ここではドイツ軍の行軍靴とブーツナイフ (トレンチナイフ)を紹介しています。
   
行軍靴:Marschstiefel
   
はじめに
 
今回は、ドイツ兵の半長靴:行軍靴と戦闘ナイフを紹介する。ドイツ軍というと「長靴」というイメージがあると思うが、実際には将校と下 士官・兵用の物では、材質・作りが異なり、また年代等によるバリエーションも多く存在する。このページでは1939年以降に支給された行軍靴と、戦闘ナイ フを2種掲載する。本コンテンツを制作するにあたり、貴重なコレクションを取材させて下さったPucki氏に、この場であらためて感謝の意を表します。
   
行軍靴:Marschstiefel
 
行軍靴は当初、下士官・兵用の物も膝下までの「長靴」であったのが、1939年の開戦に伴い材料節約の観点から短めの「半長靴」に変更 され、更に後には踝までの「編上靴」に変更された。
これは、1939年以降の下士官・兵用の行軍靴である。
ディティール
 
靴の底以外のパーツは全て黒の厚めの1枚革から作られている。この靴は一般的野戦装備同様、革の表側を内側に使っている。
 

ディティール
 
靴底は厚めの革を積層した物で、踵も10枚以上の革を積層して作られている。
靴はメーカーによって、細かい部分の作りがかなり違うので色々なタイプがある。
ディティール
 
行軍靴は兵達に”サイコロツボ:Knobelbecher”と渾名されて いたが、この角度から見ると確かにその様な雰囲気を感じる。
ディティール

側面に見える縫い目は靴を履く時、引き上げる布製のループを取り付けてある部分。
その上には、サイズや製造年、メーカーコードが刻印されている。

 

 
 
ディティール
 
靴の裏にはこの様に鉄の鋲:ホブネイルが打たれている。これは滑り止めと靴の裏の摩耗を防止する意味があるが、平滑な石貼りの床の上な どでは逆に滑ってしまう。
また、この鉄の鋲が冬の東部戦線では、靴の中を低温にする事となり沢山の兵士が凍傷に悩まされた。
この靴には無いが、つま先に金具がついているタイプもある。
 
  
戦闘ナイフ:Nahkampfmesser
   
 
 
 
戦闘ナイフ:Nahkampfmesser
 
戦闘ナイフは第一次世界大戦時から使われていた個人装備の一つで、ブーツに差し込んで携行される事があるため、「ブーツナイフ」とか 「トレンチナイフ」とも呼ばれている。要は戦闘用のナイフで銃剣が殆ど切れるという意味では刃が付けていないのに対し、このナイフには刃が付けられてい る。刃は写真のように、鋭く尖っていて、ダンボール程度は殆ど抵抗無く刺し貫く事が出来る。
鞘は黒く塗装されており、銃剣と同様に中に板バネが取り付けられていて、刃を挟み込む形に作られていて、逆さまにした程度ではナイフが 抜け落ちる事は無い。またブーツや服に差し込む時の為に鋼のクリップが付けられている。木製のグリップは極めて握りやすく出来ていて、鉄製の丸棒でカシメ て取り付けてあり分解は出来ない。 
 

 

 

 
 
ディテール
 
外観は最近のコンバットナイフとは異なり、果物ナイフ等とさほど変わらないが、あきらかに「刺殺」を目的に作られた、”武器”であるこ とを感じさせる。ただし、このナイフは戦闘時に使用するだけでは無く、前線でパンを切る等の日用品としても使われていた。刃の厚みは銃剣よりかなり薄いの で、溝等の加工は施されていないが、先端の加工は殆ど同じ形をしているのが興味深い。
 
ディテール
 
写真の柄の近くにある刻印はメーカー名でTIGER  SOLINGENと打刻してある。
SOLINGENは地域を表しているので、SOLINGENのTigerwerk Lauterjung & Co.社製という意味である。このTIGER社は党関係のダガー類も生産しており、RZM.コード”M7/68”も取得している。
ディテール
 
この写真は反対側を写した物だが、やはりこちら側にも刻印が打刻してある。
こちら側の刻印はルーン文字の”S”で、このナイフが親衛隊(SS)用である事を示している。
 
 Pucki氏コレクション
 
戦闘ナイフのバリエーション
 
これは他社で作られた戦闘ナイフである。実際には数多くのメーカーで作られていたので、同じ物を見かける事の方が少ないと言っても決し て過言では無いアイテムの一つである。上の物とは鞘本体、鞘のクリップの形状を始め、刃先やブリップの形状等も異なっている。
 

 

 
ディテール
 
このナイフのグリップにはチェッカリングが施され、鞘のクリップも二股となっている。
ディテール
 
鞘に打刻されたR.B.Nrの刻印。この刻印がある事で、このナイフが1942年以降に生産された事がわかる。
ディテール
 
R.B.Nrの刻印のクローズアップ。
”0/0878/0018”がはっきり読める。
ディテール
 
刃にも同様の刻印が打刻されており、鞘とナイフがマッチングである事がわかる。
ディテール
 
R.B.Nrの刻印のクローズアップ。
”0/0878/0018”がはっきり読める。
ディテール
 
これはR.B.Nrの刻印と反対側に打刻されているメーカーロゴである。
おそらくSOLINGENの”Anton Wingen, Jr”社、(RZMコード”M7/51”)のロゴマークと思われるが確証は無い。
  
   
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16.Mar.1999 公開
09.Jan.2003 改定
  
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