ここでは、ドイツ軍のDリング付き重サスペ ンダーを展示しています。
   
はじめに
 
ここでは、ドイツ軍の最も基本的な野戦装具の一つ、Dリング付き重装備用サスペンダー (以降Dリング付きサスペンダーと記す)を紹介する。このDリング付きサスペンダーは、1939年型以前の背嚢、Aフレーム等を装着する際に不可欠の装具 である他、様々な装備を装着したウエストベルトを吊る装具として使用されていた。
ドイツ軍では第一次世界大戦以前より、革製のサスペンダーを使用しており、第一次世界大 戦時には、これとほぼ同じ様なサスペンダーも使用されていた。
また、当時のサスペンダーにはDリング及び装具用ベルトの無い騎兵タイプ、弾薬盒吊り用 等のバリエーションもあったが、これはヴァイマール共和国時代のライヒスヘーアでも継続使用され、ヴェアマハトでも1940年に使途及び呼称を変更し(注1)、パレード用や将校用、非戦闘部隊用とし て使用され続けた。これらのサスペンダーに付いては、またの機会に紹介する事とする。
Dリング付きサスペンダーは、1935年以降も実験配備や改良が加えられ、1939 年4月18日にまず歩兵科の小銃中隊用として採用された。これは、当時の歩兵部隊に対する車両の配備数が少なく、個人装備を極力兵士自身が背嚢に入れて携 行する事が求められた事による。続いて1941年6月26日にはオートバイ兵、1943年3月24日には自転車兵用装備としても採用された。
 
   
Dリング付き重装備用サスペンダー
Koppeltraggestell mit Hilfstragerimen
   
 
 
 
写真上:1939年型Dリング付きサスペンダーの表面。
 
写真下:1939年型Dリング付きサスペンダーの裏面。
 
 
 
 
装着状態
 
野戦服にDリング付きサスペンダーで、弾薬盒を付けたウエストベルトを吊った状態。
 
装着状態
 
後方より見た状態。これ以前の型では、左肩やや下方に、長いスコップの柄を通す革製ルー プが付けられているタイプもあった。
装着状態
 
ウエストべルトに雑嚢と水筒、スコップと銃剣を装着した状態。これでサスペンダーを使用 せず、野戦服のベルトフックだけを使用すると、野戦服のベルトフック用ホールを破いてしまう事があった。
ディティール
 
サスペンダー前面のフック金具を、弾薬盒の裏側に付けられているDリングに掛けた状態。
このフック金具は、通常この様にウエストベルトを直に吊るのでは無く、ウエストベルトに 装着した装備、もしくはDリング付きベルトループを介して吊るシステムとなっていた。
ディティール
 
ウエストベルトバックルを外した状態。この画像で見ると、サスペンダーのフック金具が、 弾薬盒のDリングに掛けてあるのが解りやすい。
ディティール
 
サスペンダー背面のフック金具で、ウエストベルトを吊った状態。画像右には、ベルトフッ ク金具も写っている。
 

 
ベルトフック金具
 
野戦服の内装にあるサスペンダーに付けるフック金具で、ウエストベルトを保持する為の物 ではあるが、あまり重い物を支えると、野戦服を痛めてしまう事もあった。
Aフレームの装着例
 
飯盒とツェルトバーンを装着したAフレームを、Dリング付きサスペンダーに付けた状態。
ディティール
 
サスペンダーの肩の部分に付けられているDリングと、Aフレームのフック金具のディ ティール。
ディティール
 
サスペンダー前側のDリング付き装具用ベルトを、脇の下を通してAフレーム下部のフック 金具に掛けた状態を示す。
   
 
注釈
 
注1:1940年4月2日付け通達で、既存のサスペンダーの名称変更が行なわれた。
 
1) ”Dリング付きサスペンダー:Koppeltraggestell mit Hilfstragerimen”は、歩兵用装備とし、その名称も”歩兵用サスペンダー:Koppeltraggestell fuer Infanterie”とする。
 
2)第一次世界大戦以前からの”弾薬盒吊り用サスペンダー: Trageriemen fuer Partoronentaschen”は、”将校用サスペンダー:Koppeltraggestell fuer Offiziere”とする。
 
1940年2月15日付け通達で、”騎兵用ベルト吊り:Kavallerie-Tragegurt”は、”騎兵用サスペンダー:Koppeltraggestell fuer Kavallerie”とする。
 
  
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06.Feb.2003 公開
  
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