このページでは、陸軍の下士官・兵用バック ルとベルトを紹介します。
   
はじめに
 
今回は陸軍下士官・兵用のアルミ製と鉄製ベルトバックルとベルトの一部を紹介するが、実 際には数多くのバリエーションが存在していた。
なお、本コンテンツを制作するにあたり貴重なアイテムを貸して下さったクラウゼのオー ナー山下氏と藪崎氏、MG34氏に感謝の意を表します。
  

資料提供:クラウゼ

資料提供:クラウゼ
 
36年型下士官・兵用アルミ製バックル
 
1935年にベルサイユ条約を破棄して生まれた、新生ドイツ国防軍の陸軍が最初に採用したベルトバックルは、ハーケンクロイツを掴んだ デザインの国家鷲章とライヒスヘ−ア時代の鷲章のパーツを交換出来る様、基本設計は踏襲された物であった。
当初のバックルの鷲章は、ライヒスヘ−ア期の鷲章同様、鷲の頭が左を向いたデザインであったが、これは1936年3月の規定による物 で、1937年には鷲の頭の向きは右向きに変更された。
これは、極初期の鷲の頭の向きが左向きのベルトバックルであるが、国家鷲章と”GOTT MIT UNS:神は我等と共に”のスローガン、柏葉のリースの部分が、ベルトバックル本体と別パーツで作られているのが特徴である。
 

資料提供:クラウゼ

資料提供:クラウゼ
 
36年型下士官・兵用アルミ製バックル
 
これも1936年型のベルトバックルであるが、作りが若干異なっている。
初期の規定では、バックルは巾が45mmと40mm用のサイズがあり、無塗装のアルミバックルはパレード軍装、もしくは外出着のみの着 用とされていた。
新型のバックルの導入は1936年1月24日付けの通達(HVBlatt 1936 Nr.114)による物で、古いヴァイマールタイプの在庫は使用し続ける事とされていたが、実際には短期間の使用であったと思われる。
 
36年型下士官・兵用アルミ製バックル
 
バックルにモールドされている”GOTT MIT UNS:神は我等と共に”のスローガンは、ライヒスヘ−ア期の物と同様であるが、鷲章のデザインのみでは無く、月桂樹のリースが柏葉に変更されたのも面白 い。
また、鷲の頭の向きが変更された理由もわかっていないが、胸に付ける国家鷲章とは揃ったものの、むしろデザインがそっくりなヘルメット デカールとは反対向きになっている・・・。
ディティ−ル
 
この36年型バックルは、前述の様に表の柄の丸いパーツが別部品で、裏側でその爪が折り 曲げられているのが特徴である。
こうした作りはライヒスヘ−アと言うより、州毎にデザインが異なっていた初期の警察用 バックルに似ている。
刻印
 
このバックルに打刻されている”A & S”のロゴマークは、Lüdenscheid i. W.のFriedrich W.Assmann & Söhne:アスマン社の刻印である。
アスマン社は、軍及び党組織のベルトバックルも生産しており、RZMのコードも取得して いた。
同社は直線的なデザインのSS下士官・兵用バックルを作っていた事でも有名で、当サイト のSSの下士官・兵用バックルのコンテンツにも同社製品が掲載されている。
  
37年型下士官・兵用アルミ製バックル
 
このバックルはメーカー不詳。製造年は皮タブの刻印から1937年製である事がわかる。 本来は二重の楕円にメーカー名も打刻されていたが、既に判読出来なくなっている。
バックル本体が一体成形になった当初の物であるが、材質が柔らかいアルミ製である為、表 面のモールドはかなり擦り減ってしまっている。
裏側にフィールドグレーの塗料が残っているので、野戦服用であった事がわかる。

 MG34氏コレクション
37年型下士官・兵用アルミ製バックル
 
これも上のバックルと同じ、37年型の下士官・兵用アルミ製バックルである。
ディティール
 
このバックルの裏側にはメーカー名の刻印がモールドされている。
刻印
 
メーカー名”DR.FRANKE & Co KG”のクローズ アップ。
革タブの刻印
 
この革タブにはメーカー名のDR.FRANKE & Co KGと、その所在地Lüdenscheid 、製造年1937の打刻がある。

 
下士官・兵用アルミ製バックル
 
これはLüdenscheid i.W.のFriedrich Linden:リンデン社製のアルミ製バックルである。
これも上のバックル同様、フィールドグレーに塗装された野戦服用のバックルである。
このタイプのバックルもシルバー塗装の施された礼装用が作られていたが、本格的な戦争の 始まった1939年には廃止されている。

 藪崎氏コレクション

 藪崎氏コレクション
下士官・兵用鉄製バックル
 
これは鉄製のベルトバックルで、野戦服用である。
鉄製バックルでは、野戦服のボタンの様な細かい凹凸のモールドは省かれた。
また、基本的にボタンと同色で塗装されていたので、この1941年製のバックルでは上の アルミ製バックルよりは黄色味が強いフィールドグレーに塗られている。

 
ディティ−ル
 
鉄製バックルでは、ベルトの金具受け部が別部品で作られている。
また詳細は後述するが、画像の様にこのバックルにはメーカー名と製造年が打刻されてい る。
刻印
 
このバックルにはDr.F.& Co.と1941の打刻があるが、Lüdenscheid i.W.のDr.Franke & Cie KG:フランケ社で、1941年に生産されたバックルである事を示している。
このフランケ社もRZMコードを取得していた。
革タブ
 
このベルトバックルにも革タブが付けられているが、これはベルトから脱着する時に使用す る為の物と言われている。
 
この革タブには画像の様に、通常メーカー刻印と、製造年が打刻されている。
タブの刻印
 
この革タブにはメーカー名のDR.FRANKE & Co KGと、その所在地Lüdenscheid 、製造年1941の打刻がある。




下士官・兵用鉄製バックル
 
これは、1944年に登場した、パンツァーグラウに塗装された統一規格の鉄製ベルトバックルである。

1942年頃からは、革製タブは省かれたため、このバックルには当然革製タブは付けられていない。


ディティ−ル
 
このバックルは上の画像でも解るように、中央部が膨らんだような形状に成形されている。

各部の寸法を計測すると、
Dr.Franke & Cie KG製の鉄製バックルと殆ど差異が無いのである が、上記の物より膨らみが強く見える。

また、バックルの上下の折り返し部分には、プレス成型時にできたシワがあるが、これがプレス成形の工程を省いた結果か、鋼材の質なのか、はたまたメーカー 固有の特徴なのかは不明である。

刻印
 
このバックルにはメーカー名Noelle & Heuck, K.G.を示すN&Hの刻印と、メーカー所在地Lüdenscheidを表すLの刻印が打刻されている。

このLüdenscheidには数多くのバックルメーカーや、勲 章メーカーがあった。
このコンテンツで紹介しているアスマン、リンデン、フランケ社の他にもOLCのロゴで有 名なオーファーホフ社を含む多くのメーカーが同地にあった。
  
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本サイトに掲載されている文章及び画像の 無断転載はお断りします。Copyright  2002  STEINER

22.Feb.2002 公開
25.May.2003 改定
9.Oct.2010 増補 改 定
  
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