今回は、陸軍の官給スポーツ着を紹介する。本コンテンツを制作するにあたり、貴重なコレ クションを取材させて下さったえっさい氏とPucki氏に、この場であらためて感謝の意を表します。 |
これは、官給タイプのタンクトップ型スポーツシャツ(ランニングシャツ)とジャージ姿の兵士達を写したショットである。スポーツシャ ツ:Sporthemdの前面には、軍種を表す国家鷲章の刺繍が施された徽章が縫いつけられており、黒や紺色のコットン製のトランクス型のスポーツパン ツ:Sporthoseや革製のスポーツシューズ:Sportschuh、ジャージの上下:Trainingsanzug等と一緒に支給されていた。 |
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えっさい氏コレクション |
これが陸軍の官給の兵用スポーツシャツであるが、形は写真の様なタンクトップで、下士官用は襟まわりに黒いラインが一本入れられてい た。 スポーツパンツは元々ネービーブルーであったが、1935年5月より黒のコットン製に変更された。これらのスポーツウェアは作業着と共 に戦闘の合間や自由時間等に着用される事があり、スポーツパンツも水泳パンツ(入浴パンツ)と共に前線の兵士達に愛用されていた。 |
陸軍用スポーツシャツ用国家鷲章は、半月型の台布に黒糸で機械刺繍されている。 また、空軍やSSは独自のマークを付けていた。 |
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Pucki氏コレクション |
紺色のコットン製のトランクス型のスポーツパンツ。 前述の様に、スポーツパンツは元々ネービーブルーであったが、1935年5月より黒のコットン製に変更された。したがって、これは 1935年5月以前に作られたスポーツパンツと言う事になる。この写真のパンツは退色のため、紫色になっている。 |
上の画像のパンツの後ろ側。 このスポーツパンツはやや厚手のコットン生地で作られている。 |
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左腰にはボタンで留める事が出来るポケットが設けられている。 |
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Pucki氏コレクション |
これも紺色のスポーツパンツであるが、生地はかなり薄手である。 |
上の画像のパンツの後ろ側。 |
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左腰にはボタンで留める事が出来るポケットが設けられている。 |
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内側に縫い付けられた布タグに、サイズを表す”2”のスタンプが押されている。 |
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上の布タグの裏側に押された鷲章のスタンプ。 |
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えっさい氏コレクション |
官給ジャージ製、トレーニングウェア。 前述の様にスポーツ着の一つとして採用されていた被服で、ネービーブルーの生地で作られ た物もあったと言われている。上下共に生地の裏側はパイル処理が施してあり、防寒性能はかなり高い。 プルオーバーの上着の裾と袖口にはゴムが入れられており、左胸の裏側には内ポケットが付 けられている。 |
プルオーバーの前開き部のクローズアップ。 前開き部にはチャックが付けられている。 |
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チャックを開けた状態。 |
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襟の下に付けられた、布製のタグ。 写真では”G&H 7 1937”の文字が確認出来るが、実際には”H"の後 に”S”が押されている。 G&H.Sはメーカー名、7はサイズ?と思われる。 1937は製造年である。 |
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チャックは”ELITE”社製。 ドイツ軍の軍装品ではお馴染みのメーカーである。 |
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裏側から見ると、首回りの裁断や、胸のポケットの様子が良くわかる。 |
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官給ジャージ製、トレーニングウェア。 パンツの方もウエストと裾にゴムが入れられており、右後ろには貼りつけポケットが付けら れている。 また、このパンツには、現在のジャージパンツと同じく、社会の窓は設けられていない。 |
腰の貼り付けポケット。 通常のズボンの様に、両サイドにはポケットが付けられていないが、右後ろにはボタン付き の貼り付けポケットが設けられている。 |
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ウエストにはゴムが入れられており、前面裏側に金属製バックルが付けられている。 |
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左腰後ろに付けられた布製タグ。 ジャージの上着と同じタグであるが、こちらは”S”がはっきり見える。 |
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裾のクローズアップ。 裾には、この様にゴムが入れられている。 |
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