ここでは、ドイツ軍のDリング付き重サスペ ンダーを展示しています。
   
はじめに
 
ここでは、前ページに引き続き、Dリング付き重装備用サスペンダーのディティールを紹介 する。
 
   
ディティール
   
 

 
ディティール
 
これは、両肩部に付けられている、装備類を吊り下げる為のDリングのクローズアップ画像 である。
このDリングは、断面形状がやや楕円形の鉄製の丸棒から作られており、ライトグレーに塗 装されている。
 

 
ディティール
 
Dリング取り付け部の裏側。
Dリングは上の写真で判る様に、革製パーツでサスペンダーに取り付けられているが、これ はその革製パーツの縫い糸を裏側から見た状態である。
また、このサスペンダーも、他の多くの皮革製野戦装備同様、革の表側が裏に使用されてお り、野戦服の磨耗を防ぐ様になっている。
 
ディティール
 
Dリング付きサスペンダーは、前2本と後ろ1の革製ベルトを、背部にある鋼製リングでつ ないで作ってあるが、これはその接続部である。
ディティール
 
接続部の裏側。
接続部のリングの裏側には、写真の様な当て革のパーツが付けられ、金具が直に服や体に当 たる事を防いでいる。この当て革は、2mm厚の革で作られている。
ディティール
 
当て革パーツの刻印のクローズアップ。
”340”とのみ打刻されているが、残念ながら意味不明。
ディティール
 
フック金具付き背面ベルトを外した状態。
   
 

 
 
写真上:サスペンダー右前方のベルトの表側。サスペンダー前側の左右のベルトは、各々フック付き装具用ベルトに、Dリング付き装具用ベ ルトがリベット留めされている。画像の上側がフック付き装具用ベルトで、ウエストベルトに通された装備のDリングを介してウエストベルトを吊り下げる。ま た、画像下側の先端にDリングが付けられている方のベルトは、背嚢やAフレーム装着時に前ページで紹介した様に、脇の下を通して、それぞれの装備のフック 金具に引っ掛けて使用する。
 
写真下:サスペンダー右前方のベルトの裏側。フック付き装具用ベルトもDリング付き装具用ベルトも、兵士の体格や服装、装着する装備類 に合わせて長さが調節出来る様に作られている。これら2本のベルトは3mm厚の革で作られており、フック付き装具用ベルトは肩のあたりの巾が広い部分で、 39mm、先端部の狭い部分で23mmの巾がある。また、Dリング付き装具用ベルトの方の巾は18mmとなっている。
 
 

 

 
 
ディティール
 
フック付き装具用ベルトと、Dリング付き装具用ベルトの接続部の表裏。
こうして見ると、Dリング付き装具用ベルトはフック付き装具用ベルトにリベット留めされており、表側から見える縫い糸は裏当ての革製 パーツの為である事が解る。これはDリング付き装具用ベルトが、ある程度フレキシブルに角度を変えられた方が都合が良い為の措置である。
 
 

 
 
写真上:フック付き装具用ベルトと、Dリング付き装具用ベルトの先端部表側のクローズアップ。
フック金具のバックル部を見ると、革製ベルトに数字の”3”が見えているが、これは左右のベルトに1〜8までの数字が打刻されており、 素早く正確に長さ調節を行なえる様になっている。
 
 

 
ディティール
 
フック付き装具用ベルトと、Dリング付き装具用ベルトの先端部裏側のクローズアップ。
 

 
 
ディティール
 
フック金具のクローズアップ。
この金具は複数のメーカーで作られており、形にもバリエーションがある。
 
 

 
ディティール
 
上のフック金具部を裏側から見た状態。
 

 
ディティール
 
側方より。
フック金具は写真の様に先端部は折り返され、また、ベルト側の面には突起が付けられてい る。これらによって、フック金具に引っ掛けた装備類が、簡単に外れない様になっている。
 

 
ディティール
 
フック金具を外した状態。
ベルトの先端には、革製のタブが縫い付けられているが、これはフック金具のバックルが万 が一外れても、簡単に抜け落ちる事を防ぐ為の物である。
 

 
ディティール
 
フック金具裏側のクローズアップ。
ディティール
 
フック金具裏側に打刻されているメーカー名刻印。
この金具には”JOEHA”の文字が打たれているが、具体的なメーカー名は不明。
 

 

 

 
ディティール
 
これらの画像は、Dリング付き装具用ベルトの先端部のクローズアップである。
このベルトは前ページで紹介した様に、背嚢やAフレーム等を装着する際に、脇の下を通して後ろに回し、装備のフック金具と緊結するベル トである。
 
ディティール
 
Dリング付き装具用ベルトの長さ調節バックル金具のクローズアップ。
このバックル金具は、写真の様にベルトの先端部に付けられており、長さ調節はバックル金具に付けられている爪を、ベルトのホールに入れ て行なう仕組になっている。
 
 
 
フック金具付き背面ベルト
 
このベルトも、革の表面が裏側に使用して作られている。サスペンダー本体との接続は、写真に写っている金具をホールに入れて行なうが、 ホールは3cm間隔で6個空けられていて、長さを調節する事が出来る。全長は43cmで、フック金具の付けられている部分の巾は32mm、細くなっている 部分の巾は20mm、革の厚みは3mmある。
 
   
ディティール
 
側面より見た接続部。
背面ベルトの固定金具も、当て革パーツ上に位置しているので、野戦服を痛めたり、背中に 当たる事が無い様に作られている。
 
 
 
 
ディティール
 
背面のフック金具のクローズアップ。
このフックは、全面側のフック金具とは異なり、直接ウエストベルトを吊る様になってい る。
 
 

 
 
ディティール
 
フック金具の側面形状。
鋼鈑から作られたフック金具は、革製のベルトにリベット留めされている。
 
 

 
 
ディティール
 
裏側から見たフック金具。
このフック金具とそれを固定しているリベットも、直接野戦服と擦れたりしない様に、裏打 ちの革製パーツが縫い付けられている。
 
   
   
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06.Feb.2003 公開   
  
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