ここでは、Waffen-SSのA・Bパターンのツェル トバーンの展示をしています。
   
はじめに
 
Waffen-SS:武装親衛隊が独自の迷彩装備を導入した事については、以前「W- SSの迷彩装備」のコンテンツで解説したが、今回はW-SSのZeltbahn:ツェルトバーン(迷彩ポンチョ)を紹介する。
実際には試作と思われる物を含めると、かなりの数のバリエーションがあり、その全貌を収 集・紹介する事はとても出来ないので、あくまで量産タイプの概要という事で理解してもらいたい。
W-SSでは、当初国防軍のZeltbahnを使用していたが、1936年からテスト使 用が始められ、1938年には量産が始められた 。その後ドイツに2カ所、占領地に1カ所の3工場で1944年迄生産され続けた。
W-SSのZeltbahnは、作りの種類は1型から3型迄あり、迷彩パターンに関して は基本的な物だけでも、AパターンとBパターンが、それぞれ迷彩番号1番から6番(ただし5番と6番は2種類あり)、Dパターン・Eパターン・Fパターン (おのおのバリエーションがある)と多岐に亘る。今回のコンテンツでは、迷彩番号のあるAパターンとBパターンについて、迷彩パターンを中心に取り上げる 事にした。ツェルトバーンの型式に関しては「国防軍のツェルトバーン」のコンテンツで既に紹介したので、そちらを参照してもらいたい。今回のコンテンツで 例に使用したツェルトバーンは、裁断線等を無視してあったり左右がミスマッチの物が多いが、こうしたアイテムからはかえって面白い情報が得られる事が多 い。他のパターン及び事項についてはまた別の機会に紹介する事にする。
   
 
 
 
迷彩番号1番A・Bパターン(春・夏側)
 
これは迷彩番号1番のツェルトバーンだが、左側が色の濃い陰の部分以外はローラープリン トを使用したBパターンで、右側は全てハンドプリントのAパターンの生地が使用されている。こうして見ると、わざわざ全てをハンドプリントにしたAパター ンがローラープリントを併用したBパターンに比べて特別迷彩効果が高く無い事が理解出来、生産設備さえあればBパターンの方が合理的である事が良く解る。
ただし、実際には全てをローラープリントで生産出来るD・E・Fパターン登場後もAパ ターンは生産され続け、ツェルトバーン自体が生産中止になるまで作られていた。
 
 
 
 
迷彩番号1番A・Bパターン(秋側)
 
SSの迷彩装備の多くの例にならい、ツェルトバーンも春夏側が表になっている。
上の画像を見ると判るように、A・Bパターンはテントを作った時に、陰のパターンが隣の ツェルトバーンとつながるように作られている。しかし、この秋側は画像の様に、縁にパターンのつながりと関係ない生地が使われてしまっている。ただ、実際 には綿の原反は常に不足していた為、迷彩プリントの一部にミスがあった場合は裁断線を無視して生産された事もあり、この隣のツェルトバーンと迷彩パターン があうという凝ったデザインは無視されている事が多々ある。
 
 
 
 
迷彩番号2番Aパターン(春・夏側)
 
これは、ほぼ完全な状態の迷彩番号2番のAパターンのツェルトバーンである。自然界の中 では、同じパターンの繰り返しや、直線的なデザインは迷彩効果が低いという発想で多くのパターンを開発したのだが、実際にはツェルトバーン自体の迷彩色は ロットによりかなり異なっており、使用による退色もあったので、隣のツェルトバーンとパターンがあうという事にどれだけの意味があったかは疑問もある。
 
しかし、後世の我々コレクターを魅了し、悩ませる効果は絶大の物がある事だけは確かのよ うだ(笑)。
 
 
 
 
迷彩番号3・4番Bパターン(春・夏側)
 
このツェルトバーンは本来の裁断線を無視して作られている為、迷彩番号3番と4番が混在 してしまっている。画像の左側半分を見ると、上下にパターンの切れている部分があるのがわかると思うが、上が3番で、下が4番のパターンになっている。ま た、通常左右別パターンの迷彩生地を縫い合わせて作るのだが、このツェルトバーンは右半分も左用のパターンの生地を上下逆さまにして使用しているのが興味 深い。こういったツェルトバーンは、普通に作られた物では見る事の出来ない迷彩パターンのつなぎ目や、裁断線等を見る事が出来、完全品ではわかりにくい裁 断線の意味が良く理解出来る。
 
 
 
 
迷彩番号6番Aパターン(春・夏側)
 
これは迷彩番号がプリントされていない6番のパターンのツェルトバーンである。
迷彩番号がプリントされていない理由はわからないが、迷彩番号5番と6番にこの様に番号 がプリントされていない物が確認されている。こうして見ると、迷彩番号1番から4番の物と比べると、細かい斑点状のパターンが目立つ。このツェルトバーン も左右の迷彩パターンが同じで、陰のパターンがつながる様にには作られていない。しかも、通常のA・Bパターンは、裏表のパターンの位置が正確にあわせて あるのだが、このツェルトバーンに関してはパターンの位置あわせは無視されている。これは私見だが、迷彩パターンが細かい斑点状の場合は、テントにした時 に隣のツェルトバーンとの柄合わせがあまり必要無かった為に、この様に番号をプリントする事を廃止した物が作られたのではないかと考えている。
 
 
 
迷彩番号6番Aパターン(秋側)
 
これは迷彩番号のプリントされている6番Aパターンのツェルトバーンだが、やはり左右は ミスマッチで、パターンあわせは守られていない。また、縁取りに使われている生地は各迷彩のジョイント部で、陰の部分が直線的にプリントされている。これ も先に述べたが、迷彩番号5番と6番はそれぞれ2種類のパターンの存在が確認されているが、上の画像とこの画像はパターン違いの6番である。
 
迷彩パターンのプリントについて
 
迷彩パターンはテントにした時に、隣同士の陰のパターンがつながる様に作られている事は 先に述べたが、この様に逆さまにしてもパターンがつながるように作られていた。これは、大型テントを作る時の配慮でもあるが、迷彩番号3・4番Bパターン のツェルトバーンの存在で証明されている様に、原反の状態では1番と2番・3番と4番・5番と6番の左右6種類の版でプリントされていた事を表していると 思われる。当時の綿の原反幅に関しては種類も複数あり、諸説があるところではあるが、作業性から考えると、画像の1aと2aで一枚の版といった感じで生産 していたと考えられる。これは左右で色調が異なるツェルトバーンも数多く存在する事や、左右で迷彩番号が異なる物も存在する事の説明にもなっていると思 う。
 
   
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19.Apr.2000 公開
  
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