このページでは、兵士達が前線で温かい食事を食べる為に使用したストーブを紹介する。こ れらは軍用に作られたと言うよりは、登山用品として元々あった物を軍が採用したのか、軍用として開発された物が登山やキャンプ用品として定着したのかがわ からないが、かなり伝統的な装備であった事は間違いない様である。本コンテンツを制作するにあたり、貴重なコレクションを取材させて下さったPucki氏 とえっさい氏に感謝の意を表します。 |
Pucki氏 コレクション |
各兵士に支給されていた携帯用ストーブ。 固形燃料を使って飯盒等の中身を温めたりお湯を沸かす事が出来た。 戦後も西ドイツ軍で継続使用されており、現在でも極めて良く似た物が生産されている。 写真下左:携行時のエズビットの表面。 写真下右:エズビットの裏面。 |
エズビットはブリキをプレスして作った簡単なストーブであるが、上の2枚の写真の様に全開の状態と、左の写真の様な半開の状態で、上に 乗せる器の大きさに合わせる事が出来る様に作られていた。 側面に丸い突起が3つプレスされているが、これで閉じた状態、半開、全開の各状態に固定出来る。 |
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えっさい氏コレクション |
現用の物と同型のエズビットと、固形燃料のパッケージ。 エズビットには様々な刻印のバリエーションが存在するが、こちらのタイプは戦後の物?とも言われている。 写真の右側に写っているが固形燃料:Esbitの当時のパッケージであるが、こちらの方も写真のタイプと、他に兵士のイラストが描かれ たタイプが作られていた。 現在のエズビットに興味のある方はこちらのエ ズビット社のサイトを御覧下さい。 |
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このストーブは底部に通気口が開けられたタイプのエズビットであるが、やはり全開状態と半開状態に固定出来る様に作られている。 写真上右でわかる様に、このタイプの固形燃料のパッケージはストーブ本体の中に収納出来る大きさに作られている。 固形燃料の方は5個に折って使える様に溝が掘ってあるピースが2個入っている。 パッケージには使用方法とストーブのバリエーションが書かれているが、No9・No18・No3と3種類の絵が描かれている。 因みに軍が採用したのはNo9である。 現在作られている固形燃料は始めから細かいピースに別けて成形されているが、昔の物に比べると厚みは半分程度で、1個だと約7分燃焼す る。 このピース1個で気温25℃の時に飯盒に25℃の水を500cc入れて使用したところ、48℃にまで加熱する事が出来た。 |
Pucki氏 コレクション |
最も一般的なストーブの一つJUWEL 33。 このストーブは食事を温めたり暖房用として使用されていた。燃料はガソリンで、下部のタンクを温めて内圧をかけて使用する一般的ストー ブである。 写真でわかる様に空気取り入れ口の開けられた鉄製カバーに収納出来る様に作られており、燃料を入れる時に使う漏斗と火力調整にも使用す るスパナが付いている。 全高(ケース): 135mm 直径(ケース): 90mm |
写真左:火力調節部に付属のスパナを取付けた状態。 写真下左:実際に使用する時はこの様にカバーをかけた状態で点火する。 写真下:これは上から見た状態であるが、コンロとして使用する場合には、上にのせる器の大きさに応じて鋼製の丸棒で作られた五徳を回転 させる事が出来る。 |
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写真左:この面にはストーブの名称であるJUWEL 33の文字が見える。 写真下左:火力調整部の面には使用燃料種がベンジン(ガソリン)である事が打刻されている。 写真下:燃料注入口脇の面にはメーカーのトレードマーク等が打刻されている。 |
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JUWEL 33には、写真の様なブリキ製工具ケースが付属している。ケースの中には取扱い説明書・火力調節と分解に使用するスパナ・ノズル清掃工具や、予備部品等が 入れられている。 ケースの寸法 縦 : 85mm 横 : 30mm 厚 : 17mm |
ケースの中には予備のパッキングやノズル、ノズル清掃工具と、その代針等も入れられている。 |
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ノズル清掃工具は、写真の下側のアームにノズルをセットして、交換式の清掃用針が付いたアームを下げるだけで、確実にノズルの穴に針が 通せる様に工夫されている。 |
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写真上:JUWEL 33の取扱い説明書。 写真左:裏側に掲載されているアクセサリーパーツ・消耗部品の一覧図。この他に、トーチランプやハンダゴテの広告も掲載されている。 |
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