ここでは、国防軍のスプリンターパターンのツェルトバー ンを展示しています。
   
ツェルトバーン31:Zeltbahn31:31年型テント布

名前を見て解るようにテント機材の一つとして、1892年型テントロープ・ 1901年型木製テントポール・1929年型テント用ペグ等と共に使用する、野戦用個人装備のテントパーツとして開発された。
三角形の綿布製で底辺が2.5m。他の2辺は2m、高さは1.9mあり、テント以外に簡 易雨具として使用する時の為、センターにスリットが設けられている。
4枚をボタンでつなぎ合わせる事で小型テントを作る事が出来る他、つなぎ合わせる枚数を 増やす事で大型テントを作る事も出来る様になっている。また、1枚で簡易雨具(ポンチョ)として使用出来るほか、風除け・日除け・渡河時の浮き・簡易担 架・埋葬時の梱包用と様々な使い方の出来る装備であった。
1931年の採用時にはライトグレー単色で作られたが、翌32年にリバーシブルのスプリ ンター迷彩布製の物が採用になり、以後若干のマイナーチェンジはあったが終戦迄生産使用された。

   
ツェルトバーン(迷彩ポンチョ)Zeltbahn
   
 

 
春夏側迷彩パターン

いわゆるスプリンターパターンと呼ばれている迷彩パターンで、1932年に採用さ れ多少のバリエーションはあるが、基本的変更は無く終戦まで使用され続けた。降下猟兵のスモックのパターンとは一見似ているが、パターンの大きさ、形状共 に別物で被服用のパターンの方が小さいパターンで作られている。
この写真のツェルトバーンは割とコンディションが良い物ではあるが、1940年までの地 の色が濃い物の為、迷彩パターンがはっきりしない。この色に関しては1941年より色の変更がなされ、より迷彩パターンがはっきりする様になっている。

 

 
 
秋冬側迷彩パターン

上のツェルトバーンの裏側。上の面より地の色が褐色系にプリントされている。相対 的に秋冬側としたが、実際にはより目立たない方を使用したという事だろう。
作りとしては、この面に補強布が縫い付けられており、裏側という感じは否めない。またこ ちら側の地の色は個体差が少なく、程度の差はある物の、割と一定の範囲の中で作られていた可能性がある。こうして見ると、センターを境に迷彩パターンが上 下逆さまになるように作られているのが解るが、極力同じパターンの繰り返しを避けて迷彩効果を向上させる工夫である。
 

製造メーカースタンプ

国防軍のツェルトバーンの場合はかなり多くの工場で生産されていた為、様々な物を 見る事が出来るがメーカー名は、秋冬側の左下にスタンプされている。一番上のgks 1940 の様にメーカーコードと製造年がスタンプされている物や下の2枚の様にRB.Nrがスタンプされている物もある。
また、SSのツェルトも作っていたWalter Reichrt社の様に、右側にもスタンプを押した物もある。このスタンプについてはSSのツェルトバーンのコンテンツで紹介する。
これらのスタンプには製造年が含まれている場合があり、生地や作りの変遷と合わせて観察 すると面白い。

後期型迷彩ツェルトバーン

これは1943年より終戦迄生産された後期型と呼ばれる物で、端部のロープ用ハト メが1コに省略されているのが特徴である。また、写真の物は端部が継ぎ接ぎで作られているのが判るが、これは工程が増えても規格の違う原反も利用せざるお えなかった状況を表す物として興味深い。(3型でも2型迄と同様に端部が継ぎ接ぎ無しで作られている物が標準。)
更に、このツェルトバーンでは所々にLWグレーのシャツのパーツで補修がされており、空 軍で使用されていた可能性を感じさせる。
写真のブルーグレーの生地は空軍のシャツの袖口を切って縫い付けた物で、縫い方も含めて 判断すると前線での修理がどの様な物だったかが解り面白い。

2型迷彩ツェルトバーン

これは1940年より作られた(資料によっては1941年とする物もあるが、この ツェルトバーンには生産年を表す1940のスタンプがある)2型のツェルトバーン。
2型では三角形の底辺を除く他の2辺中央部にあったロープを通す小型のハトメが省略され ている。
これが更に3型になると写真に写っているロープ用ハトメ(2コずつ並んでいる)が1コに 変更される。
なお1型は1932年から1941年頃迄生産され、2型も1940年から1944年迄生 産された。

頂部のハトメ

これはテント用ポールの先端を差し込む為の金具で、写真の物はアルミ製である。
右が春夏側、左が秋冬側であるが、秋冬側は縁取りを補強されている他に、ハトメ部分に三 角形の補強布が取り付けられている。
テントに組み立てた場合、テント頂部のハトメからテントポールの先端が出た状態では、雨 を完全に防ぐ事が出来ない為、スチールヘルメットを被せてカバー代わりに使用していた例を写真等で見る事が出来る。
またツェルトバーンどうしをつなげる為のボタンも最上部のピッチが他より狭くなっている が、やはりここに力がかかる為の対策と思われる。

テントロープ用ハトメ

これは底辺のセンター部分の写真であるが、これを見ても上の春夏側では無く、下の 秋冬側に補強布が取り付けられている事が判る。
このロープはテントの裾がめくれ上がらない為のペグを使用する為の物である。
底辺にも拘わらずボタンホールが付けられているのは、ポンチョとして着用したりした場合 に裾を止める時に使用したり、グランドシートと固定する為である。
上の方で説明したが、3型ツェルトバーンでは、このハトメも1コに変更されている。

ポンチョ用スリット

ちょっと解りにくい写真だが、ここには2枚のツェルトバーンが写っている。
右が通常の状態で、スリットカバーの部分にロットの違う端切れが使用されているのが解 る。
また、左に縦になっている方が、カバーをめくった状態で、中にボタンで留めたフラップが 写っている。
良く見るとボタンの左に裏側のボタンを付けている糸が見えている。
この部分は端切れで作られる為、ロット違いの生地が使われているケースが多く、洗濯回数 が同じでも色に変化がある事が解るので面白い。

ポンチョ用スリット

これは中にあるボタンを外した状態を示している。
ここの部分の作りは裏側も同様に作られていて、テントとして使用した場合に、風雨の侵入 を防ぐ様に工夫されている。
したがってポンチョとして着用する場合には裏表の2ケのボタンを外す必要がある。
裏表から千鳥式にボタンホールの付いたフラップと更にカバーが付けられている為、この部 分は4層構造、8枚の布が重なった作りになっている。

   
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本サイトに掲載されている文章及び画像の 無断転載はお断りします。Copyright  1999  STEINER

16.Jul.1999 公開
21.Jul.1999 改定
01.Jul.2001 改定
  
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