引き続き、31年型雑嚢のストラップと、雑嚢の装備例を紹介する。本コンテンツを制作す るにあたり、貴重なコレクションを貸して下さった薮崎氏に、この場であらためて感謝の意を表します。 |
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薮崎氏コレクション |
このストラップは初期のフィールドグレーコットン製のストラップで、金具類にもアルミ製 の物が使われている。 |
初期型ストラップには、中央部に芯材が入れられていたので、この様にステッチが入っている。 |
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戦前に支給された野戦装備の多くは、所属部隊のスタンプや刻印が施されていた。 写真上は所属部隊印で、陸軍第50架橋工兵連隊、第I大隊、第3中隊を表している。 下はメーカースタンプであるが、判読不能。 |
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これはオリーブグリーンのコットンで作られたストラップで、金具類には鉄製の物が使われ ている。 ストラップの作りにもバリエーションがあり、戦争中後期からは金具取り付け部の革パーツ は先細りしていないタイプに変更され、更に末期には革製パーツを省いたタイプも作られた。 |
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これはヘリンボーンコットン製のストラップである。このストラップは補修されているため、下側の金具は水筒用のナス環が付けられてい る。 |
雑嚢用ストラップは、この様にヘルメットの偽装バンドとして使用される事もあった。 |
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水筒は通常、この様に雑嚢に装着して携行されていた。戦前は雑嚢の左側に付ける様に規定 されていたが、戦争が始まってから右側に付ける様に変更されている。 雑嚢のDリングに水筒のナス環を掛け、装具固定用のループに水筒のキャリングベルトを通 した状態。 |
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さらにキャリングベルトを水筒カバー底部の金具に固定、これで雑嚢と水筒が一体になる。 水筒のフェルトカバーのベルトループは、雑嚢に接する裏側のループの方が高い位置に縫い 付けられていて、水筒がおじぎしない様に工夫されている。 この水筒は、1942年WAL社製:内容量1リッターのタイプでコップは黒のプラスチッ ク製である。 |
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この装着方法は1939年から1941年まで支給されていた戦闘用梱包(Aフレーム)の 支給前と、それが損耗した、戦争中後期以降の記録写真に良く見かける飯盒と水筒の携行法の一つ。 雑嚢と水筒・飯盒は2点支持になっているので、左右にずれることは無い。 飯盒は飯盒用のストラップを雑嚢のDリングとループに通して装着する。 |
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