前ページに引き続き、MP-38 u.40の後期型マガジンポーチを紹介する。本コンテンツを制作するにあたり、貴重なアイテムを取材させて下さったフライングフォートレスの山田氏に、こ の場であらためて感謝の意を表します。 |
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取材協力:フライングフォートレス |
このマガジンポーチは、前ページで紹介した後期型ポーチと同じメーカーが、やはり 1943年に生産したポーチであるが、素材と作りが異なるバリエーションである。前述の様に、マガジンポーチの裏側には2本のウエストベルトを通す為の革 製ループと、サスペンダーに引っ掛ける為のDリング付きベルトが付けられている。ベルトループに角度が付いているのは、マガジンを抜きやすくする為の設計 である。 |
取材協力:フライングフォートレス |
これはマガジンローダー用ポケットの付いた、左側のマガジンポーチの画像である。前ペー ジのマガジンポーチがオリーブグリーンのコットン製だったのに対し、このポーチはタンのコットンで作られている。この色の違いは熱帯用とか、冬期用等の意 味では無く、1943年頃から本格的に実施された素材等の統一規格化によるものとされている。したがって、オリーブグリーンの方が時期的には古く、タンの 方が新しい物となるが、オリーブグリーンの生地の在庫はそのまま使用され続けたので、今回のコンテンツで示している様に、同一メーカー、同年製造のマガジ ンポーチでも、オリーブグリーンとタンの2種類が混在する事となった。 |
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これはローダー用ポケットの付いた、左側のマガジンポーチの蓋を開けた状態である。 MP-38/40用のマガジンポーチの蓋は、小銃用弾薬盒も含めて他のマガジンポーチ同 様、革製ベルトのホールと金具で留め付ける方式を採用している。この方法はベルトバックル方式より脱着が簡単で生産性も良いが、このマガジンポーチでは、 大きなホールのある革製ベルトにテンションが掛かっている為、ホールの部分でベルトが切れやすいと言う欠点もあった。 |
これは右側のマガジンポーチの裏側に付けられている、ウエストベルト用ループである。2 本あるループには、このマガジンポーチがMP-38/40用である事を示す、”MP 38 u. 40”の刻印があり、中央寄りのループにはヴァッフェンアムトも打刻されている。 |
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中央寄りのベルトループのクローズアップ。 ”MP38 u. 40”の刻印の上にヴァッフェンアムト” WaA B66”の刻印が確認出来る。 |
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マガジンローダー用ポケットのクローズアップ。 このマガジンポーチのローダー用ポケットの蓋は、本体同様ベルトと金具で留める方式と なっており、前ページの物より凝った作りになっている。 |
蓋の留め付けベルト用金具とベルトループ。 金具はこの様に革製パーツを被せて縫い付けてある。 |
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上の画像のクローズアップ。 こうして見ると金具固定用の革製パーツのみに、茶革が使われているが、これには深い意味 は無いと思われる。 また、Dリング部はカシメ留めになっている。 |
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Dリング付きベルト自体は、本体に縫い付けられている。また、この画像ではDリング部の カシメ金具の裏側が見えている。 |
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左側マガジンポーチのウエストベルト用ループの刻印。2本あるベルトループの中央寄りの方には、メーカーコード、ヴァッフェンアムト、 生産年が打刻されている。 |
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上の刻印のクローズアップ。メーカーコード”clg”はLiegnitz のErnst Melzig社製である事を示しており、中央にはヴァッフェンアムト”WaA B66”が、更にその右に生産年1943年を示す”43”が打刻されている。 |
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もう片方のベルトループの刻印。こちら側には、このマガジンポーチがMP-38/40用 である事を示す、”MP 38 u. 40”の打刻がある。 |
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