日本で最も有名なドイツ軍の軍歌ではないだろうか。



Muss i denn (Abschied):ムシデン

この曲は、映画「Das Boot :Uボート」の劇中、主人公達が乗ったUボート(U-96)が、ドイツ占領下のフランス、ラ・ロシェル港を出航する時に、見送りの軍楽隊が演奏した曲であ る。

曲名のMuss i dennは英語のmust I goにあたるシュヴァーベン地方の方言である。
【Muss i denn】:「私は行かなければならない。」は別名【Abschied】:「別れ」と言うタイトルのついたフォルクスリート(ドイツ民謡)で、楽譜の右上 にもVolksweise(国民的旋律)と注釈が付けてある。この曲は、現在でもドイツの観光地などのビアホール等では歌われている他、日本語の歌詞も付 けられていて、親しまれておりドイツの歌のCDなどにも収録されている。

歌詞は「私は恋人を置いて遠くへ行かなくてはならない。しかし絶対に戻って来る。」といった様な内容だが、あの映画では危険な航 海の見送りのシーンで使われており、悲惨な映画の結末を知っているだけに、出航前夜のドンチャン騒ぎと共に何とも言えぬ複雑な思いがする。

それにしても、ドイツ民謡の多くが歌詞の内容(失恋等)にも関わらず、妙に明るいメロディーが付けられているのが興味深い。
殆どの曲は2拍子で演奏すれば、即 行進曲になってしまう。



Westerwaltlied:ヴェスターヴァルトリート

映画「CROSS OF IRON : 戦争のはらわた」の劇中で使われた曲で、序盤にシュタイナー伍長の指揮する小隊が、マイアー中尉の誕生日を祝って「長寿を祝う歌」(Hoch soll er Leben)を歌った後、誕生祝いのケーキを前にしたカーンが、戦闘中に誕生日を祝っている場合では無いと、その場の雰囲気をぶち壊し、クルーガーが止め に入り、シュタイナーが飲み直そうと提案した後にクルーガーが歌い出したのがこの曲。

この曲も元々はフォルクスリートで現在でも良く知られ歌われている。
(ただし、この歌集の歌詞はJos.Neuhaeuserの
作詞でOriginalveriog von B.Schott's Soehne , Mainzと原書の注釈が入っている。)

ちなみにWesterwaltlied : ヴェスターヴァルトリートとは「西方の森の歌」と言う意味だが、Westerwalt:ヴェスターヴァルトは地名にもなっているので「ヴェスターヴァルト 地方の歌」と言う方が正確かもしれない。
この歌の内容は、美しい森の中での情景を歌った物なだけに、私は殺伐とした「東部戦線」で、「おお、美しい西の森よ・・・」の部分から 歌い出されたこのシーンは、兵士の心情を上手く描き出した名場面だと思っている。

   
   
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