ここでは、MP38/40のマガジン・マガジンポーチ・ マガジンローダーの展示をしています。
   
はじめに
 
今回はMP38/40のマガジンポーチを紹介する。
ドイツ軍では第一次大戦の教訓からいち早く短機関銃の開発を始めており、1938年にエ ルマ社のMP38が制式採用された。当初のMP38は生産性も悪く、1939年のポーランド戦後改良型のMP40が採用される。1940年のフランス戦終 了後頃から、下士官及び近接戦闘を任務とする突撃工兵(工兵科の突撃班)等にMP38/40短機関銃(9mm口径のピストル弾を使用したサブマシンガン) を大量に支給した。これは、近代戦の近接戦闘においては、射程距離や命中精度よりも短時間に大量の弾を発射出来、軽くて取り回しの楽な短機関銃が極めて有 効な兵器であった為である。
マガジンポーチはMP38/40の予備のマガジンを携行する為の装備で、サブマシンガン を持つ兵にとっては重要な装備であった。これも生産時期等でバリエーションが多くあるが、このページではポピュラーなコットン製の初期型と後期型を紹介す る。本コンテンツを制作するにあたり、貴重なコレクションを取材させて下さったオータ氏に、この場であらためて感謝の意を表します。
   
装備例
 
写真は初期型のマガジンポーチを装着した、陸軍歩兵科軍曹である。
 

 オータ氏コレクション
MP38/40用マガジンポーチ

これは初期型のマガジンポーチで、吊り下げ金具が上端部にあるのが特長である。
写真右のポーチに付いているポケット状の袋はマガジンローダー(マガジンに弾を装填する 時に使う道具)を入れる為の物。
このポーチはかなり使い込まれた物で、上の写真の様に色も褪色しているが、この写真では 若干色補正をしてある事をお断りしておく。

 

 
マガジンポーチ裏側

マガジンポーチの裏側には、この様にウエストベルトを通す為の革製ループが2本ず つ付けられている。
この様に角度が付いているのは、マガジンを抜きやすい様にと言う設計だが、この初期型で は、吊り下げ金具の位置が上端部だった為、実際に装着すると両脇に寄りすぎる傾向があったため、後に吊り下げ金具の取付位置は変更された。

 

 
新旧のマガジンポーチ

新旧のマガジンポーチの比較。写真左が初期型、右が改良型のマガジンポーチ。
改良型では、吊り下げ金具の取付位置を写真の様に変更されたが、ポーチ自体が上に上がり すぎない様に、Dリングを付けている革製ループも長くなっているのが面白い。
参考までに書いておくが、この2つのポーチは同じ生地で作られている。

 

 
 
新旧のマガジンポーチ

新旧のマガジンポーチの比較。今度は裏側だが、こうして見ると吊り下げ金具の取付 方法の違いが良く解る。
ウエストベルトを通す革製ループには、MP38u.40と製造メーカーコード・兵器局検 印(ヴァッフェンアムト)及び製造年の刻印が打刻されている。改良型の場合メーカーコード”clg”、ヴァッフェンアムト” WaA B66”、 製造年”43”と言う刻印が確認出来る。
 

 

 
MP38/40のマガジンとマガジンポーチ

ここでは簡単に触れるが、マガジンも色々なバリエーションがあり興味深い。写真右 は補強リブの無いマガジンで、そのとなりの物は補強リブがある。このマガジンには32発の9mm弾を入れる事が出来たが、信頼性から30発位が丁度良いと されていた。
写真中央に写っているのが、MP38/40用のマガジンローダー。
写真左はマガジンポーチの蓋を開けたところだが、ポーチはマガジンがぴったり入るサイズ で作られていて、一番上の初弾を押さえつけるような感じで蓋をする為、蓋止めの革ベルトにはかなり負担が掛かっている。

   
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05.Dec.1999 公開
15.Jan.2003 改定
22.Apr.2003 改定
  
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