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水筒本体
水筒ボトル本体は、写真の様にアルミで作られた物と、鉄で作られた物があった。
写真左の二つが0.8Lで右の物が1Lタイプだが、両方とも裏側は写真中央の様に窪んで
いる。
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刻 印
前ページで紹介した1Lタイプのボトルネック部分。
両方ともメーカーを表すW.A.L.のあとに製造年を示す、41と42の刻印が打刻され
ている。
水筒自体の形に関しては、メーカー間で若干の違いがあるが、このネックの部分のネジ山は
規格があった為、キャップは互換性がある。
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水筒本体(0.8L)
これは前述の、鉄で作られた水筒ボトルである。
鉄製の水筒ボトルは、2ピースの本体と、口金のパーツから構成されている。
鉄製の水筒は、くすんだ赤の防錆塗装加工が施されている。
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鉄製水筒
上の水筒ボトルのクローズアップ。
この画像で、ボトルが前後2分割で作られ、口金を被せている構造が理解出来るだろう。 |
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フェルトカバー(0.8L)
写真左が表側、右側が裏側を示す。
フェルトカバーは、四つのスナップで水筒を取り出されように作られており、キャリングス
トラップを通す為の革製ループが前後に縫い付けられている。
キャリングストラップを通す為の革製ループは裏表で
取付高さが変えてあり、裏側の方が高い位置になっている。
これは雑嚢から水筒を下げた時、水筒が必要以上に傾斜する事を防ぐための設計であるが、
記録写真等で、間違えてフェルトカバーを後ろ前に装着している兵士も極希に確認出来る。
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フェルトカバー(0.8L)
写真左が表側、右側が裏側を示す。
これは末期型のカバーで、従来のフェルトでは無く、質の悪い再生ウールで作られている。
基本的な作りは同じであるが、切り口にホツレ止めの縁取りが縫い付けられているのが特徴
である。
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フェルトカバー(0.8L)
上の末期型カバーのクローズアップ。
再生ウールは裏側から見ると、様々な色のウールから作られていた事がわかる。
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フェルトカバー(1L)
写真左が表側、右側が裏側を示す。
このタイプのフェルトカバーの補強に関しては、既に前ページで説明したので省略する。
水筒にフェルトカバーを付けると言うのは、実は山用品では古くから行われていた様で、寒
冷時には保温効果を目的とし、また暑い時はフェルトカバーごと水に濡らすと、気化熱で中の水を冷やす効果があるのだそうだが、冷却効果に関してはドイツ軍
でも行われていたかどうかは判らない。
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キャップ
写真左より、アルミキャップ(1939年製)、プラスチックキャップ(1942年
製)、プラスチックキャップ
(製造年不明)。
キャップはキャリングストラップに金属製のピンで固定されていて、紛失しにくい作りに
なっている。
これらのキャップの中には、オレンジ色のゴム製パッキンが入っており、ボトルネックのと
ころで書いた様に、それぞれ互換性がある様に作られている。
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ナス環
写真左が、初期に作られていたアルミ製の物で、中央が鉄製のナス環。右は鉄製のナ
ス環をサイドより見た画像。
アルミは柔らかい金属の為、肉も厚く、丸みを帯びたデザインになっているが、鉄製の物は
鉄板プレスで作られており、生産性も向上したと思われる。
鉄製のナス環は、ライトグレーやフィールドグレー、オリーブグリーン、パンツァーグラウ
等、様々な色の仕上げの物がある。
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キャリングストラップ
最も標準的な水筒用キャリングストラップ。
15mm巾の黒く染められた革製ベルトに、吊り下げ用のナス環と、水筒のキャップ、雑嚢
に固定するためのベルトを付けた物。
これも細かく見ていくと、革の種類、表面の仕上げ方法、各金具の作り等に様々なバリエー
ションがあり、同じ物を探す方が大変な位だ。この事からも、当時の生産体制が大企業による物では無く、中小企業で作った部品類を集めて組み立てていた様子
が伺える。
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キャリングストラップ
このウェブ製のキャリングストラップは、アフリカ向け装備の一貫として作られた。
アフリカでは革製装備は乾燥して、もろくなってしまう為の措置であるが、雑嚢に取り付け
るストラップの部分のみ革製になっているのは、ウェブ製だと、ホールの周りがほつれやすく、かえって耐久性に問題があった為と思われる。
ナス環とバックル金具はライトグレーに塗装されているが、これも熱帯装備の多くに見られ
る特徴である。ちなみにバックル金具はポンチョ用ストラップに使われている物と同じ物が使用された。
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キャリングストラップ
末期に作られたキャリングストラップ。
ダブルになっている部分を省いて、ストラップを2本に分割している。
ナス環は鉄製で、パンツァーグラウに塗装されているが、もう一本のベルトバックルはアル
ミ製だったり、如何にも末期的なアイテムである。
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コップ
取っ手付きアルミ製コップだが、この取っ手は左右の大きさが変えてあり、写真の様
に折り畳む事が出来るように作られている。
この作りの特徴として、コップの中身が熱くても、取っ手がすぐには熱くならないと言う事
もあったが、生産性はあまり良いとは言えなそうである。
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コップ
写真左:こちらの写真の方が、取っ手の大きさの違いが判りやすい。
また、取っ手の付いた面の反対側には、写真右の様な、キャリングストラップを通す為の金
具が取り付けられている。これら金属製カップは冬期に不用意に口に付けると、唇に貼り付く危険性があった。
なお、前ページで紹介したが、1943年頃からは水筒本体同様に、鉄製の同型のコップが
作られた。
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コップ
ベークライト製カップとアルミ製カップ。
この二種類のコップは、上の取っ手付きカップ(内容量350cc)に比べて内容量が少な
く、黒のベークライト製の物が100cc、アルミ製の物が140ccになっている。
ベークライト製カップは冬期でも安全性が高い反面割れやすいと言う欠点もあったようだ。
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