このページでは、ベークライト製グリップ付きのKar98用銃剣: Seitengewehrを紹介する。 |
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ベークライト製グリップ付きのKar98用銃剣:Seitengewehr mit bakelit Griffschalbeは、1937年に採用され、1944年にベークライト不足に陥るまで生産されていた。基 本的な形状に付いては、”木製 グリップ付きの銃剣”のコンテンツで既に紹介したので、詳細はそちらを参照されたい。 上の写真の銃剣は、Solingenにあった、当時のドイツにおいて最大の銃剣メーカー”E&F Hoerster”社製の製品である。(なお、実際にはこの銃剣は刀身がカットされているが、画像処理ソフトで復元してある。) |
この銃剣の刀身基部には、その製造メーカー名である”E&F Hoerster”の文字が打刻されている。 銃剣のメーカー表記は時期によって異なるが、同社製の場合は、1934年〜37年の間は”S/155”、1937年〜40/41年は” E&F Hoerster”、更に1940/41年以降は”asw”と打刻されていた。更に1944年からは”sgx”と言うコードも使用された。 |
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こちら側には、シリアルナンバー”786 h”が打刻されている。これは、この年に生産された80778本目の銃剣である事を示している。 シリアルナンバーの計算は、”木製グリップ付きの銃剣”のコン テンツでも紹介した様に、9999×8+786=80778となる。 |
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鍔の上面は、小銃の銃身に合わせてこの様に窪みの付いた形に作られている。 |
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ディティール 鍔に打たれたヴァッフェンアムトの刻印。 ”WaA253”は1939年の時点では”E.u.F.Hoerster”社の検査官番号である。 |
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上方より見た、刀身の基部と鍔、グリップ部。 |
刀身基部、峰に打刻されている製造年の刻印。この”39”は1939年製を示している。因みにこの銃剣のメーカー” E.u.F.Hoerster”社は、この1939年に約27万本の銃剣を生産していた。 |
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側方より見た、グリップと、つか頭部。 ベークライト製グリップは、この様に滑り止めの筋がモールドされているのが特徴である。 |
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ベークライト製グリップのクローズアップ。 ベークライトは、石灰酸とホルマリンから作る合成樹脂で、石油を使わずに作れる事から、当時のドイツでは様々な工業製品に使われてい た。 |
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着剣部のクローズアップ。この部分に小銃の着剣装置とクリーニングロッドの先端部が入る。 |
ストッパーボタンを押した状態。 銃剣を小銃から外す時には、このボタンを押しながら引き抜いて外す。下側にロックーパーツが出ているのに注意。 |
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小銃(Kar98k)の着剣装置。 銃身の下にある、レール状のパーツが着剣装置で、下側の切り欠き部に銃剣のロックパーツが入る仕組になっている。 |
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つか頭のクローズアップ。 つか頭には、前述の様に上面に着剣装置用の溝切り加工が施されている他、ストッパー機構も備えられている。 |
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つか頭に打たれたヴァッフェンアムトの刻印。 この鷲のマークは、戦前から陸軍兵器局で使われていた古いタイプで、”WaA253”は1939年の時点では” E.u.F.Horster”社の検査官番号である。この様に2つ同じ刻印が打たれているのは、各検査項目毎に打刻された為と言われている。 |
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