このページでは、グロスドイチュラント師団の徽章を紹介します。
   
はじめに
 
今回は陸軍のエリート師団”グロスドイチュラント”師団の徽章を紹介する。”グロスドイ チュラント”師団がどの様な師団であったかは、既に専門サイト等もあるのでここには敢えて記さないが、陸軍きってのエリート師団独自の徽章を楽しんで頂き たい。
本コンテンツを制作するにあたり、貴重なコレクションを取材させて下さった菊地晟氏・ Pucki氏・えっさい氏・軍装品店クラウゼのオーナー山下氏にこの場で感謝の意を表します。
   
えっさい氏コレクション
 
Pucki 氏コレクション
カフタイトル(アームバンド)
 
カフタイトルはドイツ語では"Aermelbaend"又は” Aermelstreifen”と言う。カフタイトルには部隊名を記した物の他に、アフリカやクレタ、クアラントの様に従軍記章の意味を持つ物もあるが、 部隊名を記した物を付ける事は名誉であり、訓練前の兵には付ける事が許されていなかった。したがって、これらのカフタイトルは部隊で付けられたと言われて いる。(訓練終了後にカフタイトル付きの被服が支給されるので、製造段階で付けたとする説もある。)また、名誉を損なう様な行為が行なわれた場合には、カ フタイトルを剥奪される事があった。
グロスドイチュラント師団は、陸軍の各師団から選抜された兵士達から構成されたエリート 師団であり、このカフタイトルも服を折り畳む時には一番上に来る様に畳む規定があった位重要視されていた。
通常カフタイトルは、右袖の下から15cmの位置に付ける事とされていたが、当時の写真 を見ると必ずしも正確には守られてはいなかった様である。
下士官・兵用カフタイトル
 
グロスドイチュラント師団のカフタイトルには幾つかのバリエーションが存在する。
 
代表的な物としては、初期のグリーン台布にゴシック文字で刺繍されたタイプや、1940 年に採用された黒台布にシルバーグレーの糸で刺繍されたタイプ等である。
 
これは、1939年6月20日採用の、グリーン地にシルバーの糸で織られたBEVOタイ プである。
下士官・兵用カフタイトル
 
ゴシック文字の”グロスドイチュラント”のアップ。
下士官・兵用カフタイトル
 
上のカフタイトルのクローズアップ。
 
この位拡大すると、これがBEVOタイプである事が判るだろう。

 
 
下士官・兵用カフタイトル
 
画像は1940年10月7日に採用された、黒台布にシルバーグレーの糸でジュッタリーン 文字(ドイツの筆記体)で刺繍されたタイプである。
 
画像上の物より更に太い筆記体で刺繍されたタイプ、そして画像下の細い筆記体で刺繍され たタイプ等のバリエーションが作られていた。
 
画像のカフタイトルは2本共黒のウール地の上下に白のテープを縫い付け、その間に師団 名”グロスドイチュラン”の文字が刺繍されている。
 

Pucki 氏コレクション
 
下士官と兵の肩章
 
グロスドイチュラント師団の兵用肩章には、GDの組み文字が兵科色の糸で刺繍されてい た。
 
下士官用肩章にはシルバーのモノグラムもあったが、当時の写真で見ると伍長に関しては刺 繍とモノグラムが混在し(刺繍が多い)、軍曹以上の者はモノグラムの着用者が多かった様である。
 
野戦服などでは、GDの組み文字を刺繍した肩章を付けていない兵士の写真も残っている が、着用率の高さはSS等には比べ物にならない位高かった様である。
 
写真上:GD歩兵科伍長の肩章。
 
写真下:GD歩兵科兵用肩章。
 
兵用肩章
 
これは上の兵用肩章の裏表を撮った画像である。
 
裏側のタブの裏地でもわかる様に、標準的な1940年以前の作りの肩章であるが、肩章本 体の生地のみが36年型野線服に多く使用されているブルーの強いフィールドグレーのウール生地が使われているのが興味深い。
 
下士官用肩章
 
これは上の伍長用肩章の裏表を撮った画像であるが、この肩章のタブにもブルーの強い初期 のフィールドグレーのウール生地が使われている。
 
この2つの肩章共、GDの組み文字刺繍は肩章を組み立てる前の生地の段階で刺繍されてい るが、通常連隊以上の規模の部隊に関する刺繍はこの様に組み立て前に刺繍されていた。
 
ディティール
 
GDの組み文字のクローズアップ。
 
これも極めてフェークの多いアイテムなので、少しディティールのわかる画像をアップして おく。
 
実物でも文字にはバリエーションが存在するが、概してレプリカやフェークは糸の詰り具合 が荒い物が多い様である。

資料提供 クラウゼ
下士官用モノグラム
 
下士官用肩章に付けるモノグラム。
 
これはシルバー製のGDの組み文字のモノグラムで、礼服や外出着等に使用された物。
 
野戦服の場合は通常アルミ製のモノグラムが付けられていたが、戦争後半にはジンク製の物 も作られていた。
 
左側が表面で、右側が裏面であるが、下士官の場合は布製肩章に刺す為に、留め付け用のピ ンの先が尖らせてある。

菊地氏コレクション
下士官用モノグラム
  
このモノグラムは、タミヤニュース等で有名な菊地晟氏所蔵のアイテムであるが、氏が 1970年代に入手された物。
 
終戦間際にGDの練兵場に埋められた物を、戦後その事実を知ったドイツのディーラーが掘 り出した物との事で、表面には若干の腐食があるが、オリジナルを知る上で極めて資料性が高いと言えよう。
 
これは後期のジンク製のモノグラムで、製造当時、表面はアルミシルバーに塗装されてい た。

資料提供 クラウゼ
将校用カフタイトル
 
将校用カフタイトルは、黒いウール台布の上下にアルミシルバーのリボンが縫い付けられて おり、その間にアルミモールでグロスドイチュラントの文字が刺繍されている。
 
将校用カフタイトルにも下士官・兵用同様のバリエーションがあった。
 
着用位置については勤務服の場合、袖口の折り返しの寸法に左右される事もあり、やはり 15cm前後となっていた。
 
将校用カフタイトル
 
上のカフタイトルのクローズアップ。
 
ジュッタリーンの”Grossdeutschland”は1940年の10月に採用され た2番目のパターンである。
 
将校用カフタイトル
 
上のカフタイトルのクローズアップ。
 
この位拡大すると、これがモール刺繍である事が判るだろう。

 
菊地氏コレクション
将校用モノグラム
 
このモノグラムも練兵場から掘り出された物であるが、将校用なので真鍮で作られている。
 
左側が表面で、右側が裏面であるが、裏側の留め付け用のピンの先端が尖っていないのに注 意。
 
これは将校用の場合、モール製肩章に差し込むので、先を尖らせる必要が無い為である。
 
尚、これらのモノグラムは通常薄い金属板をプレスして作ってあり、鋳造製の物は余程の自 信が無い限り手を出さない方が無難である。
    
   
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08.Oct.2001 公開
27.Feb.2002 改訂
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