ドイツ軍の水筒と言っても、用途や材質、製造会社や製造年等の違いで極めてバリエーショ ンが多いアイテムで、細かく見ていくと同じ物に出逢う事が難しい位だが、今回は代表的な物を紹介する事にする。 |
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お馴染みのアルミコップ付き水筒。 |
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上の水筒の裏側。キャリングストラップのナス環が左の物がアルミ製で(1939年
製)なのに、右の物は鉄製に(1943年製)なっているのに注意。 |
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この写真の水筒本体は両方共1939年製でアルミで作られているが、後に鉄製の水
筒も作られた。 |
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この水筒は、私にとっては特別の意味のある物で、元ドイツ兵を父親に持つドイツの
友人から譲り受けた物である。 |
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話がそれたが、この水筒はキャリングストラップもブタ革製で、後から交換された物
の様だ。更にこのストラップのバックル金具は一部壊れており、上の写真で見るとストラップが白っぽくなっているが、これは金具が擦れたキズである。
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この水筒は、上の水筒より一回り大きく、内容量も1Lになっている物で、当初は山
岳部隊用として支給された。 |
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上の写真の裏側を写した物であるが、このタイプのフェルトカバーはこの様に裏側が
補強されているのが興味深い。これはやはりこの面が雑嚢の擦れる為、良く穴が空いたりした為の対策だろう。 |
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この様に同じメーカーの物で製造年が違う物を集めるのも結構面白いが、水筒ばかり
100個以上収集しているコレクターの話によると、現存する1Lタイプの水筒の多くが、1941年から1943年までの期間に作られた物の様である。
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この水筒は、”熱帯用タイプ”と言われている物で、フェルトカバーの代わりに樹脂
で固めた木製のカバーが付けられている。 |
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上の写真の水筒のコップを外したところを示す。 キャリングストラップがボトルネックの部分もベルトで固定出来るように作られてい るのが面白い。 また、この水筒のキャップはベークライトで作られていて、色も茶色になっている が、炎天下のアフリカでは、黒のベークライトや金属製の物は触れない程熱くなった為かもしれない。 上のキャプションで書き忘れたが、この水筒の裏側には写真にも写っている通り、丸 の中にD.R.G.M. H.R.E.41 D.R.P.angmと刻印がプレスされている。 また、コップの方にもH.R.E.45の刻印があるので、同じメーカーの物である
事が確認できる。 |
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この水筒は末期型と分類されるタイプである。 水筒のボトルは鉄製で、カバーは再生ウール製、更にキャリングストラップは2ピースのタ イプが使われている。ストラップにはRB.Nr0/0570/0036の刻印が打刻されており、ナス環はダークグリーンに塗装された鉄製である。コップも 鉄製で、FSS43の打刻入り、表側はオリーブグリーン、内側は錆止めのプライマー処理となっている。 また、再製ウール製のカバーには”Feil”と書かれているが、これは所有者の名前と思 われる。 |
堀内氏コレクション |
前述の様に、山岳部隊では当初から1Lタイプの水筒が採用されていた。 補給が難しく、大容量の水筒が欲しいところであるが、携行性との兼ね合いから大きさが決められたのであろう。 リュックサック等、特殊な装備法に対応するため、この水筒にはウエストベルトに引っ掛けるフックの他に、肩から下げる事が出来るスト ラップが付けられている。 衛生兵もストラップ付き1Lタイプの水筒を採用していたが、これはまた別物であった。 |
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野戦装備において、水筒は通常写真の様に雑嚢に取り付けて携行される。
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ベルトループに革の補強の付いた、初期型雑嚢に装着したコップ付き水筒。
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1942年頃から支給された、中期型雑嚢との水筒。 この水筒の場合は、コップの背が高い為、上の写真のように雑嚢のDリングを見るこ とが出来ない。 写真では便宜上中期型雑嚢と1Lタイプの水筒を組み合わせたが、これは色々ある組 み合わせの一つと理解して頂きたい。雑嚢にしても水筒にしても在庫がある限り支給され続け、使用されていたので、末期に初期型の物を装着している兵士も当 然いる訳で、むしろ初期に後期のアイテムを選択する事だけ注意して欲しい。 |
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