このページでは、木製グリップ付きのKar98用銃剣:Seitengewehrを紹介 する。木製グリップ付きの銃剣は、前ページでも述べた様に 1934年から1937年まで作られ、その後1944年までは主にベークライト製グリップの銃剣が生産され、更に1944年からは再び木製グリップ付きの 銃剣が生産されていた。この1944年以降に生産された木製グリップはやや赤味の強いグリップが使用されていたり、グリップがボルト・ナットでは無くリ ベット留めの物もあった。この様なバリエーションに付いては、またの機会に紹介したい。 |
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写真上:”鞘:Stahlblechscheide”に入れた状態のKar98用銃剣。こ の銃剣は剣と鞘がマッチングでは無く、剣が”E.u.F.Hoerster社”製?、鞘は”W.K.C.Waffenfabrik GmbH”製である。剣と鞘はメーカーが異なっていても互換性があり、この様に納める事が出来るが、本来は同一メーカーで作られ、同じシリアルナンバーが 打たれている。 写真下:鞘から抜いた状態の銃剣と鞘。日本では銃剣はこの様に刀身はカットされて輸入される。 |
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銃剣の”刀身:Klinge”の先端部。 銃剣の刀身には、刃は付けられていないが、先端部のみ鋭く、これが切る目的では無く、刺す事を目的としている剣である事が判る。 |
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刀身の断面。この銃剣は先端がカットされているので、断面形状を見る事が出来る。銃剣の刀身には、刺した後に抜きやすい様に”溝: Hohlekehle”が設けられている。 |
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刀身の基部と”鍔:Parierstange”の形状。 銃剣の刀身、鍔、グリップ部からつか頭は、一体成形で作られている。 |
鍔に打たれたヴァッフェンアムトの刻印。 この鷲のマークは、戦前から陸軍兵器局で使われていた古いタイプである。”WaA253”と打たれているが、この検査官番号は、銃剣 メーカーとしてはドイツ最大の”E.u.F.Hoerster”社でも使われていたが、この銃剣の製造年が確定出来ないので、確証は無い。 |
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刀身基部、鍔の側面形状。 刃も溝も、この様に刀身の基部で終わっている。また、鍔の上面は小銃の銃身形状に合わせた窪みが設けられている。 |
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各方向より見た、”グリップ:Griffschalbe”と、”つか頭:Haltestift”部。 グリップ部前端に穴が空けられているが、これはクリーニングロッドが入る溝とつながっている。多少の異物が溝に入っていても、着剣出来 る様にする為の工夫である また、グリップ部を上から見るとフラッシュガードと言うパーツが付けられているのがわかる。これは銃剣をハンマー代わりに使う時に打ち つける部分でもあるので、無数の傷が付いている。 つか頭を上から見ると、小銃の着剣装置を入れる溝がある。実際にはクリーニングロッドが入る仕掛けもあるのだが、それは後で改めて紹介 する。 |
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つか頭のクローズアップ。 つか頭には、前述の様に小銃の着剣装置を入れる溝が切ってある他、スプリングを内蔵したストッパーボタンが付けられている。写真上の丸 いパーツがストッパーボタンで、銃剣を小銃から外す際に押す様に作られている。 写真下は反対側を写した画像であるが、ストッパーボタンの反対側にストッパーパーツが見える。 また、このつか頭には”E 194”の刻印が打刻されているが、これがこの銃剣のシリアルナンバーで、”0”から始まり、”9999”の次からはアルファベットを付け、” A0〜A9999”、更に”B0〜B9999”となるので、”E 194”は9999×5+194=”50189”を表している。 |
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つか頭のクローズアップ。 この片側に丸みの付いた長方形の物が、ストッパーパーツである。また、つか頭の先端には、ヴァッフェンアムトの刻印が打刻されている。 |
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つか頭に打刻されたヴァッフェンアムトのクローズアップ。 こちらに打たれている鷲のマークは新型で、二次戦中の兵器に通常打たれている物である。 この様に2つ同じ刻印が打たれているのは、各検査項目毎に打刻された為と言われている。 |
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着剣部のクローズアップ。この部分に小銃の着剣装置とクリーニングロッドの先端部が入る。 |
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