このページでは、戦記とタバコ・当時のR6 と新聞広告等を紹介します。
   
 
はじめに

今回はタバコをキーワードに、当時のアイテムと戦記の中の記述を紹介する。自分な りの考察がかなり含まれている為、資料性は低くなった可能性はあるが、逆にただパッケージを沢山並べたコンテンツよりは面白くなったのではないかと思って いる。
本コンテンツを制作するにあたり、貴重なコレクションを取材させて下さった H.TAMURA氏に、この場であらためて感謝の意を表します。
 

   
 
タバコについて

タバコと一口に言っても、使われる葉の種類によってかなり違う物になる。
現在日本で作られているタバコの葉はヴァージニアが原産の物、他に有名なのがトルコ葉 で、現在日本では販売されていないが、ジャズミュージシャンが御用達にしていた「ゲルベゾルテ」(ドイツのタバコであった。)がこのトルコ葉のタバコで あった。高校時代のとある先生によると、かのロンメル元帥もゲルベゾルテを愛煙していたとか・・・。もう一つ忘れてはいけないのが”黒タバコ”。古い洋画 ファンなら一度は見た事のある小道具の「ゴロワーズ」や「ジタン」は黒タバコと分類されるそうだ。

タバコと兵隊

各国の軍隊でもタバコは支給されており、多くの若者が軍隊に入ってタバコの味を覚 えたと言う事があったそうである。ある旧軍の方の話では、軍隊で支給するタバコは嗜好品としての目的以外に、止血剤の役割があったそうだ。これはニコチン が体内に入ると血管が収縮するからで、旧軍では緊急の場合傷口に直にタバコの葉を当てたと言う話も聞いた事がある。
また、戦争映画でもタバコは様々な小道具として登場する。有名なのは「レマゲン鉄橋」に 出てくる総統から貰った金のシガレットケースに入ったタバコだろう。そう言えば、あのタバコも断面が楕円形に巻かれたトルコ葉のタバコの様であった。

タバコの産地と当時のドイツのタバコの関係

当時のドイツではタバコの葉もかなりの部分が輸入に異存していたという事を読んだ 事がある。
こうした観点で当時のドイツタバコを見ると、現在は高級品と言われるトルコ葉のタバコが 非常に多い事に気がつくが、これはトルコ以外には、エジプトなどの地中海沿岸諸国がこのトルコ葉の産地である事に深く関係しているものと思われる。現在ド イツで売られているタバコで、このトルコ葉を使用しているのは「フィナス」と言う一名柄のみで、その葉はエジプトで作られている。
エジプトと言えば、当時のタバコの巻紙を「雑嚢の中身のコンテンツ」で紹介したが、これ の商品名がズバリ「ピラミッド」。しかもこの紙を使ってタバコを巻くと現在の日本のタバコより太めで、「フィナス」の様な伝統的な断面が楕円のタバコに ぴったりな物になる。このタバコの巻き方に関しては、古いタバコ巻き器の関係で別に中身の葉っぱとは関係無いとは思うが、現在世界で売られているトルコ葉 のタバコは何故かこの巻き方を未だに採用しており、断面が楕円形になっている。
そう言えばもう一つ、これは余談であるが、アメリカ兵だったかが当時のドイツタバコを 吸って、「ドイツの代用タバコは馬糞で作られている!。」と言ったとか・・・。しかしこれは代用タバコなどでは無く、おそらくは「トルコ葉」の強い臭いが 原因と思われる。

戦記の中のアイテム

映画「Das Boot」の原作に、「ベックのビール」と言うのが出ているが、これはBeck'sと言うビールで、現在も作られている。映画でもこのビールを見る事が出 来るが、これが普通の戦記では固有名詞で書かれていても、「どの様な物か見てみたい!。」という事がよくある。今回は戦記の中のタバコにスポットを当てて 2つのタバコを紹介した。
 

  
戦記と新聞広告とタバコ
   
 
クルト・マイヤーのタバコ

武装SSの中でもエリート師団だったLSSAH(1SSアドルフ・ヒトラー師団) で、装甲偵察大隊を指揮し、後にHJ師団(12SSヒトラーユーゲント)の師団長も務めた、パンツァー・マイヤーこと、クルト・マイヤーの戦記「擲弾兵」 の中で、ロシア軍の中に突っ込んだマイヤーが、時間稼ぎにタバコをロシア兵に配るシーンが描かれている。このタバコは結果的にはマイヤーを救う事になった 訳で、商品名もはっきり「アッテカ」と書かれている。
写真は1942年に発刊された週刊新聞に掲載されている”ATIKAH”の新聞広告。こ の写真を見ても、断面が楕円の両切りタバコで、トルコ葉が使われていた事が判る。広告の背景も、如何にもオリエンタルムードのイラストが描かれていて面白 い。パッケージには、高級タバコであると書いてあるが、マイヤーがこれを好んで吸っていたかについては「擲弾兵」の中には残念ながら書かれていない。
 

 
スィチェフカの第一戦車師団を救ったタバコ

今度はパウル・カレルの「バルバロッサ作戦」から。1941年から1942年にか けての冬期戦、周知の通りドイツ軍はろくな冬期装備も無く、ロシアの「冬将軍」に散々な目にあった訳だが、ヒトラーの死守命令で壊滅は避けられた。
1942年1月の中央軍集団、ルジェフの第9軍、スィチェフカの第一戦車師団戦区での 話。
鉄道駅まで進出したロシア軍は、ドイツ軍の補給物資の略奪に気を取られ、弱体化した第一 戦車師団の弱小兵力に駅を奮回された。この時の物資の記述の中に、缶詰・ヘネシーのブランディー・クッキーと共にこの”R6”と言うタバコが含まれてる。
 

 
  
R6

”REEMTSMA社”のタバコで、第二次世界大戦当時はトルコ葉の両切りタバコ だったが、戦後はバージニア葉を使ったフィルター付きタバコになった。なお”バルバロッサ作戦”の中で、ロシア兵はこのタバコを「な、すげェかおりだ『プ ラウダ』で巻いたマホルカとはちがわァ。インクくさくねえ。」と、このタバコを絶賛している。因みにこの ”REEMTSMA社”は戦後”ゲルベゾルテ”と言うトルコ葉の両切りタバコを輸出しており、日本にも輸入されていた時期がある。
写真左:パッケージの封印紙には、国家鷲章が刻印されている。

 
 
タバコ・ライター・マッチ

写真左上が”軍用ライター”、その下が”マッチ”で、ライターの右が”ECHT ORIENT”(生粋の東洋もしくは近東とでも訳すのだろうか?)で20本入りパッケージ、更にその下が、”R6”の10本入りパッケージである。
当時のタバコはまだまだ沢山の種類があり、パケージのデザインを見ているだけでも楽しい ので、これだけでも充分コレクションするには面白いアイテムかもしれないが、中には”カビ”ていたり”虫”が湧いている場合があるので、間違っても吸うこ とはやめた方が良い(笑)。

 
 
軍用オイルライター
 
アルミで作られた、極めて簡単な作りのオイルライターで、形が弾丸に似ている事から”弾 丸ライター”などとも呼ばれている。他に実際の薬キョウを使って作られた物やベークライト製の物もあった。
 H.TAMURA氏コレクション
ライターオイル
 
これは、オイルライター用のオイルのパッケージである。パッケージの”FEUER TEUFEL”は、火の悪魔といった意味である。
 
 
ライターオイル
 
パッケージの中には、この様にガラス製のアンプルに入れられたライターオイルが、5本入れられている。
 H.TAMURA氏コレクション
ライターの石と芯
 
これはオイルライター用の石と芯のパッケージである。
ライターの石と芯
 
パッケージの中には、この様に石と芯が入れられている。
 
マッチ
 
これは別に軍用と言うわけでは無い”只のマッチ”だがラベルのデザインが面白い。
騎士の絵の下に”ROLAND”とあるが、これはカール大帝に仕えた英雄の名前である。 もしかすると、「中世の英雄シリーズ」の一つかもしれない?。
あと、マッチに関する話では、前線では「一本のマッチで2人までしかタバコに火をつける な!。」と言う習慣になっていたと聞いた事がある。
これは第一次世界大戦の塹壕戦の時の教訓で、夜間などでは、マッチで一人目のタバコに火 をつけた時に発見され、二人目で照準され、三人目が撃たれるタイミングだからだそうだ。
   
   
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21.Jan.2000 公開
15.Jan.2004 改訂
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