08/15さんの「ドイツ軍軍装の楽 しい戦争映画」その2
    
ここでは、08/15さんがBBSに書き込まれた「ドイツ軍軍装の楽し い戦争映画」を再掲しています。

「軍装の楽しい戦争映画」TVムーヴィー編その1

「ヒトラーSS」(1985)原題"Hitler's SS:Portrait in Evil"
SSに興味をお持ちの方の必見作品。主人公は不況時代に法学部を卒業し、就職できずにいた所を ハイドリヒに拾われるという、ありがちな設定で、いきなりSDのOberstrumfuehrerで登場。編者注 1
SAに入った弟との敗戦に至るまでのドラマを軸にしたSSの歴史になっています。編者注 2
そのため相当詳しい人でないと理解不能な恐ろしい映画になってしまいました(笑)。
詳細を書くととめどないので(笑)箇条書きに話をしようと思います。まず軍装編。
 
@ SSの鷲と髑髏の帽章が年代によって変化する 編者注 3
A 戦争が始まる前くらいから黒服が一切出てこない 編者注 4
B SS将官の襟階級章が時代で変化する 編者注 5(主人公は最後にOberfuehrerになるのですが、これが全くその時 代のもの)
C 襟に連隊番号を付けたアルゲマイネSSの制服が登場する(実は、「長いナイフの夜」にリヒターフェルデの兵営からバートヴィースゼーへ向かうライプシュタ ンダルテのシーンなんで、本当は考証的にはミス) 編者 注 6バックの歌が"Wenn die Soldaten"
D 弟は陸軍将校になるが、軍服、シルムミュッツェが良い出来。ウォーターパターンの迷彩アノラックと 編者注 7ヘルメットカバーもしているし。

つぎ有名人編
@ ハイドリヒ:デヴィッド・ワーナーが「ホロコースト」に続いて再び演じてます。編者注 1
A レーム:頬の傷もそれらしいそっくりさん。編者注 2
B ルッツェ:二代目SA参謀長
C ゼップ・ディートリヒ:SA幹部の銃殺隊指揮。正しくGruppenf.の黒服。
D T・アイケ:「ダハウへ送ればアイケが仕込む」という嬉しいセリフが。
E "ゲシュタポ"ミュラー:グライヴィッツの放送局襲撃のエピソードで。
F ヴェルナー・ベスト:SS Obergruppenf.。こんな人まで出てくるなんて。
G ヒトラー:1934年の若いヒトラーが良い。
H ヒムラー:それらしい感じです。 編者注 4
う〜むいつも以上の一人よがりの書き込みになってしまった^^;;;。

投稿者:08/15   投稿日:1999年 08月16日(月)

編者注 1:いきなりSDの Oberstrumfuehrerで登場。
SDは国家保安本部RSHA(1939年にSS長官ヒムラーが警察組織を再編成して設置。)の元にある保安諜報部の事で、制服の左袖にSDと刺繍された菱 形の袖章を付けている。ハイドリヒはヒムラー長官の片腕としてSDを率い、国家保安本部長官になったが、1942年5月、チェコの一部だったボヘミア・モ ラビア(ベーメン・メーレン)保護領副総督時にプラハで暗殺された。 

OberstrumfuehrerはSSの階級名でSS中尉の事。 
写真左:ハイドリヒの肖像画。右上がSDの袖章、 
下がSS中尉の襟章。(1934年10月以降のタイプ)

編者注 2 : SAに入った弟と・・・
 
SA : Sturmabteilung (突撃隊) ナチスが台頭するのに重要な役割を果たした武力集団。
元はナチス党の私設軍隊的存在であったがレームの指揮下、勢力を拡大し、国防軍と反目したた め、1934年にヒトラーの命により、ヒムラーの親衛隊によって多数の幹部が粛正された。
 
写真左:党大会での突撃隊。
写真右:エルンスト・レーム
編者注 3 : SSの鷲と髑髏の帽章が年代によって
             変化する
 
SSは独自の鷲と髑髏の帽章を採用していたが、髑髏は帝政ドイツのエリート部隊を偲ばせる物と して採用されていた物で、実際には国防軍の部隊でも使用している部隊はある。
1923年にSSの前身アドルフ・ヒトラー衝撃隊が部隊マークとして髑髏を採用、陸軍の余剰品 を使用したのが始まりで、SSに発展した後にミュンヘンのデシュラー社(RZM M1/52)に大量にこのプロイセンタイプの髑髏を製造させた。1934 年に新たに編制された陸軍の装甲部隊がエリート部隊として、黒のユニホームとプロイセンタイプの髑髏を採用するに至り、SSは新型の髑髏を採用、以後終戦 まで使用し続けた。

写真左が初期型の帽章・右が新型帽章を付けた制帽。

編者注 4 : 戦争が始まる前くらいから黒服が
             一切出てこない

SSと言うと黒服のイメージが強いと思うが、実際には全隊員に行き渡ったのは1933年で、1938年にはグレーの新しい服の採用に伴 い戦闘部隊、占領地の部隊から順次更新され、一部の警察補助組織 ・ 非常勤勤務のアルゲマイネSS隊員以外は着用しなくなった。 
戦争が始まるまでは、式典等で着用されたが、開戦後は着用されなくなり、更に戦争末期には黒服着用者を兵役を逃れの卑怯者として嘲笑した事もあったそう だ。 

写真左の黒服は、SS長官ヒムラー。1936年の撮影。 
右はフィールドグレーの新型制服を着用したヒムラー。

編者注 5 : SS将官の襟階級章が時代で変化する

SS将官の襟章は、階級制度の改変に伴い、1942年の5月にデザインが変更された。

写真上段が1933年から1942年4月まで使用された物で、下段が1942年の5月以 降の物。
それぞれ、左からSS准将・SS少将・SS中将。

編者注 6 : 襟に連隊番号を付けた・・・

アルゲマイネSSの襟章は、その部隊の管区番号が刺繍されていたが、武装SSは当初副管区扱いだったためブランクの襟章が使用され、後 に区別する必要から1933年末にLAHにSSの襟章が支給され、1934年には南部方面・南西方面・中部方面に所属する政治活動展開部隊にSS1 ・SS2 ・SS3 の襟章が支給された。この襟章はSSと1から3の数字の大きさが同じ物で、戦闘部隊SS-VTに支給された襟章とは異なる物であった。 
SS-VTの中で、「ドイチュラント」「ゲルマニア」「ディア フューラー」の各連隊にはSSの文字より小さい数字が刺繍された SS1 ・SS2 ・SS3の襟章が支給された。 

写真左より、28連隊(ハンブルク)・58連隊(ケルン)・SSドイチュラント連隊の襟章。 
ちなみにアルゲマイネSSの襟章の数字は1番のミュンヘンに始まり126番まである。

編者注 7 : シルムミュッツェが良い出来。

シルムミュッツェとは制帽の事である。 
写真左は、縁取りの兵科色を見ての通り装甲科の物で、右は白の兵科色から歩兵科の物である事がわかる。あと、この歩兵将校の制帽には髑髏が付けられている が、これがブラウンシュバイクタイプと言われている髑髏で、第17歩兵連隊で使用されていた。 
また、注釈の3で説明したプロイセンタイプの髑髏は陸軍の第5騎兵連隊で使用しており、決してSSや装甲科だけが使用していた訳では無い。他に海軍や空軍 の 
一部でも部隊章に髑髏を採用していた例がある。 

ウォーターパターンの迷彩アノラック

アノラックは防寒装備として支給された物だが、最初にフィールドグレーと白のリバーシブ ルの物が作られ、続いてスプリンターパターンと白の物、そしてこのウォーターパターンと白のリバーシブルの物が作られた。

またウォーターパターンは、写真の様にパターンのぼかし方や色味の違ういくつかのバリ エーションが存在した事が知られているが、もっぱら被服に使われており、
ツェルトバーン(迷彩ポンチョ)は作られていない。

    
軍装の楽しい戦争映画」TVムーヴィー編その2

今回は軍装にあまりこだわらずに・・・ 

「ウインザー公掠奪」(1984):J・ヒギンズ原作。「薔薇園」管理者、まけらいおん閣下の二人を閉口させた傑作。 
シェレンベルクが映画史上初めて登場するのが唯一の救い。軍装は一応見られる! 

「狐たちの夜」(1990):J・ヒギンズ原作。「薔薇園」管理者のどり〜む☆を壊した(多分)傑作。 
シェレンベルクは出て来ずにデブで爺さんのジョージ・ペパードが登場します(涙)。軍装は一応見られる(笑)! 

「ホロコースト」(1978):これがユダヤ史観か・・・。でもドラマは一応見せます(笑)。 
ガスマスクを被ってツィクロンBを流し込むシーンがありました。アルゲマイネSSの腕章の上下に黒線が 編者注 8
入っていなかったり、服装考証は製作年代のせいかそこそこといった感じです。 

「戦争と追憶」(1989):これがユダヤ史観か・・・。でもドラマは一応見せます。 
全部で12巻という超大作。しかもこの前に「戦争の嵐」がある訳で・・・。 
 登場人物はシャロン・ストーンの浮気妻は出るわ山本五十六は出るわハーディ・クリューガーは 
ロンメル演ってるわと出演者だけプリントアウトしたらA4で5枚ありました。 
それで軍装はというと、良く出来ています(笑)。 
言わせていただければ陸軍の将官軍服のボタンホールの位置が悪いですが。 

「殺しのプロット」(1990)"Plot to kill Hitler"伯爵シュタウフェンベルク大佐が主人公。 
実はデッキの故障で全部見ていません。映画は東欧ロケで良い感じを出しています。 
W号D型もどきの戦車も出てくるし。が、最大の特筆点は、「将校の肩章が埋め込み」という事であります。編者注 9
あの「空軍大戦略」ですら出来なかった贅沢をこの作品は成し遂げました。拍手! 
(一般の方、何のことかお解りでしょうか) 

「陰謀」(1989)"The Nightmare Years":「第三帝国の興亡」の著者であるアメリカのジャーナリスト 
W・シャイラーの「ベルリン日記」が下敷きと思います。 
映画に出たことのないフリッチュ上級大将が登場。 
フランス降伏調印式の取材のシーンでの国防軍大佐の長靴がジャックブーツの流用らしく短かった! 編者注 10

投稿者:08/15  投稿日:1999年 08月17日(火)

編者注 8 : アルゲマイネSSの腕章の上下に黒 線が

SSの黒服に着けられていた腕章は、写真の様に上下に黒い線が縫い付けられていた。 

これも色々な作りの物が存在し、極めてバリエーションの多いアイテムだが、グレーの制服の導入時に廃止され、SS型の国家鷲章にその座 を譲った。

編者注 9 : 「将校の肩章が埋め込み」
 
兵用の野戦服と違って、将校の勤務服の多くは肩章が脱着式ではなく、写真の様に肩と袖の合わせ 目に縫い込まれていた。

写真は空軍の飛行科少尉の勤務服の物であるが、 
陸軍やSSでもこの様に縫い込まれた物が多かった。 

また、勤務服以外では将校用コート等も、この様に肩章は縫い込まれている場合が多い。

編者注 10 : フランス降伏調印式
 
1940年6月21日、フランスに勝利したドイツは、第一次世界大戦終結時にドイツが降伏調印 をした時に使われた、仏のフォッシュ元帥の寝台車をパリ郊外のコンピエーニュの森に博物館から引っぱり出して、休戦条約を締結した。
 
列車の外、左から二番目がアドルフ・ヒトラー、以下ゲーリング・レーダー・ブラウヒッチュ等の お歴々が写っている。
 
後にこの列車は、対仏戦勝利の記念品としてドイツ軍工兵の手によってベルリンに運ばれたが、連 合軍の空襲で破壊されてしまった。
長靴がジャックブーツの流用らしく短かった!
 
写真左が将校用長靴で、右は兵用のジャックブーツ。
 
写真のジャックブーツは、1939年以降の丈の短いタイプではあるが、この二足はサイズも同じ なので(サイズ42)、長さの比較に丁度良い。
 
しかし、将校が乗馬ズボンを履いている時に、ジャックブーツで代用したのでは、ゴム長靴を履い た土木現場作業員か、映画「戦争のはらわた」のラストの方で、ロシア軍女性兵士の服を無理矢理着ているシュタイナー軍曹の部下達の様になってしまう (笑)。
    
ホームに戻る
「戦争映画」へ 戻る

本サイトに掲載されている文章及び画像の無断転載はお断りします。Copyright  1999  STEINER

19.Dec.1999 公開
inserted by FC2 system